【REVIEW】さらなる夢見心地のアーバン・サウンド──PAELLASのミニ・アルバム

United ArrowsやPeach Johnなどの有名ブランド、セレクトショップJackpotへのCM起用など、その都会的で洋楽ライクなR&Bサウンドでメジャー・シーンに着々とその名を浸透させつつあるPAELLASから、待望のミニ・アルバムが到着! 先行リリースとなった「Shooting Star」をはじめ、彼らの技量の幅広さを感じさせるトラック群。日本語楽曲など、まさに今後の更なる躍進を確信させるような1枚となった。レヴューと合わせてお楽しみください。

待望のミニアルバム!

PAELLAS / D.R.E.A.M.

【配信形態】
ALAC、FLAC、WAV / AAC

【配信価格】
単曲 257円(税込) / アルバム価格 1,234円(税込)

【収録曲】
01. Together
02. Shooting Star
03. Lying
04. MOTN
05. Fade
06. Eyes On Me

【REVIEW】PAELLAS『D.R.E.A.M.』

勢いに乗るPAELLASがミニ・アルバムをリリースした。その名も『D.R.E.A.M.』。"夢"というそのままの意味で捉えるべきか、点で区切れているということは、何らかの略称のダブル・ミーニングなのか。いずれにせよ夢の中でも流してほしいようなトラック揃いであることは間違いない。

今回のミニ・アルバムは一言で言うなら”いいとこ取り”という言葉が相応しいと思う。前作「Pressure」では音楽性をハウスからインディR&Bに照準を合わせ、洗練された魅力を押し出したが、今回はさらにジャンルを越境した音作りが行われている。ポップさの中には「こう来るか」という驚きが織り込まれており、前作リリース時のインタヴューで阿南が言った「違和感を残したい」という意思が反映されているように感じる。

改めて思ったのはPAELLASというバンドの守備範囲の広さだった。本当に多彩なサウンドに満ちたアルバムになっていると思う。先行リリースで話題を呼んだ「Shooting Star」は、ダフトパンクを彷彿とさせるイントロのフレーズに、MATTONのハイトーン・ヴォーカルが絶妙で気持ちいい。例えるならば夜のドライブ。メロウな音を鳴らしてみたら、次は電流のような間奏で酔わせてみたり。緻密に織りなされた音で、聴く者をグルーヴの海へと誘い出す。


PAELLAS/Shooting Star

「Lying」は、ダブの雰囲気をまとっている。かと思えば「MOTN」は正統派のハウス・トラック。気持ちよく刻まれるビートに思わず踊りだしたくなる。最後に収録されている「Eyes On Me」はもっと癖があって、シューゲイズ・ポップの要素も取り入れてきた。歌も、それまでの5曲とはまるで違う。

でもそれを1枚にまとめて出しちゃうんだから凄いと思った。次のトラックに移るたびに「えっ、次はこんな感じで来るの⁉」と良い意味で期待が裏切られ続ける。そして一見するとバラバラに感じる楽曲群も、アルバムとして通して聴くとスッと耳に馴染み、ちゃんと気持ちいい部分を突いてくれる。改めてすごいバランス感覚だ。

いまやR&Bライクな音楽は確実に「お洒落なサウンド」として受け入れられている。ただそんな中で、このアルバムは「一筋縄じゃ行かない」とちょっと中指を立てているようにも思えた。ひとつひとつのトラックはPAELLASが培ってきた高い音楽性とアーバンライクなスタイルゆえに"聴きやすくてなんかお洒落なもの"として受容することもできるが、やっぱり少しだけひねくれているというか、綺麗なだけにとどまらない魅力がある。おそらくそこで残る違和感のようなものが、阿南の言葉を借りるなら「ちょっといびつな感じ」なのだと思う。そういう部分を残したがるところが痺れるし、単なる流行りの切り取りで終わることはないと期待を抱かせてくれる。

ちゃんとポップで受け入れられるものを作っておいた上で、自分たちの興味を存分に押し広げたようなアルバム。これがライヴでどのように披露されるのかが楽しみだ。(Text by 阿部文香)

RECOMMEND

PAELLAS / Pressure(24bit/48kHz)

インディR&Bへと、その方向性の舵を切った2016年発表のフル・アルバム。

>>この作品の特集ページはこちら

DATS / Application

yahyelのメンバーも在籍する高橋幸宏や砂原良徳も絶賛した、DATS待望のデビュー・アルバム。

D.A.N. / D.A.N.(24bit/88.2kHz)

いまやシーンを席巻するD.A.N.のデビュー盤。R&Bやエレクトロニカ、テクノ、ポストロックなどさまざまなサウンドが溶け込んだ唯一無二の音。

LIVE SCHEDULE

“D.R.E.A.M.” Release Tour

2017年9月8日(金)
@東心斎橋CONPASS
w/ iri
時間:OPEN 19:00/START 19:30
2017年9月16日(土)
@東京 渋谷 WWW
w/ ROTH BART BARON
時間:OPEN 18:00/START 18:30
2017年10月4日(水)
@愛知 名古屋ell.SIZE
w/ Kan Sano
時間:OPEN 19:00/START 19:30
2017年10月6日(金)
@福岡 Kieth Flack
w/ the perfect me
時間:OPEN 19:00/START 19:30

>>more live information

PROFILE

PAELLAS

Vo : MATTON、Gt : Satoshi Anan、Ba : bissi、Sp : msd.、Dr : Ryosuke Takahashi

あらゆるジャンルの要素を独自のセンスで解釈し生み出すサウンドは、セクシュアルかつロマンチック。都会に漂うメランコリックな情景やその儚さを想起させるライヴ・パフォーマンスも支持され、あらゆるシーンや時代を超えた存在になる可能性を秘めている。これまでにUnited ArrowsやPeach John、新宿のセレクトショップJackpotのCM等に楽曲を提供しファッション業界からも注目を集めている。

>>PAELLAS アーティスト・ページ

>>PAELLAS オフィシャルTwitter

o

 
 

レヴュー

現役高校生5人組ロック・バンド、FAITHがポップ・パンクを正面突破
[CLOSEUP]・2017年11月17日・この音楽は勇気で、正義だ──現役高校生5人組FAITHがポップ・パンクを正面突破 すごいやつらが現れた! 長野県伊那が生んだポップ・パンクのニューヒーロー候補、FAITH! 現役高校生5人組、うち3人が日米のダブルという珍しい組み合わせに加え、Vo.ドリチュラーあかりはSPINNSのモデルとしても活躍中。「モデルがファッション感覚で音楽やってるんだろ?」そう思いの方もいるかもしれませんが、すでに実力は折り紙付き! 今夏開催された10代限定夏フェス〈未確認フェスティバル2017〉ではファイナリスト8組の1組に選ばれており、サウンドも往年のエモ / ポップ・パンク好きにはたまらない海外志向の本格派! OTOTOYではそんな期待のニューカマーの記念すべき初全国流通盤を配信とともに、現役大学生の目線から独自のレヴュー掲載! FAITH / 2×3 BORDER【配信形態】ALAC / FLAC / WAV / AAC【価格】単曲 257円(税込) アルバム 1201円(税込)【収録曲】1. Take me away from here2. Bana Pla3. distance4. DON’T FALL5. S
by 中の人
BATHS、シンガーとしての存在感をさらにましたポップな新作──ハイレゾ配信
[CLOSEUP]・2017年11月17日・BATHS、シンガーとしての存在感をさらにましたポップな新作──ハイレゾ配信 ウィル・ウィーゼンフェルトのメイン・プロジェクト、バスの3rdアルバム『Romaplasm』が到着した。もはや老舗アンダーグラウンド・レーベルとなった〈アンチコン〉からリリースされた本作は、開放感に溢れるポップな作品に、また“ビートメイカー”から一歩踏み込んだ、シンガー・ソング・ライターとしての側面も前面に出た作品となった。OTOTOYでは本作をハイレゾ配信。ダディー・ケヴによるマスタリングもぜひとも堪能していただきたい。さらにはレヴューとともに、こちらもハイレゾ配信となっているジオテック名義『Abysma』リリース時の記事も関連作として再掲してお届けします。 Baths / Romaplasm(24bit/48kHz)'【Track List】01. Yeoman02. Extrasolar03. Abscond04. Human Bog05. Adam Copies06. Lev07. I Form08. Out09. Superstructure 10. Wilt11. Coitus12. Broadback【配信形態 /
by 寺島 和貴,河村 祐介
【REVIEW】地に足がついていない!?──愛はズボーン、煎じ詰めた“待望”の1stフル・アルバムリリース
[CLOSEUP]・2017年11月15日・【REVIEW】地に足がついていない!? ──愛はズボーン、煎じ詰めた“待望”の1stフル・アルバムリリース OTOTOYとレコード・プレス・メーカーの東洋化成によるコラボレーション・レーベル〈TOYOTOY〉から初のアナログ盤となる『銀ギラ』のリリースや、自主企画イベント〈アメ村天国〉の開催など、今年は飛躍の年であることがうかがえる、愛はズボーン。そんな彼らがこのたび満を持して、1stフル・アルバム『どれじんてえぜ』をリリースした。本作のジャケットは世界的画家・黒田征太郎が手掛けている。黒田は愛はズボーンのメンバーたちが敬愛している画家で、まさに細部にまで強い想いが込められた作品に仕上がったと言えるだろう。そんな彼らの活躍を良質なハイレゾ音質で感じることができるのは、OTOTOYだけ! 本作をさらに楽しむテキストとして、レヴューも掲載! 未来の音楽濃縮盤をとくとご堪能いただきたい! ハイレゾはOTOTOYだけ! 未来の音楽が濃縮された、1stフル・アルバム愛はズボーン / どれじんてえぜ'【配信形態】WAV、ALAC、FLAC(24bit/48kHz) / AAC>>>ハイレゾとは?'【価格】単曲 2
by 宮尾茉実
《12ヶ月連続配信企画、第9弾》──goodtimes、カップル同士の"あるある"な感情に容赦なく切り込む
[CLOSEUP]・2017年11月15日・《12ヶ月連続配信企画、第9弾》──goodtimes、カップル同士の"あるある"な感情に容赦なく切り込む 10年超のバンドキャリアを持つ、井上朝陽(Vo&Gt.)、安田そうし(Gt.)の2人が新たにスタートさせたギター・ロック・バンド、goodtimes(グッドタイムス)。2017年3月より《12ヶ月連続音源配信》をOTOTOYで行い、注目を集めている彼らが、この度第9弾「アメニモマケル」の配信をスタートした。彼らの魅力にもっと浸ってもらえる楽曲を、ぜひレヴューと共にお楽しみください。 goodtimes、全ての恋愛経験者に捧ぐ第9弾goodtimes / アメニモマケル'【配信形態】WAV、ALAC、FLAC(24bit/48kHz) / AAC【配信価格】単曲 250円(税込)【収録曲】''1. アメニモマケル REVIEW : 全ての恋愛経験者が唸る、く人の"あの頃"を刺激する goodtimesは前回のインタヴューで、情景が浮かびやすい曲を作っていると語っていたわけだが、今回も人が「もう触れたくない」としまい込んでいた気持ちに、ピンポイントで突き刺さる"あるある"な楽曲「アメニモマケル」をリリー
by 宮尾茉実
【REVIEW】映画『この世界の片隅に』の音楽を手がけ、多くの話題を呼んだコトリンゴが約3年半ぶりとなるオリジナル・アルバムをリリース!
[CLOSEUP]・2017年11月08日・『雨の箱庭』は私たちにどんな世界のすばらしさを見せる?──約3年半ぶりコトリンゴのオリジナル・アルバム 卓越したピアノ演奏と柔らかな歌声で浮遊感に満ちたポップ・ワールドを描くコトリンゴ。そんな彼女が約3年半ぶりとなるオリジナル・アルバム『雨の箱庭』をリリースする。前作からこれまで、アニメ映画『この世界の片隅に』の全ての音楽を担当し数々の賞を受賞する等、音楽家としての評価を高めた彼女。映画同様、今作でも作詞作曲編曲(ストリングス、ホーン含む)、サウンド・プロデュースのすべてを手掛けている。そんな今作は、のちにドキュメンタリー映画となった企画「LIGHT UP NIPPON」のために書きおろした楽曲のほか、RADWIMPS・野田洋次郎主演ドラマ「100万円の女たち」の主題歌等、色とりどりの音楽たちがぎゅっと詰め込まれた鮮やかなアルバムが完成。歌のように響くピアノの音色と、そっと優しいコトリンゴの歌声と共に生み出されるカラフルな音世界を、レヴューと共におたのしみください。 約3年半ぶりとなるオリジナル・アルバムコトリンゴ / 雨の箱庭'【配信形態】ALAC、FLAC、WAV(16bit/44.1kHz) /
by ai
つりビット、ニュー・シングルをハイレゾ配信
[POWERPUSH]・2017年11月06日・5人が挑む、新たな海原への決意をこめてーーつりビット、ニュー・シングルをハイレゾ配信 5人組アイドル・ユニットのつりビットがニュー・シングル『1010〜とと〜』をリリースした。今年の春にリリースされた2ndアルバム『Blue Ocean Fishing Cruise』も好評な中、彼女たちの成長と主張が感じられる新曲が到着。その理由を、宗像明将のレヴューで紐解いてみよう。 ハイレゾver.のアルバム購入者から抽選でサイン入りポスタープレゼント!つりビット / 1010~とと~(初回生産限定盤)'【配信形態】24bit/48kHz ALAC / FLAC / WAV / AAC【価格】単曲 540円(税込) アルバム 750円(税込)【Track List】01.1010~とと~02.A Color Summer!! ポスタープレゼントの詳細は、こちらからご確認ください。'' REVIEW : 『1010~とと~』 つりビットが大きく変化する瞬間を私たちは目にしようとしている。彼女たちのニュー・シングル「1010〜とと〜」は、サウンド面ではこれまでのイメージを大きく変え、歌詞の面ではつりビットらしさを追求した
【REVIEW】芸術とは。青春とは。──For Tracy Hydeがインディ・ポップの命題に立ち向かう『he(r)art』
[CLOSEUP]・2017年11月02日・芸術とは。青春とは。──For Tracy Hydeがインディ・ポップの命題に立ち向かう『he(r)art』 インターネット次世代シューゲ・ポップ・バンドFor Tracy Hydeが新作『he(r)art』をリリース。90年代から00年代にシーンを支えたSLOWDIVE、Ride、The Pains of Being Pure at Heartが次々と今年新作をリリースしたことで巻き起こったシューゲイザー復興の潮流。日本のライヴシーンでもシューゲイザー / ドリーム・ポップが中心となりつつあるなか、そのまさに最前線に立っている彼らが新作をリリースすることは、来たる2018年の音楽シーンの大局のための礎を築いたといえるはずである。OTOTOYではそんな未来のシーンを占う逸材の新作をレヴューと共にお届けする。 都会の生活をモチーフにした次世代ドリームポップ・バンドの2nd! For Tracy Hyde / he(r)art'【配信形態】ALAC、FLAC、WAV(16bit/44.1kHz) / AAC【配信価格】 単曲 257円(税込) / アルバム 1697円(税込)【収録曲】''01.Openin
by 中の人
インディR&B? フューチャー・ソウル?──世界規模で盛り上がる音楽シーン、そして連動する日本のバンドたち
[CLOSEUP]・2017年11月01日・インディR&B? フューチャー・ソウル?──世界規模で盛り上がる音楽シーン、そして連動する日本のバンドたち 森大地(ex-Aureole)、萩原朋学(KAGERO / SaraGrace'sOneHotNight)、tsubatics(ex-Aureole / MUSQIS / suthpire)、松本一輝(THE ROAMERS / リリカ リリス)、桑原渉(WINDOWZ)の5人によって結成されたバンド、Temple of Kahn(テンプル・オブ・カーン)。この錚々たるメンバーの集結により音源発表前から注目を集める彼らが、初のEP『Good Luck EP』を11月8日にリリースする。OTOTOYでは待望のデビューEPを期間限定でフル試聴を行い、Temple of Kahnを読み解くヒントとなるインディR&B、フューチャー・ソウルのアーティストをまとめた記事を掲載。海外だけでなく、日本でも連動するその音楽シーンとともに、その楽曲を聴いてみてはいかがだろう? Temple of Kahnの初EPを期間限定フル視聴Good Luck EP / Temple of Kahn【収録曲】1. Always H
筆者について
阿部 文香 (阿部 文香)

21になりました。零-0(れんれん)って名前で絵も描いてます。

同じ筆者による他の記事