2017/03/27 14:00
いきなりですが、筆者はシンガー・ソングライターのカネコアヤノさんが好きです。
彼女のスタッフさんと知り合ったことがきっかけで、なんやかや2年近く追いかけています。追いかけるといっても、リリースタイミングで取材をしたり、ゆる〜りとライヴを見に行ったりなんですが。
あ、OTOTOYのイベント〈オトトイのススメ!〉と、自主企画イベント〈腹痛が痛い〉にも出演してもらったり、たまたま電車のなかで寝ている見かけたこともあります(笑)。
そう考えると、ゆる〜りとではありますが、欠かすことなく彼女のことを追いかけているのではないかと思います。
カネコアヤノさんの魅力は、なんといっても気取らない歌詞と、カラリとしたサウンドワークにあると思っています。
高校時代から、TOKYO NEW WAVEシーンのバンドを筆頭に、たま、戸川純、町田康などに魅了されてライヴハウスに通っていたというカネコさん。現在は元・踊ってばかりの国のギタリスト、林宏敏さんがバンド・メンバーとして参加するなど、そのサウンドは、より洗練されてきています。
そんなカネコアヤノさんの魅力をもっと多くの人に伝えたいと思い、今年3月で高校を卒業する女性インターンのYさんを連れて、ライヴを観にいってきました。
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訪れたのは、2017年3月18日(土)、蒲田温泉2F大広間宴会場にて開催されたイベント〈ア~の湯〉。
ドラマ「昼のセント酒」でも舞台になった蒲田温泉は、蒲田駅から約10分ほど離れた場所にある風情のある銭湯。オリジナルTシャツ(めちゃめちゃカラーのバリエーションがある!!)が1000円で売っていたり、2Fにある宴会場では釜飯が名物だったり、この場所自体がカルチャーになっているといっても過言ではありません。
このイベントの主催の「明日のアー」さんは、主にインターネット上で活動するライター / 動画制作者の大北栄人さんが書いたコントを俳優やライターふくむ友人たちが上演するユニットで、このイベントもコントや朗読、盆踊りなどバラエティ豊かな内容で刺激的でした。蒲田温泉2F大広間宴会場は、老若男女問わない満員のお客さんたちで溢れていました。
イベントのトリ前(盆踊り前)に登場したカネコアヤノさん。
弾き語りでライヴをはじめると思いきや、舞台上にあったカラオケマシーンで麻丘めぐみさんの「わたしの彼は左きき」を歌い始めるという意外な行動に!? ライヴハウスとは雰囲気もお客さんも違うこともあって、場を和ませるとともに、カネコさん自身も緊張をほぐそうとしたのかもしれません。
カラオケを含め約30分の演奏をしたカネコアヤノさん。女性インターンのYさんは、畳の上に座り、じ〜っとライヴを見ていました。筆者はライヴを楽しみながら写真を撮っていました。印象的だったのは、曲を終えるたびにカネコさんが「ういっす」と言うこと。いつもと違う場所だったから気合いを入れていたのかな、なんて感じました。
そして、帰り道にYさんに感想を訊いてみました。
ーーどうだった、カネコさんのライヴ?
Yさん : めっちゃよかったです! あ、私「すごい」って言葉禁止なんですよ。「すごい」「よかった」「かっこいい」ってすぐ言っちゃうから…。どう表現したらいいんだろう? (カネコさんは)自分で曲を作っているんですよね?
ーーそうだよ。
Yさん : 正直、女性シンガー・ソングライターの人の歌詞って、「なにそれ? うるせえよ」みたいのあるじゃないですか?
ーーどういうこと(笑)?
Yさん : そんなこと歌う? みたいな歌詞もあるじゃないですか。(カネコさんは)それもないし、メンヘラっぽくもなくて聴きやすかったです。すごくよかった。
ーー女性シンガー・ソングライターは自己主張が激しいみたいなイメージがあるの?
Yさん : そうなんですよねー。もちろん、そういうライヴを見ていてハマる人はハマるけど、私は痛いわーみたいに思っちゃう。(カネコさんには)それがなくて、すごくよかったです。しかも今日の雰囲気はライヴハウスで観るよりいいんじゃないかと思いました。親戚が集まっている家でそんなに知らない親戚の子が歌っているような感覚で観れた。
ーー最初からアーティストだって構えてみるわけじゃなくフラットに観れたわけだ。
Yさん : あと、「甘いのが砂糖で、苦いのがグレープフルーツ」って歌詞、めっちゃいいですよね。
(実際の歌詞 : 〈甘い砂糖と苦い グレープフルーツみたい〉)
ーー「グレープフルーツ」だよね。
Yさん : 普通、苦いのがグレープフルーツってならないですもんね。
ーー普通、酸っぱいってなるもんね(笑)。確かに、わかりやすく自分を吐き出すような歌詞とは違うよね。
Yさん : 私、恋の歌とか聴くのが苦手なんですよ。ほんと、今日のライヴを観てなんか感動しました。
ーーそれはよかった(笑)。
Yさん : 正直、いいと思わなかったらどうしようって心配していたから。たぶん自分の世界観があるんだろうけど、そこを押し付けるように出していない感じがいいですね。「ういっす」っていうのも(笑)。
ーー今日は、曲が終わるたびに「ういっす」ってカネコさん言ってたもんね(笑)。
Yさん : 今日のライヴを見て、自分のなかで偏見があるんだなと思いました。
ーー偏見って?
Yさん : シンガー・ソングライターって、ちょっとメンヘラちっくで、顔で売るようなことしている人が多いのかなって。全員が全員じゃないですけど、わりとそういうのが多いなと思って。でも、カネコさんは全然違って。
ーー確かにそれは偏見かもしれないね(笑)。自分の知っているもの以外のライヴももっと観た方がいいかもよ。
Yさん : はい、次はバンド編成でのライヴ観てみたいです!
告知みたいな締めになってしまうのですが、次のライヴは3月27日(月)、バンド編成で下北沢THREEにて開催されます。よかったら、ぜひ観にいってみてください。
カネコアヤノさん、本当にオススメですよ! (西澤裕郎)
〈we are presents『偶然の音楽vol.6』〉
2017年3月27日(月)下北沢THREE
時間 : OPEN 19:00 / START 19:30
料金 : 前売 2,500円
出演 : カネコアヤノ(バンドセット) / ナツノムジナ
※バンドセットでの出演
■Release Info
2017年4月26日(水)全国発売
カネコアヤノ New EP(生産数量限定盤)
『ひかれあい』
価格 : 1,400円(tax-in) / 1,296円(tax-out)
収録曲 :
1. とがる
2. 天使とスーパーカー
3. 朝になって夢からさめて
4. とがる(弾き語り)
5. 天使とスーパーカー(弾き語り)
6. 朝になって夢からさめて(弾き語り)
・カネコアヤノHP
http://kanekoayano.net/
・カネコアヤノ「ひかれあい」特設サイト
http://kanekoayano.net/special/hikareai/