大正ロマンな世界を奏でる本作。古風な言葉を綴り現代のアバンギャルドな音楽と融合し艶やかに完成された「猫戯し」今回もサウンドプロデューサー松田純一氏の作曲、編曲に、上田起士氏が作詞をし、浮き世離れしたストーリーが描かれた。BIONの和心と恋心が混ざり合い妄想に明け暮れる。「猫戯らし」その首輪はずして その帯をほどいて野暮な浪漫なら 間夫がいいあちきは 猫戯らし主に病むほどの 柄じゃなし着の侭に過ごす 野良じゃなしおいでなんし てもせわしのうざんすいとおかし不釣り合いでも 摩訶不思議でも好いておくんなまし誰が為の命か なけなしの日銭が諸行無常でありんす不揃いの林檎齧るよに 神々と遊び戯れに勝るお悪戯して 毛繕い爪尖らすその首輪はずして その帯をほどいて野暮な浪漫なら 間夫がいいあちきは 猫戯らし地に落ちる身体 ひるがえし御茶を挽く暇を 持て余しいいなんすな 花宵の宴あなうれし契りを交わし そいつを破り 草の根暮らしまたたびに焦がれりゃ 行き摩りにもなるさ大判小判はいりんせん寒がりな肌を舐めるよに 薄化粧纏い寝床共にしておさればえ 敵娼以上愛おしいいま指輪はずして いま闇をほどいて肚の裡さえも晒すよ 招いて薄目を開けて いい雨だっけねおゆかり様へ神楽囃子の音に似た甘え声 一頻り遊び戯れに勝るお悪戯して 毛繕い爪尖らすその首輪はずして その帯をほどいて野暮な浪漫なら 間夫がいいあちきは 猫戯らしいつの世も なくならぬ妄想せめて独り 夜が明けるまで啼け