OTOTOY Award 2009 ノミネート作品

西澤裕郎's CHOICE

新規フェスなど現場の盛り上がりが目立つ1年だった。今回の選定にあたって、現場感があるかどうか、ジャンル・レスに活動しているかどうか、そして内容の素晴らしさを総合して評価した。斬新さ以上に、自身のキャリアを更新したアルバムを作ったという点でこの5組は共通している。そういう意味では新人が洩れてしまっているかもしれないが、中堅〜ベテラン勢が充実しているという証拠である。あらかじめ決められた恋人たちへの『ラッシュ』はライヴ・アルバムだが、今後こうしたライヴ形式の音源が多くのバンドで増えていくのではないか。そんな可能性を感じた。KIRIHITOはアルバム発表前から今現在も『Question』の曲をライヴで演奏し続けており、何度聴いても違った発見があり、ソングライティングでも演奏面でも頭一つ抜きん出ていると評価した。

渡辺裕也's CHOICE

もし1作だけ選べと言われたら迷いなくAntony And The Johnsonsの『The Crying Light』を挙げます。僕個人の「とにかく魂を揺さぶられる歌が聴きたい」という気分を助長させたのはまちがいなく彼らの作品であり、それをさらに加速させたのがakron/familyでした。バンドの方向性と勢いの落とし所を絶妙に具現化したYOMOYA。孤高の存在感に一層磨きがかかるhalos。どちらも前作から約1年という短いスパンでのリリースでした。そして最後の最後に届いた極上のインストゥルメンタル。総じて、ちょっとおセンチになったり、ニヒルを気取ったりしながらも、ひたすら音楽に突き動かされた1年だった。

水嶋美和's CHOICE

当然ながら古い記憶は薄くなってしまう。ゆえに年末に一気に一年を振り返る時にうっかり見逃しそうになるのは一月の事。しかし今年一月にBogultaが生んだインパクトは今も鮮明で記憶に新しく、関西の音楽シーンでは一体どんな事が起こっているのかを全国に知らしめた功績も大きい。それに半年遅れSOFTneco眠るが続く。前者は深夜京都のライヴ・ハウスではどれだけ熱く厚いグルーヴが流れているのか、後者は大阪のゆるくありながら確立したポップ・センスを全国に紹介した。そして東京ではECDが作品を発表した。時代と社会を反映した彼の音源の生々しさは2009年の音楽を語る上で外してはならない。そして「東京アンダーグラウンドの底力」が集まり世界を股にかけて活動するCACALA-MVTAが新しい音源を発表した事も、今年は一つの大きな事件だったと言えるだろう。

南日久志's CHOICE

あれ、今年だっけ? という感じもするけれどやはり2009年話題のバンドはどう考えても相対性理論。それ以外は重鎮の作品が目立ったように思います。長いキャリアを持つミュージシャンの素晴らしい作品が豊作だった年なのではないでしょうか。アルバム1枚という意味では圧倒的にKIRIHITOを聴きまくった1年でした。アンダーグラウンドの代表格という印象だと思いますが、まだまだ広く聴かれてもいいバンドです!!! 名盤過ぎて全曲そらでうたえますゆえ誰かカラオケにいれてください。高音質配信がはじまったり、その傍ら頑固にアナログ盤を出し続けるミュージシャンも健在で聴き方を選べるという意味では面白い年だったのではないでしょうか。音楽じゃないけど雑誌の休刊が残念な反面、面白いジンもたくさんでてきてますし。あとototoyに言いたいことは、エコバニの新譜、遠藤賢司の新作も配信してくれ!

ゆーきゃん's CHOICE

すべて邦楽となってしまったのは、2009年の僕がよい「現場」に立ち会えたということの大きな結果であると思う。クオリティの高い音楽はいつだって日々生み出されているけれど、個人にとってのすばらしい食事を決める為にミシュランの星の数などは基準にならないのと同じで、その音楽がいま私にとってどう響くか、どう聞こえるかが今年の僕にとっては大きな問題だったのだ。(そういう意味では、リイシュー作品でありながら時代を突き抜けて耳に刺さってきた突段の「抑止音力」が個人的に最大の事件だったかもしれない。)リアリティということばで一からげにしてしまうのはあまりに短絡的であるけれど、この国、というよりもこの日本語の世界で日々暮らし、足掻き、 自分の表現を探している人々の生々しい息遣いをたくさん聞くことができて、個人的にもとても実り多い一年でした。

金子厚武's CHOICE

世界的な流行となっている多国籍ビートの波とシンクロしながら(むしろ先取りながら)、日本人ならではのオリジナルな表現を作り上げたザ・ビーチズがアタマ一つ抜けていた印象。ビイドロYOMOYAといったUSインディを背景としながら、日本語のリリカルなメロディを持ち味とするバンドの作品も素晴らしかった。アルバムではないものの『Rum Hee』をランクに入れてしまったトクマルシューゴと合わせ、2〜4位の3組に共通するのはペイヴメントのファンだということ。狂騒的なロックが表舞台でもてはやされる今、そのカウンターとしてのペイヴメント的なゆるさが、2009年のインディ・シーンの空気を形作っていたように思う。ディスは、ファンなので。

小林美香子's CHOICE

相変わらずたくさんのライブに行って良いものをたっぷり得た00年代最後の年。今回選定した5枚も出会いはライブ・ハウスだったなぁと気付かせられる。新年早々からDischarming manに衝撃を受け、蝦名氏の歌声に感動させられた今年の1月。頼もしい期待の星と呼ばれて、今年の上半期から輝かしい活動が目立ったthai kick murph。これらがもう1年前だと思えないくらい、私の記憶の中では1ヶ月前ぐらいのことのようだ。初夏に発表したYOMOYAは前作と同様に期待を裏切らない作品になって、素晴らしかった。今年で結成15年を迎えたWATER WATER CAMELは聴き手を幸せにしてくれる出来の良い作品。ジャケットと音源の別売りを試みたriddim saunterはネット配信利用者にとってはありがたい出来事だった。配信というものがリスナーにとって、より身近な存在になった1年だったといえる。改めて選出した作品を見返すと、若々しく、自分の年齢に相応しいなと思いました。

井上沙織's CHOICE

日常に溶け込む柔らかなサウンドのIRON AND WINE。音源もさることながら、6月の来日公演がとてもポジティヴで素晴らしかったAKRON/FAMILY。アコースティック・ギターとヴォーカルというシンプルな構成で、シンガー・ソングライターとしての才能を余すところなく表現したGREGORY AND THE HAWKvo.矢田さんのインタビューでの発言が印象的だった、渋さとエモさが胸に迫るMOD LUNG。現メンバーで活動を重ね、グルーヴを作り上げてきた彼らの勢いをひしひしと感じたLimited Express(has gone?)。どのアーティストにも共通しているのは、飾ったことをしていないということ。だからこそ心の底から揺さぶられたし、染みました。今年最も聴いたであろう5枚です。

池田義文's CHOICE

100年に一度の不況といわれながらも、今年のミュージック・シーンは音楽的には好況、豊作だったのではないかと思います。特に新譜をよく聴いた年でした。まずは独自のアプローチで変態的なビートを聴かせてくれたディック・エル・デマシアドは平成の「ええじゃないか」と思うくらいアホ踊りを踊らされました。さらに二人の年齢を足せば100歳を超えるThe Orbの新作『Baghdad Batteries』は音楽に対する変わらぬ探究心と情熱を感じました。年齢を微塵も感じさせないエネルギッシュなパワーで満員のオーディエンスを踊らせるグルーブを生み出した来日公演は、今年のベスト・アクト。そして日本からは若手の二組AmetsubDJ BAKUを選出。ジャンルの壁を簡単に超える作品は今後の飛躍を感じさせる2枚。そして、最後に銀杏BOYZ。ロックもテクノも関係ない。音楽を作っているのは人間なんだと思わせられた快心の一枚。

JJ's (from Limited Express (has gone?)) CHOICE

2009年は、ECDKIRIHITOやUG MAN等の先輩達が素晴らしいクオリティのアルバムを次から次にリリース。オルタナティブ・ミュージックが大豊作の年でした。一方で、年末にかけて高円寺が大騒ぎだったり、CDが売れないとか、不況だとか色んな話が飛び込んできますが、それでもアーティストのクリエイティビティはとまらなくて、街中に面白い音楽は溢れています。そして2010年からもずっと。だから、音楽を追いかけることはやめられないし、ototoyでも紹介したいアーティストが多くて困っちゃう。最近、面白い音楽がないなんて言う人は、ライブ・ハウスに行くことと、ototoyをまめにチェックすることをお薦めします。ってことで、趣旨度外視で「おいおい! この人たちチェックすること忘れてないかっ!?」って作品を選んじゃった。

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recommy Award 2008 : http://ototoy.jp/feature/index.php/20081212

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東日本大地震救済支援コンピレーション・アルバム『Play for Japan』
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DSDを、様々なヘッドフォンで聞いてみよう! Azumi(ワイヨリカ)×葛西敏彦(レコーディング・エンジニア)対談
[SPECIAL]・2011年03月04日・ 多くの人が音楽をiPod等の携帯音楽プレーヤーで聞くようになりました。そんな今、良い音で音楽を聞くのにとても重要なアイテムが、ヘッドフォン(イヤフォン)! 中野にあるフジヤエービックでは、春のヘッドフォン祭、そして秋のヘッドフォン祭が行われ好評を博し、ヨドバシカメラ等でも飛ぶように売れています。またニンテンドーDSなどの携帯ゲーム機の普及も、ヘッドフォンのブレイクに大きな影響を与えています。実際に、年間に何十種類ものヘッドフォンが様々な用途に合わせて発売されています。とは言え、私たちは『良い音で音楽を聞く』ために、どんなヘッドフォンを買えば良いのでしょうか? そんな疑問に答えるべく、フジヤエービックに協力頂き、OTOTOYで配信を始めた最高音質のDSD音源(サンプリング周波数は2.8224MHz)を聞きながら、どのヘッドフォンやイヤフォンが『良い音で音楽を聞く』ために最適なのかを検証してみました。また、ヘッドフォンだけでなく、スピーカーで聞くことも忘れてはいけません。ヘッドフォンとは違った空間を巻き込んだ臨場感を演出してくれます。では、スピーカーはどれを選んだら良いのでしょう? こちらも、何点か聞き比べ
by JJ
新春ケイイチ対談2011! 鈴木慶一×渋谷慶一郎×蔡忠浩×永井聖一
[SPECIAL]・2011年01月07日・ 鈴木慶一(moonriders)、曽我部恵一、渋谷慶一郎で行った『新春ケイイチ対談'2010』は大好評の特集記事となり、OTOTOYもおかげさまで右肩上がりに売り上げを伸ばす事が出来ました。こりゃ福も来るってことで、2011年もやっちゃいますよ。 新春ケイイチ対談'2011 司会は高橋健太郎。GUESTは、鈴木慶一(moonriders)、渋谷慶一郎、蔡忠浩(bonobos)、永井聖一です。えっ? 「ケイイチ対談じゃないじゃん! 」って言う声はひとまず置いといて、2010年のおさらいから、2011年の行く末まで、収録時間100分越えで喋り倒しました。是非とも、じっくり読んでくださいまし! 2011年、福来れ! 2010年を振り返って ——「2010年は、みなさんにとってどんな年でしたか? 」というところから始めたいと思いますが、なんだか2010年って長くなかったですか? ワールドカップってまだ半年前なんですよね。 渋谷慶一郎(以下 渋谷) : サッカーは好きですか? 僕、嫌いなんだけど(笑) 。蔡忠浩(以下 蔡) : 好きです。ワールドカップは、すごく胸が熱くなった。永井聖一(以下 永井) : 面白