ジャズ・ピアノの奥深さにハマる秋! 大野雄二トリオ、5年ぶりのジャズ・アルバムをハイレゾ配信

2017年は大野雄二特別活動年といっても過言ではないでしょう。今年に入ってなんと3作目となる作品は、5年ぶりとなるトリオ名義でのジャズ・アルバム! 現編成のトリオでのリリースは初でもある。スタンダード・ジャズナンバーから、もちろんルパンの曲まで12曲収録。これから深まる秋の夜長にハイレゾ音質でじっくり耳を傾けてはいかがでしょうか。

YUJI OHNO TRIO / LET'S FALL IN JAZZ

【Track List】
01. LET’S FALL IN JAZZ feat.Lyn
02. SWEET SUE, JUST YOU
03. MISTY TWILIGHT
04. LET’S FALL IN LOVE
05. LOVE SQUALL
06. LET’S FALL IN JAZZ -interlude-
07. MY ONE AND ONLY LOVE
08. LET’S FACE THE MUSIC AND DANCE
09. A FOGGY DAY
10. LOVE THEME
11. THEME FROM LUPIN III
12. LET’S FALL IN JAZZ -reprise-

【配信形態 / 価格】
WAV、ALAC、FLAC(24bit/96kHz) / AAC
単曲購入 540円(税込) まとめ購入 3,240円(税込)

彼にとって原点回帰的な一枚

思いっきり敬意をこめて、“ワーカホリック”と呼ばせていただきたくなる。いや、“ジャズホリック”か。

大野雄二

レコーディングにライヴ・パフォーマンスにプレイに作曲に編曲にプロデュースに、つねに精力的な活動を続けている大野雄二だが、とりわけこの2017年の活躍は羽が生えたように軽快だ。女性3人組コーラス・グループ“Fujikochans”をフィーチャーして日本語のジャズ・ソングに取り組んだ画期的な『introducing Fujikochans with Yuji Ohno & Friends』を3月15日に発表し、6月21日には人気バンド“Yuji Ohno & Lupintic Six”の通算第2作『RED ROSES FOR THE KILLER』をリリース。その間の5月14日には、鶯谷・東京キネマ倶楽部で「ルパン三世コンサート~LUPIN! LUPIN!! LUPIN!!! 2017~」を開催、チケットは発売10分でソールド・アウトとなり、ニコ生独占生中継にも3万人ものファンが来場した。“ジャズはマニアックだ”“ジャズは難しい”“ジャズには多数の顧客がつかない”・・・そんな妙な先入観を、大野雄二は明るく楽しくカッコいい音作りで、身をもって崩しにかかっているのだ。

上村信

そして来たる9月27日には、自身のアコースティック・ピアノを大きくフィーチャーした新譜『LET'S FALL IN JAZZ』をリリースする。ここまでピアノが活躍する作品は、2012年リリースの『BOSS PIANO』以来5年ぶり。当時からのファンであれば“ボス”の帰還にすっかり嬉しくなってしまうはずだし、最近になって大野ワールドに開眼した聴き手ならば、このアルバムをきっかけにジャズ・ピアノの奥深さにハマること間違いなし。「ルパン三世」関連音楽、「犬神家の一族」などの映画音楽、テレビ主題歌、CMソングなど幅広い活動を続けてきたとはいえ、大野雄二はもともと気鋭のジャズ・ピアニストとしてシーンに登場している。このアルバムは、彼にとって原点回帰的な一枚でもあると言っていいはずだ。

市原康

メンバーは、2016年3月に結成された“大野雄二トリオ”の顔ぶれがそのまま起用されている。ウッド・ベース(コントラバス)を担当する上村信は1990年代から第一線で活動を続ける名手。現在のウッド・ベース界は本当に多士済々で、カマシ・ワシントン等のバンドで活動するマイルズ・モズリーのように数々のエフェクターを用いて音を出す奏者もいるが、上村はナチュラルというか無添加というか、とにかく生の楽器の響きを非常に大切にする。大野雄二とはこれが初の共演レコーディングだが、力強い音色、安定したビートには“ジャズ・ベースの普遍”がある。ドラムスの市原康は“Yuji Ohno & Lupintic Six”の一員としても活躍中。人気トランペット奏者、市原ひかりの父親としても知られていることだろう。大野雄二との共演は1970年代、ユー&エクスプロージョン・バンドの頃までさかのぼる。『LET'S FALL IN JAZZ』では1曲を除きすべてブラッシュで演奏、メロディ楽器を引き立てるプレイに達人ぶりが光る。

曲目は、大野雄二の自作とアメリカ産のスタンダード・ナンバーが程よくブレンドされている。駆け出しの頃から演奏していたという「レッツ・フェイス・ミュージック・アンド・ダンス」でのメロディアスこのうえないプレイ、ファースト・アルバム『ミスター・ハピゴン(マイ・リトル・エンジェル)』以来の再演であろう「マイ・ワン・アンド・オンリー・ラヴ」での語りかけるようなタッチも大きな聴きものだ。そして麻倉未稀に提供した楽曲をジャズ・ナンバーに再生した「ミスティ・トワイライト」では、あえて音数を絞りに絞ったピアノ・プレイが、それをサポートするベースやドラムスの存在感を際立たせる。ルパン・ファンには「ルパン三世 愛のテーマ」「ルパン三世のテーマ」が、とりわけごちそうになることだろう。

Lyn
またタイトル曲「LET'S FALL IN JAZZ」には注目の女性シンガー、Lynがゲストとして加わっている。伝説のソウル系シンガー・ソングライターであるダニー・ハサウェイ(レイラ・ハサウェイの父)の音楽に感銘を受けて歌手を志し、デビュー後はMISIA、Jill--Decoy association、露崎春女などのサポートも務めてきた実力派だ。“ジャズを聴いたらこんなに楽しいよ、いろんないやなことが吹っ飛んじゃうよ。ジャズに恋しようよ”。大野雄二の持つジャズ観がばっちり反映された歌詞を心地よさそうに表現している。

一切の電気楽器を使わない、純アコースティックのジャズ。アンプやエフェクターを通さない、生の音の美しさと迫力をぜひハイレゾで満喫しつくしてほしい。しかも今年は、大野雄二が「ルパン三世」の音楽を手がけてから40周年という記念すべき年にもあたる。アニバーサリー・イヤーの第3弾としてこの原点回帰的なアルバムを出したあと、年末にはコンピレーション作品のリリースが予定されているともきく。「まったくすごいパワーだぜ大野さん、俺たちも負けてられないな」とルパン一味も微笑んでいるのではないだろうか。
(Text by 原田和典)

大野雄二 過去の特集記事

色気漂う大人の娯楽作
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日本語ジャズって楽しい!
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ルパンこそ大野雄二の歴史である
——Yuji Ohno & Lupintic Five初ベスト配信&ロング・インタヴュー
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須永辰緒に訊く、大野雄二によるルパン音楽の魅力
——『LUPIN THE THIRD 「JAZZ」』初ベスト&シリーズ初ハイレゾ配信
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ルパンがハイレゾでスウィングする!
大野雄二率いるLupintic Fiveによるルパン・ ジャズ最新作はまるでライヴ盤!
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大野雄二 関連作品

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Yuji Ohno & Lupintic Six / iYEAH!! YEAH!!(24bit/48kHz)

Yuji Ohno & Lupintic Six名義でのファースト・アルバム。新旧ルパンナンバーをファンキーに仕上げた全11曲を収録。

LIVE SCHEDULE

大野雄二トリオ【大野雄二(pf)、上村 信(Ba)、市原 康(Dr)】

2017年9月29日(金)@新宿J
2017年9月30日(土)@前橋市民文化会館 小ホール
2017年10月4日(水)5日(木)@愛知jazz inn LOVELY
2017年10月8日(日)@御茶ノ水NARU
2017年10月12日(木)13日(金)@大阪ミスターケリーズ
2017年10月15日(日)@東京Jazz Club さくらんぼ

PROFILE

大野雄二トリオ

大野雄二率いるトリオバンド。2016年3月末より新体制として始動。初代You & Explosion BandのメンバーでありYuji Ohno & Lupintic Sixとしても活動を共にする名ドラマー市原康、そして実力派ベーシストの上村信が加わり全国のジャズライブハウスや会館を中心に活動中。

大野雄二 Official HP : http://www.vap.co.jp/ohno/index.html

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レヴュー

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