artist image

maria

Discography

2005年10月に新宿ピットインで行われた高橋悠治(piano,computer,voice)、渋谷慶一郎(keyboard,computer)、maria(computer)によるコンサート”dub lilac”を96khz,32bitの高音質で完全収録、渋谷慶一郎が精緻なエディットを施して20の断片を再構成することによって完成した究極のライブ盤です。高橋悠治の名曲「さまよう風の痛み」(1981)、ヨーゼフ・ハウアー(1883~1959)のピアノ曲、渋谷のprophet-5によるシェーンベルグ、ケージの断片などを含む、演奏と作曲、即興とテクノロジーの交差する極めて高密度な傑作となっています。全20曲55分58秒。 — 「内にこもったひびきをとりだすためのあやしげなふるい木の箱」(*)としてのピアノ。 そして、そこにひそんでいるひびきを内なる手順によって、もうひとつのひびきとしてとりだす、あやしげな小箱としてのコンピュータ。 そこは、自由に奏でられる音に満ちていた。 奏でられた「音楽」からふたたび「ひびき」をとりだすように。 それは、まるで音をひとつひとつ、気ままに箱の中からとりだすようであり、音は奏でられると同時に複数の多様な変化をへて、空間に放たれる。 ときおり、ある楽曲が断片的に演奏されるが、それは、くだけながら、やがて、もうひとつのひびきへとすがたを変え、こだましながら虚空へと消え入る。 そこには、より緩やかで自由な、音の発生の場がある。 これは、あやしげな箱をめぐる、3人の音への試行を記録したものである。 *ピアニストのためのコロナ/武満徹《高橋悠治/武満徹の芸術》ミニアチュール第3集 高橋悠治による解説より 畠中実(NTTインターコミュニケーションセンター[ICC]学芸員)

20 tracks
V.A.

2003年にATAKからリリースされた60秒の音による抗議。世界で活躍する60人のサウンドアーティストをコンパイル。 アメリカが行ったイラクへの武力行使に対して世界中のサウンドアーティストに60秒の音による抗議をATAKが依頼、e-mailを通じてやり取りされた60人による60秒のサウンドデータを60分のCDとしてコンパイルすることによって世界に例を見ない音による抗議が実現しました。 これはアメリカが行ったイラクへの武力行使と侵略に対する60人のサウンドアーティストによる60秒の音による抗議です。 言葉や思想によってではなく音楽家にとって一番身近な道具としての音による抗議は可能か?という問題の一つの答えがこのCDです。 ————————— 渋谷慶一郎 世界中の60人のsound artistに60秒の抗議のsoundfileを送ってもらったものをマスタリング、60分のCDとしてATAKからリリースされたコンピレーション。ATAKから世界のsound artistに投げかけられたこの企画への参加要請は熱い理解と協力を呼び、サウンドアート、エレクトロニカシーンの最前線を担う注目すべきアーティスト達を収録する形となりました。 坂本龍一とのコラボレーションも記憶に新しいカールステンニコライや、ロウアー・ケース・サウンドの元祖とも言えるバーナード・ギュンター、傑作「endless summer」で知られるフェネス、「clip hop」のオリジネイターであるアンドレアス・ティリアンダー、オランダを代表する実験音響アーティスト・ロエル・メールコップ、sndの活動で知られるマーク・フェル(今回はshirtrax vs. shirtrax名義で参加)、アンビエントとミニマリズムを融合させたデジタルサウンドの発展に大きく貢献した伝説的アーティストのキム・カスコーン、ミルプラトーやラスターノトン等数々のレーベルから精力的にリリースを続けているフランク・ブレッシュナイダー他、日本からも本CDを企画・コンパイルした渋谷慶一郎、渋谷とmariaによるラップトップデュオslipped diskはもちろんメルツバウ、アオキタカマサやヤマタカEYE、numb、そしてさらには現代音楽界の巨匠・高橋悠治、アルス・エレクトロニカ2002においてグランプリを受賞しDJスプーキーやメゴ周辺のアーティストから絶大な支持を誇る刀根康尚(アルス・エレクトロニカ2002エレクトロミュージック部門グランプリ受賞)他、音の強度という共通項は保ちつつも世代や国境を超えたコンピレーションとなっています。 「60秒間の抗議」のそれぞれの解釈は多様でありながらある種共通した緊張感に溢れています。

60 tracks

Related labels