2012/09/23 00:00

2012年の1月に高野寛とクラムボン伊藤大助で新結成された2人組バンドの音源が到着。ライヴ会場で限定販売していた音源3曲に、新曲「太陽と月、ひとつになるとき」の新録が加わった4曲入りEPを、OTOTOYではHQDでお届けします。2012年10月31日には1stライヴ・アルバム『TKN+DSK Live2012』のリリースも予定されているので、そちらもお楽しみに!


高野寛+伊藤大助『太陽と月、ひとつになるとき -EP』

【収録曲】 1. 太陽と月、ひとつになるとき / 2. た す け て / 3. いちぬけた / 4. Proteus Boogie (2012.3.11)

販売形式 : HQD(24bit/48kHzのwav)
価格 : 750円

ソリッドな演奏技術の邂逅

彼らの音源をはじめて聞いた時、胸の中でもやもやしていたものがすうっと落ちたような気がした。滑らかな歌声は耳元を爽やかに走りぬけ、楽器の音は生き生きと鳴り響く。僕らは毎日、色々な形で新しい音楽を耳にするが、その中でも彼らの作品は頭ひとつ抜け出しているように思えた。

1988年にメジャー・デビューして以来、『虹の都へ』といったソロ作品のほか、高橋幸宏が率いるpupaや宮沢和史らと組んだGANGA ZUMBAの一員としての活動。小泉今日子やMCUへの楽曲提供に、テイ・トウワやHASYMOの作品へのゲスト参加と、縦横無尽の活躍を見せる高野寛。1999年にクラムボンのドラマーとしてメジャー・デビューして以来、バンドとしての活動はもちろん、オータ・コージとのツイン・ドラム・バンドThe Sun Calls Starsや、おおはた雄一や豊崎愛生の作品への参加。テレビ番組のナレーションや近代文学朗読会、雑誌のモデルと、活躍の舞台を広げ続ける伊藤大助。

左から高野寛、伊藤大助

確かな実力で着実に成果を上げてきた二人の競演は、2009年に高野がクラムボンのライヴへゲストとして参加したことがきっかけで始まった。彼らは今年の1月、二人きりのプライベート・セッションを緒にオリジナル曲を作るようになり、間もなく、バンド名も決まらぬうちにステージに立つようになった。

本作に収められた4曲はライブ会場限定で発売されたシングルに、新曲「太陽と月、ひとつになるとき」を追加した配信限定仕様。

収録曲に目を向けると、「太陽と月、ひとつになるとき」は、2012年5月の金環日食に触発された幻想的な歌詞と、二人のソリッドな演奏技術に焦点をあてた音作りが印象的な、日本語ロックの王道を踏襲したアップ・ナンバー。続く「た す け て」は、スパイ映画を髣髴させる緊張感に溢れたメロディと、パニック映画を思い起こさせる激しいサビを交互に繰り出す大胆な構成が面白い。「いちぬけた」は弾き語りっぽい素朴な高野の歌とギターを、感情豊かな伊藤のドラムが盛り上げるフォーク・ソング。トリを飾る「Proteus Boogie (2012.3.11)」は、ドラムとギターだけで7分超の長丁場に一つの物語を織り込んだインストもの。いずれも、二人の演奏に焦点をあてたシンプルなアレンジで、メロディと演奏技術への自信が感じられる。「職人技」という言葉が良く似合う、完成度の高い作品だ。(text by 高野裕介)

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