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2013/12/29 22:00

 

ツリメラ、音楽と演劇とSMが融合した新しいライヴを繰り広げる! ――OTOTOY最速レポ

 

全国のドMのみなさま、お久しぶりです! 2013年もいよいよ終わりに近づく今日この頃、いかがお過ごしでしょうか。僕はといいますと、昨日は下北沢GARAGEでドSユニット「ツリメラ」によるイヴェント〈108の煩悩のひとつひとつを教えて差し上げましょうか?〉に行って来ました。歌と演劇とSMが融合した完全に新しいスタイルのエンタテイメント! 興味はあるけどツリメラを知らないという人はまず、この記事を読んでみてください!(http://ototoy.jp/news/74363 )では熱狂のライヴ・レポートをお届け!

会場である下北沢GARAGEに着くと、入口から中に進むのが困難なほど、多くの人、いや豚でごった返していた。それもそのはず、当日のチケットはなんとソールドアウト。ツリメラの注目度の高さと、日本におけるドM人口の多さを如実に表しているといえるだろう。会場にはツリメ割が功を奏してか、ツリメイクを施した女子も多く見受けられた。ツリメ割、ひゃっほう!!

ステージに目を向けると、下手側になにかが吊るされている。あれは…ツリメラの奴隷?? いやバルーン・アートで作られた除夜の鐘だ! 風船が幾重にも重ねられ、除夜の鐘のような形をして天井から吊るされていた。「なにに使われるんだろう」そんな疑問を抱きながら、ゾクゾクしながら開演を待った。

開演前の会場は、ツリメラの登場を待つ豚や奴隷たちの興奮、鼻息で、12月とは思えないほど熱気に包まれていた。開演時間の19時30分を過ぎるも、ツリメラ様たちはいっこうに現れる気配がない。さすがドSといったところだろうか、開演前から焦らしの手腕を発揮。僕を含めたドMたちは、その焦らしプレイにいまにもはちきれんばかりだった。

19時45分。ついにDJの音が鳴りやみ、会場が暗転。除夜の鐘の不気味な音が会場に鳴り響く。そしてついにツリメラ様が登場。 「待ってました! 」と会場の豚たちは狂った歓声をあげる。

そして仮面をつけた3人の奴隷が、ツリメラのメンバーそれぞれにフェンシングのサーベルを手渡す(!)。ツリメラの3人はサーベルを手に取ると、空中に向かってそれを突き刺し、先端を三方から一点に重ねる。その美しい光景についつい見惚れてしまう。 「ついにパーティーが始まったんだ」そう思うとヨダレがすこし垂れた。

矢継ぎ早に、エレクトロ調の曲が流れ、ツリメラ達が「愛されメイクで男に媚びを売りまくったこと」「いい加減なアドバイスで相手に尊敬されようとしたこと」などと、音楽に乗せて次々と人間たちの愚かな煩悩を読み上げる。

ひとつ読み上げるごとに、サーベルを先述した除夜の鐘に突き刺していく。そもそも除夜の鐘とは、大晦日から元旦にかけ、108ある人間の煩悩を振り払うため鐘を鳴らすもの。「鐘を鳴らすだけで煩悩を振り払えるなんて甘すぎる」と言わんばかりに、次々と鐘に剣を突き刺す。のっけからドSっぷりを出し惜しみぜず見せつける。

50個ほど煩悩を読み上げ完全に鐘を破壊したところで、1曲目「セックスと嘘とビデオテープ」へ。クオリティの高いダンス・パフォーマンスと見事な歌唱でスタートから観客を惹きつけるツリメラ。

高らかに歌い終えるやいなや、ツリメラからありがたくも厳しい、怒りのお言葉を頂戴する。どうやら彼女たちは、我々人間が108の煩悩ひとつひとつの内訳も知らずに鐘の音を毎年聞いていることに激怒しているようだ。たしかに女王様たちの言い分はもっともである。毎年毎年、年の瀬に除夜の鐘を聞くけれど、煩悩の数が108だと知っていても、その煩悩の中身をだれが知っているのだろうか。そんな人間たちを次女のKIRAKIRAは「どこまで受け身のエゴ豚なのかしら」と容赦なく切り捨てる。知ろうと思わなかった自分が急に恥ずかしくなり、これはお仕置きを受けてしかるべきだとすら感じた。

と、ここで三女のGASAGASAが会場に豚だけではなく、多くのつり目女子がいることに気がつく。指で客席をさしながら「ツリメ、ツリメ、ツリメ、豚、豚…」ひとりひとりを確認。そしてこの密室にだけ限ったことだが豚とツリメの2極化、完全なる格差社会が完成していることを喜ぶ。改めてツリメラが「奴隷制を推奨している」ことをここで宣言し、「女王陛下のシークレット・サーヴィス」を披露。つづいて、警告音のような重みのある電子音がけたたましく響くイントロが特徴的な「TATTOO」。

長女MUKUMUKUが貫禄のある姿でセンターに君臨、曲中、仮面をつけた奴隷達が朱に染まった布を、KIRAKIRA、GASAGASAに手渡す。それを振りながらのふたりのダンスは圧巻、豚の鮮血で染められたであろう鮮やかな朱色がステージを彩っていた。

続いてツリメラが狂気と興奮に満ちた2014年の抱負を語る。その内容はなんと政界再編を目指し、「新党ツリメラ」を立ち上げるという驚きのもの。鬼も笑うどころか、泣いて逃げ出すはずだ。

その後発表された「新党ツリメラ」のマニフェストを要約すると、
・日本の全原子力発電所を破壊、その後は奴隷制を敷き、人力発電を実施
・オリンピック開催に向け、東京23区を完全に焼き払う(破壊なくして創造なし)
・政教分離を廃止、ツリメラを崇める新宗教を国教に
・一家に一枚ツリメラのポスターを飾ることを義務化
・つり目の女性を優遇、国務大臣に積極登用
・つり目が優遇される社会を実現
・憲法を改正、国名を「ツリメ朝ペルシア」とする
・最終的にはユーラシア大陸全土にまたがる統一国家を形成

一聴すると、途方もない夢のように感じられる内容。しかし、賛同の雄叫びを上げる豚やツリメたちの熱狂を目の前にすると、「ツリメラなら実現できる」そう思わせるなにかがこの日の下北沢GARAGEにはあった。

絶頂に近づきつつある観客をたたみかけ、文字通りムチ打つかのようにキラー・チューン「ZOKKY Premier」へ突入。ところ狭しとステージを動き回り、鋭い眼で豚を睨みつける。これまでアッパーなエレクトロ調の楽曲が続いていたが、次でガラリと雰囲気を変え、ソウルやR&Bを感じさせる楽曲「エロスの解剖」へ。さすがツリメラ、絶頂の直前で寸止めするあたり、緩急をわきまえているといえる。

しっとりとしたアダルトな雰囲気で会場を包み込んだあとは、PVにもなった「アイズ・ワイド・シャット」。ツリメの女の子に恋する男の視点から歌われた楽曲で、切ない思いに駆られてしまう。こんなことを言うと後でお仕置きを受けてしまうかもしれないが、エフェクトがかかったKIRAKIRAの声がかわいらしい。歌い終わると、クールに舞台から去り、ツリメラのステージは幕を閉じた。

ツリメラのステージを観たあと、しばらく呆然としてしまった。完全に新しいもの観た、観てしまったと思った。紐で縛ったように心をじっと捉え、離さない。音楽とダンスと演出が融合したクオリティの高い新しいステージだった。このまま行けば、「ツリメ朝ペルシア」の建国もそう遠くないかもしれない。そして、いつかの大晦日は除夜の鐘にサーベルを突き刺す音を聞きながら、テレビでSM歌合戦を眺めるのだ。2014年、ツリメラは全国にドMとツリメ女子を増やしていく。そんな未来が見えた。(大学生U)

2013年12月28日(土)
〈108の煩悩のひとつひとつを教えて差し上げましょうか?〉
ツリメラ セットリスト
1. 無明煩悩(instrumental)
2. ハッピーサッド侯爵夫人(instrumental)
3. セックスと嘘とビデオテープ
4. 女王陛下のシークレット・サーヴィス
5. TATTOO
6. 新党ツリメラ宣言
7. ZOKKY Premier
8. エロスの解剖
9. アイズ・ワイド・シャット

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