前作の「バーバー:ピアノ作品集」が好評の三舩優子の。次なるターゲットは南米です。魅惑のピアニズム満載でまだこれから広がってゆくであろう未開の音楽大陸です。その代表格であり、没後20年を迎える人気作曲家ピアソラの貴重なオリジナルピアノ作品を収録。特に作品2はこれまでのイメージを覆すようなクラシックテイストを含んでおり、ドビュッシーやラヴェルの印象派から大きく影響を受けたあまり知られていない貴重な楽曲です。当アルバムのピアソラの作品を聴くと、「天使のミロンガ」などへと繋がるピアソラの音楽変遷が感じられます。また、ピアソラの最初の先生であったヒナステラも要注目です。近年人気曲となりつつある「アルゼンチン舞曲集」はラテンのリズムと和声が色濃く、高揚感満点の曲です。ヒナステラからピアソラへと繋がる南米ピアニズムを、三舩優子の切れ味鋭いリズムとセンスが、色鮮やかに鳴り響かせます。三舩優子ならではの渾身のピアニズム。新たなる音楽の展開です。