INTERVIEW : SAWA (後編)

ーーSAWAさんが表現されているものは、日常で経験したものとは、遠いところにあるものですか?

SAWA : MCでしゃべる分には、普段のSAWAとそんなにかけ離れてはいないんですけど、どこかで線引きをしているだろうし、プロデュースしているんだろうなと思います。

ーーそういう考えでやってらっしゃる方と、なかなかお会いしたことがないからおもしろいです。

SAWA : デビュー当時はそんなに考えなかったんですけど、曲を作るようになると自分の中で、自分の株が一個上がるんですよね。それまでは作家さんがからデモとかを貰っていたんですけど、自分で作るようになると「これじゃ駄目なんだ。ここをこうしたら良いんだ」っていう細かいディレクションができるようになるので、「これはSAWAに歌ってほしいのか」「SAWAじゃないと駄目なのか」とか「SAWAに歌わせるとしたら、こういう風に歌ってほしい」という目線が自分の中に出てきて。そうすると歌い方も変わってきたりとか。

ーーそれって、SAWAを演じているということですか?

SAWA : というところは少しはあると思いますね。「完全に作っているのか?」と言われれば違うんですけど。

ーー変な質問になりますけど、アーティストとしてのSAWAは、SAWAさんにとってどういうアーティストなんですか?

SAWA : 軽いっていうのはひとつのテーマかも。アーティストそれぞれの思いがあるし私にもあるんですけど、それを押し付けない。というか宙に浮かせて「取りたい人は取っていいよ」くらいの軽さのほうが私がライヴにいったら楽しいと思うので、そういうふうにしているかもしれないです。

ーー「私」を強く出さないのは歌詞を見てもわかるんですけど、もっとスピリチュアルで宇宙的な内容、ファンタジーやSF的にすることもできるのにそこまではいってないですよね。

SAWA : 完全によくわからない部分までいくこともできるとは思うんですけど、「ちょっと人間らしい部分も出た宇宙」を目指しているのかもしれないです。

ーー現実逃避とはいっても、全然関係ないところにぶっ飛ぶというより、少し現実離れしたところへ誘導する、という感じなんですね。

SAWA : ちょっとだけエスケープするくらいの気持ちでやっていますね。

ーーデビューしたてのころは、自分で曲を作ったりはしていなかったんですよね。

SAWA : 曲も作ってなかったし詩も書いていなかったです。本当に歌っているだけで、「ケースに入ったSAWA」みたいな状態でデビューしたんじゃないかなって。

ーーそれこそ、曲も歌詞もない「箱に入ったSAWA」状態のときは、かつてヴァイオリンを課せられていたときに近いのかなと思ったのですが。

SAWA : でも、Free TEMPOのプロデュースだったり、好きな音楽に基づいてやっていたので、「何でヴァイオリン弾かなきゃいけないの?」っていうのとは根本的に違いますね。

ーー作詞作曲を手がけるようになって、自分の自由度が増した感じはありますか?

SAWA : そうですね。作り始めのころは自由度が低かったですけど、慣れてきたら書き分けもできるようになってきたし、歌ってほしいアーティストも変わってくるので、そうなると別人格で「SAWAに歌ってほしい、ほしくない」という発想が生じてきたりして不思議な感覚に陥りました。「私は歌いたいけれど、作家のSAWAは歌ってほしくないというからSAWAは歌いません」みたいな(笑)。

求められているものを作る思考なんでしょうね

ーーあははは。5周年を迎えましたけど、どうですか? 短かった?

SAWA : いや、長かったですよ(笑)。あっという間のようで、いろいろなことがあったなと。思い返すと色々なことがあって、自分の成長が自分の中で見れました。

ーー変化はありましたか?

SAWA : そうですね。ライヴも少しは慣れてきたし、人前に立つ上でどうしたらいいのかをちゃんと考えられるようになって、あと音を作り出すと耳は育つんだなって。最初の頃はミックスもそんなに言うことはなかったんですけど、ここをこうしたいとかこの音はもっとクリアな方がいいといった感じで、耳を使った脳が育ったなと、そういうところがありますね。

ーーやっていきたい部分はまだまだあるという感じですね。

SAWA : そうですね。もっといろいろ曲を作っていかなきゃと思うし、自分を育てていかないといけないなと思います。

ーーSAWAをプロデュースするということはもちろんですが、他のアーティストへの楽曲提供や、アイドルをプロデュースといった、プロデュース・ワークも増えてきましたね。

SAWA : そうですね。初めての曲提供したのが佐々木希さんで、あんなに素敵なかわいらしい方に曲提供できたことで自信になったし、それによっていろいろと作っていこうという気持ちが芽生えたので、もっといろんな曲を作ったり、アーティストに捧げたりしたいですね。

ーーちなみに、SAWAさんはどういうシチュエーションで曲を作ることが多いんですか?

SAWA : 一番活性化するのは風呂上がりですけど、お風呂に入る前になにかをやってその延長で風呂に入って風呂上がりにまとめるという流れがわりといいかなと。

ーーお風呂って割と皆さんキーワードに出すんですが、なんなんでしょうね。

SAWA : なにもできない環境だからですかね。お風呂は自分の身体くらいしか見ることはないじゃないですか(笑)。マイナス・イオンが出てるようなそんな環境で、頭の中のことと向き合えるのかな。

ーーなかには楽曲提供するのが辛くて泣きながら作ったというアーティストもいたりしますけど、そういうことはないですか。

SAWA : えー。わからないなそれは。私は、たぶんアーティスト・アーティストしたアーティストじゃないんだと思います。どこかドライというか。例えば「売れる曲を書け」って言われたら「ハイ」って言って書くと思うし(笑)。売れるかどうかはおいといて。商業的に音楽を作ることができるんじゃないかなって思います。

ーーそこまで、音楽が自分の生き写し的な感じではないんですね。

SAWA : もちろんこだわりもあるし、自分の中でここはこうしたい、というのもあるんですけど、周囲に受け入れられたいというほうがはるかに大きいから、求められているものを作る思考なんでしょうね。

ーーかなり職人的な、サウンド・プロデューサーとしての視点が強いですよね。

SAWA : そうですね。だから、「これはSAWAじゃないから書けない」とかするつもりはなくて、可能な限りなんでも書きたいなと思います。

ーー今の話を聞くと、音楽じゃなくてもいい、というわけではないんですよね。だから音楽であることは絶対条件だと思います。

SAWA : なんでもいいわけじゃないんですよ。

ーーやっぱり、SAWAさんは掴めるようで掴めないですね。

SAWA : そこが売りなんじゃないですかね(笑)。

ーーうまくまとめられてしまいました(笑)。じゃあ、SAWAさんの音楽への信頼感は一体なんなんでしょうね。

SAWA : 多分、音楽をやりたくてやっている、あるいは自分を表現したくて音楽をやっている人がアーティストに多いと思うんですけれど、私には音楽がもともとあったから。やりたいからそれを結びつける動機が必要なのではなくて、音楽がすでにあったから動機は必要なかったのかもしれませんね。

「SAWA」というツールを通して繋がってイベントなどになっていければ

ーー音楽活動5周年という節目を迎え、先日のMCでも「次は10周年だ」とも仰っていたじゃないですか。プロデュ―スしたりと活動の幅が広がっていますが、5年以降のSAWAさんはどういったヴィジョンを持っていらっしゃるんでしょう。

SAWA : 5周年と10周年はまったく変わっていなければいけないと思っていて。やっとプロデュースという所にまで辿り着いているので、そこから第二ステージみたいな感じで、そこからはプロデュースとか曲づくりを頑張った上でのSAWAを10周年では見せていけたらと思います。

ーー今回のDSD録音もそうでしたが、7月1日の音霊ではバンド・セットで出演されますよね。打ち込みじゃない部分も見せて行くご予定ですか?

SAWA : そうですね。最近はオケ・ライヴ、バンドもしくはアコースティック編成、DJ、とそのときによってSAWAの形態はさまざまです。月に3本ライヴがあったら1本アコースティックくらいの割合だったりもして、ニーズに合わせていこうかなと思っています。

ーー常にそういった視点を忘れないんですね。

SAWA : 外から見ていい状態でいたいんですよね。

ーーこれからはどういうプロデュースをしていきたいですか?

SAWA : 自分ができないことをしてもらうっていうのがひとつの要素ですね。曲を書く側としてどこまでできるのかを試させてもらうわけではないですけど、実現させてもらう、というのがありますね。

ーーアイドルという面ではどういったアイドルを作りたいと思いますか。

SAWA : アイドルの魅力って不完全さだと思うんですよ。隙があるとか抜けてるとか。そういう意味で、最近プロデュースしたワンリルキスは本当に隙があると思って。完璧を求めるのではなく、隙があって癒されて自分も頑張れるなと思われるアーティスト、アイドルを作れたらいいなと思います。

ーーちょっとした現実逃避というか、日常から少し浮いているという感覚は他の人をプロデュースする場合でも変わらないですか。

SAWA : そうですね。曲の中にも、自分が意図していないSAWAらしさがあるようで、自分ではそんなに出しているつもりじゃなくてもどこか癖が出るようなので、そこを生かしながらSAWAらしさも出していきたいなと。

ーー音楽を使ってひとつのプロジェクトやアーティストを作り出して世の中に出していくということで、どういう効果や反応をSAWAさんは期待していますか?

SAWA : 全部のアーティストを通して見れるようなイベントってすごくいいイベントだと思うのでそんなイベントをするとか。こないだの5周年のイベントはそれを目指していた訳ですが。私がアイドルやアーティストのプロデュースをさせてもらうことで好き嫌いをなくすとまでは言わなくても、、“SAWA”というツールを通して繋がってイベントなどになっていければもっと楽しいだろうなあと思います。

ーーいわゆる「ちょっとした現実逃避」だとしても最終的には現実で結びつく、みたいな部分があるんですね。

SAWA : そうですね。大きく言えば、みんなで集まってワイワイしたいくらいのことなんです。意外と簡単そうに見えて難しかったり、ワイワイできないということもあるので、ワイワイできるようなツールを作りたいです。

>>SAWAの5年を辿るインタビュー(前編)はこちら

第1弾ライヴ音源が絶賛配信中

第1弾配信開始「SAWA☆Debut 5th Anniversary バシバシ!!ワイワイ!!SAWAのカム着火祭」


SAWA☆Debut 5th Anniversary Live at SHIBUYA Glad

【配信形態】
DSD 5.6MHz+mp3 ver. まとめ購入のみ 900円
HQD(24bit/48kHzのwav) ver. 単曲 200円 / まとめ 900円

【Track List】
1. Blue / 2. Mr.Brown / 3. StarlightPavilion / 4. ハッピーバースデイ / 5. Good day Sunshine


music & performed by SAWA

Recorded & Mixed & Mastered by 高橋健太郎
Recorded at SHIBUYA Glad

All photos by norico
Movie by 藤井伸

Artist Management 高橋亜矢子
Project Director 西澤裕郎(OTOTOY)

>>DSDの聴き方はこちら

※DSD 5.6MHz+mp3 ver.には、楽曲のDSFファイルとDPPファイル、全曲のmp3トラックが同梱されております。5.6MHz DSDの音源は、ご使用の再生環境によっては再生できない可能性もあります。ご購入の前にご確認ください。DSD DISCでお聴きになる場合は、DSD(2.8MHz)にダウン・コンバートしてご使用ください。

※ダウンロードしたファイルに不備や不明点がありましたら、info(at)ototoy.jpまでお問い合わせください。

>>「SAWA☆Debut 5th Anniversary バシバシ!!ワイワイ!!SAWAのカム着火祭」のLIVE REPORTはこちら

配信第3弾 : 新曲(オリジナル楽曲)

【配信形態】
HQD(24bit/48kHzのwav)

【配信予定日】
2013年8月上旬

 
 

インタヴュー

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by 西澤 裕郎
筆者について
西澤 裕郎 (西澤 裕郎)

1982 年生まれ。ファンジン『StoryWriter』編集長。http://storywriter-magazine.com/

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