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2013/12/30 22:00

 

平賀さち枝から今年最後のギフト、心温まるワンマン・ライヴ――OTOTOY最速レポ

 

※ 写真は後日追加します。

2013年もあと2日を残すのみになった12月29日。新代田FEVERにて、平賀さち枝のワンマン・ライヴ〈平賀さち枝 ニューシングル「ギフト/いつもふたりで」発売記念&今年もお世話になりましたワンマンライブ〉が行われた。

平賀は、2012年末にも〈今年もおせわになりましたワンマンショウ〉と題したライヴを、原宿VACANTにて行っている。こちらは座席が用意されての2部構成、全編弾き語りでのライヴであったが、今年は立ち見でバンド編成での演奏も行われるとのこと。バンド編成での演奏は普段あまり観られないので、特別なライヴになりそうだ。

開演時刻をまわり、まだ客電がついたままのステージに平賀が登場。チューニングを終えると、BGMが止まって暗転。ライヴがスタートした。1曲目は「希望にあふれた雨雲でいっぱい」。アコースティック・ギターの温かい音と平賀の優しい歌が心にすっと沁みいってくる。客席もみんな穏やかな表情で、平賀の歌に耳を傾ける。「風のつよい日」では、間奏で口笛を披露した。ゆったりとした空気のまま、曲が演奏されていく。

「四季の唄」を演奏したあと、平賀が挨拶する。「今日は今年いっぱいのまとめで、じっくりやろうと思っています」と話し、のちに登場するバンドのメンバーを紹介。そして「今年はね、私いろんなところに(ライヴをしに)行ったんです。いままではいろんなところに行こうと思ってなかったんですけど、今年はいろんなところに行って歌いたいっていう気持ちが出たので。それが良かったので、一番の実りだったかなと思います」と、2013年を振り返った。さらに話は続き、毎年年末に豊田道倫のライヴに行っている話や、実家の岩手に帰ろうと思い母親に連絡したら、今年は「別に帰ってこなくていいよ」と言われてしまったエピソードなどを、少し寂しそうに話す。そんなMCを経て、毎年冬に実家に帰るときのことを書いたという「1月の汽車」が演奏された。

ライヴは進み、ほのぼのとした「おだいじに」や、軽やかなメロディが心地良い「パレード」「目黒川」などが演奏される。平賀はどの曲も噛みしめるように丁寧に歌い、1曲歌い終わるたびに「ありがとうございます」とお辞儀する。そのたびに客席からは拍手が起こった。「春が来そうでさびしいだけ」「私生活」と、これから来る春に思いを馳せる曲が演奏される。「あと2曲くらいで弾き語りは終わりにしようかな」と話し、未発表曲を2曲、「マイボーイフレンド・シーユー」と紹介された可愛いらしい恋の歌と、平賀の伸びやかな声が包み込むように響くバラードが演奏された。

「お願いしますみなさん、どうぞ入ってきてください」と平賀がバンド・メンバーを招き入れる。フジワラサトシ(Gt)、シャンソンシゲル(Dr)、池上加奈恵(Ba / はこモーフ)、中川理沙(Key / なつやすみバンド)の4人が、拍手に迎えられて登場した。フジワラを除く3人は、最新シングル『ギフト / いつもふたりで』にも参加したメンバーだ。平賀が「ワン・ツー・スリー・フォー」と合図すると一斉にバンドの音が鳴り響き、「いつもふたりで」が演奏される。照明も一気に明るくなり、華やかな空気に。「恋は朝に」では、それまで座って演奏していた平賀が、ギターを置いて立ち上がる。マイクを握りながらノリノリで歌う平賀の姿はとても新鮮だった。シャンソンシゲルが力強くリズムを刻むと「Loving you」へ。「ギフト」では、音源のアレンジを基調にした心地よいバンド・サウンドを堪能することができた。平賀もバンド・メンバーも、とても楽しそうに演奏している。

「あっというまだなぁ」と平賀がつぶやく。いよいよ次が最後の曲とのこと。「自分勝手にできるから弾き語りでやってたんですけど、すごいさみしくなっちゃって」と話し、「この間久しぶりに5人でスタジオに入ったら、歌うの楽しいって、歌が好きだなっていうのがわかったんです」と、歌に対する思いを語ると、温かい拍手が平賀を包んだ。そのあとも名残惜しそうに、「言いたいことはないけど、ずっとしゃべりたかったんです」と、はにかみながら話を続ける。客席は、優しくうなずきながら話に耳を傾ける。そんな客席を見て、平賀は感謝の言葉を繰り返し口にしていた。最後に、もう一度バンド・メンバーへの感謝を述べると、未発表曲「花咲く丘(仮)」で本編を締めくくった。

アンコールに応えて、平賀が1人でステージに戻る。「観えづらくてごめんね」と、客席の後方を気遣いつつ、「今日来てくれた人たちは忙しいだろうに、こんな年末にこうやって時間を割いてくれてうれしいな」「みなさん、気をつけてお帰りください。ありがとうございました」と、改めて礼をした。そんな平賀の姿を見ていると、こちらまでなんだか名残惜しい気持ちにさせられてしまう。でも、ライヴはもうすぐ終わってしまう。平賀は、最後の曲「眠ったり起きたり」弾き語りで演奏。安らかな歌声が客席を満たした。演奏が終わると、平賀は立ち上がり客席を見回しながら何度もお辞儀をする。「来年もみなさんよろしくお願いします。良いお年をお過ごしください」という言葉を残して、ライヴは終了した。

バンド編成の演奏では、弾き語りのときとは違う一面も観ることができた。でも、どんな形であれ中心にあるのは平賀の歌であり、どこか懐かしさを感じさせるメロディと等身大の歌詞である。生のバンド・サウンドのなかでも、それは確かに感じられた。平賀には、決して染まらない無垢さの裏に、確かな強さがあるように思う。来年もそんな彼女のままで、マイペースに活動してほしいと願う。このライヴは、年の瀬の忙しない心をほっと和ませてくれる、平賀からの心温まる贈り物となった。(前田将博)

〈平賀さち枝 ニューシングル「ギフト/いつもふたりで」発売記念&今年もお世話になりましたワンマンライブ〉
2013年12月29日(日)新代田FEVER

<セットリスト>

弾き語り
1. 希望にあふれた雨雲でいっぱい
2. 阿佐ヶ谷の部屋
3. 風のつよい日
4. 四季の唄
5. 1月の汽車
6. おだいじに
7. パレード
8. 目黒川
9. 高円寺にて
10. 春が来そうでさびしいだけ
11. 私生活
12. No Music, No Life
13. 新曲
14. 新曲

バンド編成
15. いつもふたりで
16. 江の島
17. 恋は朝に
18. Loving you
19. 今は帰らない
20. ギフト
21. 花咲く丘(仮)

アンコール
22. 眠ったり起きたり

[ニュース] 平賀さち枝

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