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2015/01/27 17:00

 

忘れらんねえよ、3人揃って〈ツレ伝ツアー〉感動ファイナル! キンコン西野もボーカル披露―OTOTOYライヴレポ

 

1月25日(日)東京・赤坂 BLITZで忘れらんねえよの〈ツレ伝ツアーファイナル~そして伝説へ~〉の最終公演がおこなわれ、ゲストに迎えたお笑い芸人・キングコングらと共に長かったツレ伝ツアーを終えた。

2014年3月10日(月)千葉LOOK〈ツレ伝ツアー~序章~〉からCzecho No Republicをツレにスタートした〈ツレ伝ツアー〉がついにファイナルとなるこの日。開演前にはツレとなったバンドたちの曲が流れ、ツアー後半で度々観客を煽っていたフラカンの「真冬の盆踊り」が流れたときには両手を上げて踊るファンの姿も。ツアー中ライヴに参戦したお客さんも多かったようだ。

まず17:30からオープニング・アクトとして、昨年10月におこなわれたバンド・オーディション〈24時間バンドやろうぜ〉にて優勝を勝ち取った「変人変態女子二人」がかつての忘れらんねえよライヴのオープニングSEを思わせるヘンテコリンなSEで登場して「せちがらい世の中ですが歌にしたらちょっと楽しくなるかも伝説!」と叫んで「女子トイレのうた」からライヴ開始。2人きりで繰り出すガレージロック・サウンドで女子トイレあるあるを歌い早速女性客のハートを掴んでいるようだ。「こんばんは~チャットモンチーです! なんちゃって。ごめんなさい~! ちょっと言ってみました! すいません!」といきなり柴田を挑発!? 続いて「忘れらんねえよ~中学3年生の頃の初恋~」と題して「忘れらんねえよ」のサビを使い中学のときに付き合った彼氏とのエピソードをブツブツ言うトーキングブルースを披露。これが観客に大ウケしていた。本日の出演者の紹介をして数曲を演奏、ステージを降りた彼女たちは、まったく緊張を感じさせないとてつもないクソ度胸と余裕のステージングにより見事OAの大役を果たした。

続いては漫才コンビ・キングコング。OTOTOY TV♭の事前番組で柴田隆浩(Vo.Gt)が語っていたように、かつて赤坂BLITZでキングコングがライヴをおこなった際に、まだ無名だった忘れらんねえよの曲を使ってくれたことから、もし忘れらんねえよが赤坂BLITZでライヴをすることがあれば出演してほしい、という約束をしていたという両者。その約束を果たして音楽ライヴのステージに登場したキングコング西野「対バンするから漫才してくれと言われまして(笑)。柴田という男はアホですから(笑)」と第一声。当時部屋で酒を飲んで2人とも寝てしまい朝起きたら“今日はどうもありがとうございました”と柴田の置手紙があったがよく見ると二度寝したらしい本人が寝ていたというエピソードで観客爆笑。「好感度が低い」と相方の梶原に指摘された西野に対して観客からは「フ~!フ~!」と称賛する(?)歓声が。約20分間に亘る漫才を披露、そのハイスピードな話術とアクションに観客も爆笑の連続だった。

そしていよいよ忘れらんねえよが登場。暗転するとステージ上のスクリーンに「ツレ伝NO OWARI」と映し出され観客がドッと沸く中、SEKAI NO OWARIの「RPG」が流れメンバーが登場。ベースの梅津拓也が久しぶりにステージに上がり大歓声が起こる中、突然会場後方にスポットライトがあたり「フロアの後ろから失礼します!」と赤いアフロヘアの仮面の男が登場。クラウドサーフしながらステージにたどり着くと「僕本当はDJ LOVEじゃありません! 改めまして忘れらんねえよです! 梅津君ふっか~つ!」と「梅津君! →おかえり! →梅津君! →おかえり!」のコール&レスポンスを敢行。いきなり感極まったかのような表情の梅津のベースがお馴染みのベースラインを奏で「僕らチェンジザワールド」でライヴがスタート。今回、〈ツレ伝ツアー〉の地方公演を何回か観て色んなオープニング曲を観てきたが、やはり忘れらんねえよのライヴのオープニングといえばこの曲が最高だ。「戦う時はひとりだ」から早くも「CからはじまるABC」が始まると酒田耕慈(Dr)と梅津が叩きだすイントロに乗って柴田がギターを置いてフロアに飛び込む! マイクに戻るまで歌い出しを梅津が歌う貴重な場面も。

「あらためまして、でんぱ組.incです! えいたそですっ!」とレアな自己紹介の後は久しぶりの「ドストエフスキーを読んだと嘘をついた」ではアレンジに変化有り。何回聴いてもカッコイイロック・ナンバー「中年かまってちゃん」ではフロアのモヒカン野郎もダイヴするハードコアな音を聴かせた。曲が終わると梅津がマイクを取り「やっと復帰できました! 立って演奏するのが、そしてこの3人で演奏できるのがこんなに楽しいなんて!」と満面の笑み。観客からも暖かい拍手が贈られた。「真冬の盆踊り」で観客を煽り「この高鳴りをなんと呼ぶ」から「体内ラブ」へ。こうして聴いてみると実に振幅の広い楽曲を持っているバンドだ。「体内ラブ」の途中からスペシャル・ゲストとしておとぎ話の有馬和樹(Vo.Gt)が登場して新曲「ばかもののすべて」と、酒田のドラムソロを挟んで「今夜いますぐに」と、2曲のプロデュース作に参加した。

隠れた名曲「そんなに大きな声で泣いてなんだか僕も悲しいじゃないか」を熱唱する柴田。久しぶりのロングセットだが声の調子が良いようで、続く「タイトルコールを見ていた」も同様に繊細な曲のニュアンスが伝わってきた。キングコングとの約束が今日果たされたことに感慨深そうなMCから演奏された「この街には君がいない」では、梅津が腰の心配をものともせずにジャンプをキメる。「僕らパンクロックで生きていくんだ」から「バンドワゴン」へ。「ツレ伝でどうしても一緒に出来なかったのがチャットモンチー」だったものの、年末の「COUNTDOWN JAPAN」でえっちゃんとニアミス、挨拶しようとタイミングを計ったものの本人を見かけて隠れてしまったというエピソードに観客からは「えぇ~!?」と非難の声(?)が上がったが、すかさず「シャングリラ」をワンコーラス演奏してチャットモンチーへの変わらぬ愛をアピール。

「忘れらんねえよ」ではフロアに降りて観客と一緒に肩を組んで歌う柴田。各地のライヴ・ハウスでも観られた光景だが、さすがにこの規模で観ると壮観だ。「北極星」では場内の照明を全部消してから場内が明るくなると、爆発的な盛り上がりを見せる観客たち。「ばかばっか」でのお馴染みの「チューチュートレイン対決」には、キングコングの西野も参加。客席をかき分けて入ってくる西野を触りまくる観客たちも嬉しそうだ。本日の勝者チームには、BLITZだけにプリッツが客席にプレゼントされた(敗者には酒田サイン入りティッシュを贈呈)。そして数々のライヴを経て忘れらんねえよファンのアンセムに成長した曲「バンドやろうぜ」の最後のサビを観客が合唱してライヴ本編が終了した。

アンコールの声に応えての1曲目は2月4日発売のシングル収録の新曲「ここじゃないけどいまなんだ」。プロデュースした有馬も参加して演奏したこの曲が凄かった。これまでの忘れらんねえよの世界に無いシューゲイザー的な要素も入った激しくヘヴィな演奏で、心の奥底にある感情が爆発するこの曲。今後のライヴの目玉になりそうだ。続いて西野が大好きだという「僕らチェンジザワールド」を再び演奏、ステージに呼びこまれた西野がリードボーカルを取り見事な歌声を披露! サビに差し掛かるとステージの隅から隅まで、フロア前方の観客にマイクを向けて大合唱を促す。2番のサビではなぜかマイクを置いて奇妙なダンスを始める西野に爆笑、大いに観客を楽しませてくれた。

そして〈ツレ伝ツアーファイナル〉最後の曲に選ばれたのは「夜間飛行」。リリース後しばらくして「今はライヴ・ハウスのお客さんに刺さらない」と一時期封印気味だったこの曲は数々のライヴで演奏されブラッシュアップされたことで間違いなく観客の心に届く曲になって〈ツレ伝ツアー〉の最後を飾った。曲が終わると〈ツレ伝ツアー〉に参加したバンドたちのサインが入ったフラッグをステージ置き、観客からの万雷の“サンキューSEX”コールで記念撮影をしてライヴは終了…かと思いきやスクリーンに「ばかもののすべて」のMVが映し出される。観客も曲が始まったとたんに大合唱! このシーンにはグッとこみ上げるものがあった。MVが終わると誰もいないステージに向けた観客からの拍手がいつまでも鳴り響き、感動的な余韻を残してこの日のライヴは幕を下ろした。

〈ツレ伝ツアー〉はこの日で終了したが、休む間もなく2月4日の新シングル発売と同時に怒涛のレコ発イベントの日々に突入する忘れらんねえよ。これからも彼ら3人はアツいファンたちを連れて大きな夢を見させてくれるはずだ。 (岡本貴之)

〈ツレ伝ツアーファイナル ~そして伝説へ~〉
2015年1月25日(日)赤坂BLITZ
出演:忘れらんねえよ / キングコング
OA:変人変態女子二人
★セットリスト★
1.僕らチェンジザワールド
2.戦う時はひとりだ
3.CからはじまるABC
4.ドストエフスキーを読んだと嘘をついた
5.中年かまってちゃん
6.この高鳴りをなんと呼ぶ
7.体内ラブ ~大腸と小腸の恋~(With有馬和樹)
8.ばかもののすべて(With有馬和樹)
9.今夜いますぐに(With有馬和樹)
10.そんなに大きな声で泣いてなんだか僕も悲しいじゃないか
11.タイトルコールを見ていた
12.この街には君がいない
13.僕らパンクロックで生きていくんだ
14.バンドワゴン
15.シャングリラ
16.忘れらんねえよ
17.北極星
18.ばかばっか
19.バンドやろうぜ
アンコール
20.ここじゃないけどいまなんだ(With有馬和樹)
21.僕らチェンジザワールド(Withキングコング西野,有馬和樹)
22.夜間飛行


[ニュース] SEKAI NO OWARI, おとぎ話, 忘れらんねえよ

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