スーパーノア、待望の1stフル・アルバムをリリース──限りなくエヴァーグリーンでポップな今作を語る

(左から)赤井裕(Gt.)、井戸健人(Gt. / Vo.)、岩橋真平(Ba.)、岡村寛子(Key.)

2004年に結成、京都を中心に活動を行っているスーパーノア。ついに彼ら初のフル・アルバム『Time』が完成した。今回リリースされる『Time』には、ライヴ会場限定で販売されていたシングル「リリー」の再録バージョンや、予てから音源化が望まれていた「what light」など、いまのバンドのモードが反映された新曲など全10曲を収録。OTOTOYでは今作をハイレゾ配信開始。スーパーノアのメンバーである赤井裕(Gt)、井戸健人(Gt. / Vo.)、岩橋真平(Ba.)、岡村寛子(Key.)と、〈SIMPO RECORDS〉代表であり今作のレコーディング・エンジニアを務めた小泉大輔によるセルフライナーと共にご紹介しよう。

待望の初フル・アルバムをハイレゾ・リリース


スーパーノア / Time

【配信形態】
ALAC、FLAC、WAV(24bit/48kHz) / AAC
>>>ハイレゾとは?

【配信価格】
単曲 230円(税込) / アルバム 2,300円(税込)

【収録曲】
1. U(n)A
2. MADA
3. ドリームシアター(009mix)
4. HARU
5. グッドラック
6. Timetable
7. リリー (type G)
8. なにひとつ
9. what light
10. baby


スーパーノア『Time』Digest


メンバーによるセルフライナーノーツを掲載!

稀代のポップマエストロ“イツキライカ”こと井戸健人率いるスーパーノア。天才的なソング・ライティング、綿密なアレンジと研ぎ澄まされた演奏力、そして瑞々しい歌声とグッド・メロディを120%詰め込んだ待望の1stフル・アルバムにして大傑作が完成した。瑞々しいメロディと綿密なアレンジ、研ぎ澄まされた演奏スキルが織りなすサウンドは万人に届くポップ・ソングとして機能しながらも、歯切れの良いギターを主軸に置いたオルタナティヴ・ロックそのもの。ギターロック・ファンのみならずArcadeFireやVampireWeekend等のUSインディ・ファンにも突き刺さる作品に仕上がっている。その『Time』に収録された珠玉の全10曲について、メンバーがセルフライナーノートを綴った。

写真 : 岡安いつ美(アーティスト写真)、今澤良幸(ライヴ写真)

楽曲を視聴しながら、ライナーノーツを読んでみよう

レーベル SIMPO RECORDS  発売日 2017/06/14

※ 曲名をクリックすると試聴できます。


「U(n)A」

君は1人だけど1人ではない(なぜなら携帯端末でいつでもアクセスできるから)

曲名「U(n)A」は「You are (not) alone」の略。歌詞に「モンスター」という言葉が出てくるので、曲名はモンスター風の顔文字もおもしろいかなあと思い「U(n)A」にしました。意訳すると「君は1人だけど1人ではない(なぜなら携帯端末でいつでもアクセスできるから)」 という感じでしょうか。歌詞もそういったテーマで書いています。(井戸)


赤井くんのイントロの「ギャヒー」っていうギターが入った時の「キター」感が 印象に残ってます。画竜点睛。命が吹き込まれた瞬間。井戸のラップも 絶妙にキレが無くて、そこが良いと思います。 (岩橋)

「MADA」

殿下凄えなあ… Princeにハマっていたときに出来た曲

2015年冬頃につくった曲。この頃、Princeにハマっていて、改めて殿下凄えなあ… 変だなあ… と唸りまくっていました(西寺郷太著の「プリンス論」を読んでいた)。「MADA」の潔いギター・リフやリズム・パターン、少し変わった構成は、「Prince」(1979年)あたりの雰囲気を意識したような。マイフェバリットPrinceは最後のオリジナル・アルバムになってしまった『Hitnrun Phase Two』(2015年)。1曲目の「バルティーモアー♪オウ!」の分厚い女性コーラスからの殿下の渋く太いギター・ソロ… 涙が出るほど格好良い。余談になりますが冒頭10秒くらいでもっていかれました。(井戸)


デモを聴いた時からこれはダンスミュージックだと思いまして。Newtoneみたいなキーボードをイメージしました。退屈な毎日に飽きて来たら是非聴いてほしい。そしてこのテンポで川沿いなんかを歩いて小躍りしてみたら良いと思う。なんだかんだでアルバムの中で1番好きな曲です。(岡村)

「ドリームシアター」

くずは / ひらかた / よどやばし / くずは / ひらかた / よどやばし

2014年頃につくった曲。「違った拍子のフレーズが曲中ずっと流れていたらおもしろいかも」というアイディアから転がしていきました。こうした曲を作る際「違う拍子だけど、終わるタイミングは同じでなければならない」という鉄の掟があります(破るとポリリズムの神から鉄槌が下るという…)。我々スーパーノアも震えながらその掟に従ったのですが、なかなか2つのフレーズが終わるタイミングが合わず。アウトロが長いのはそういう訳です。(井戸)


4拍子さんチーム(ドラムとベース)と3拍子さんチーム(ギターとピアノ)に分かれてせーので演奏する曲。123123… 12341234… 練習が終わり京阪電車で帰宅しながらイメージの中でカウントを反芻すると突如車窓からカウントに乗って大阪の夜がグルーヴし始めた。くずは / ひらかた / よどやばし / くずは / ひらかた / よどやばし。ピアノとギターが同じフレーズ弾いてそうで実は違うフレーズを弾いているところが気に入ってます。(赤井)


スーパーノア/ドリームシアター

「HARU」

改めて聴くと、Sandro Perriぽいですね トロントにいつか行ってみたい

アコースティックギターをポロポロ弾きながらつくったと思います。いま改めて聴くと、Sandro Perriぽいですね。Sandro Perriはトロントのミュージシャン・プロデューサー・エンジニア(Turntable Filmsのミックスをしていてビックリした!)で『Impossible Spaces』というアルバムをよく聴いていました。トロントといえば、DrakeやThe Weekndといった今をときめくアーティストの出身地というイメージがありますが、Eric Chenaux、Ryan Driver、Doug Tielliといったジャズや現代音楽に触れた豊かなフォーク(といっていいのか)を演奏するミュージシャンも沢山いて、凄い土地だなあと思います。いつか行ってみたい。(井戸)


仮タイトルの影響もあり、キーボードは全てある動物をイメージしてます。誰がなんと言おうとも。どこまでその動物を表現できるかなと密かにチャレンジしておりました。おかげで愛らしい曲になりました。あとはこの曲のベースがとにかく好きです。岩橋くんらしいベースが炸裂してます。 (岡村)

「グッドラック」

「位相が!?」となりますが、故障ではありません。左右に違うテイクのドラムが収録されています

随分前に作りました。ドラムの石渡くんと初めて一緒に演奏した曲でもあります。「こんな曲あったよね」とメンバーの誰かが思い出し、収録することになりました。再生すると「位相が!?」となりますが、安心してください。機材の故障ではありません。左右に違うテイクのドラムが収録されています。(井戸)


もともと全然違うアレンジだったので、こうも化けるとは。結果的にはすごくカッコいい1曲になりました。なんか男の子が好きそうな曲だなぁて思う。高校生くらいの。青春を駆け抜けて行ってる感じ。だからか最後のサビでいつも泣きそうになるんだけど、誰か共感してくれないかしら。(岡村)

「Timetable」

スポンジかなにか、エレキベースの弦に挟んで音を短くして弾いてもらいました

ベースの雰囲気を出すのに録音時かなり苦労した記憶があります。個人的には1番苦戦した曲かも。色々アレンジ案はありましたが素材そのまんまなシンプルな音像が1番この曲にとっては良かったなと思います。(岩橋)


10曲中6曲目なのでレコードのB面の1曲目のイメージで雰囲気を変えたミックスにしました。全トラック超高音の16kHzより上はなだらかにカットして柔らかい質感にしました。スポンジかなにか、なんやったかな? エレキベースの弦に挟んで音を短くして弾いてもらいました。それを2テイク重ねてみたらウッドベースみたいになったので曲によくマッチしました。気に入っています。(小泉)

「リリー」

キラーチューン的ポジションに位置している曲、看板娘「リリー」

「この曲好きです」と言ってくれる人が多いので再録音。歌詞はちょくちょく書き直していたため、3種類ありました。どれにするか悩みましたが、新鮮な気持ちで歌えそうな1番新しい歌詞にしました。(井戸)


かなり前から演奏しているキラーチューン的ポジションに位置している曲、看板娘「リリー」。色んな場所で演奏してきたこの曲がこうして改めてアルバムに収録されると、「お前とも…… 色々あったよな」と長年連れ添った古女房を前にしているような気持ち。(岡村)(岩橋)

「なにひとつ」

「OK Computer」ってこんな感じだっけ

2016年夏から秋にかけて作った曲。この時期、ドラムの石渡くんが京都を離れることが決まっていました。メンバーが抜けると「今までの時間は何だったんだ…」と落ち込みがち。そこで「これまでの時間を肯定したい」というテーマで歌詞を書きました。M-9「what light」に繋げるために、曲の調性(キー)をA#に揃えています。(井戸)


ギターのアルペジオ・パートは「Radioheadの「Let down」ぽい感じにしてみて」というディレクションがあったため「「OK Computer」最近聴いてないけどこんな感じだっけ」という具合に思い出し脳内再生した「Let Down」のAメロを完コピし採用しました。 4:50~始まるギターのサウンドはE-Bowという手のひらサイズの機材でリードを弾き、爆音のMarshalアンプの前で地獄のようなフィードバック・ギターを数十トラック分オーバーダビングしました。(赤井)

「what light」

幽体離脱していつか客席で聴きたいスーパーノアを代表する曲

2012年頃から演奏し始めた曲。前ドラマー河嶋大樹にインスパイアされて作ったリズムパターンに、弾き語りで作っていた別の曲をのせた… ような記憶があります。リズムを合わせるのが難しいうえに、アウトロが長い。演奏者にとっては地獄のような曲で、いつか客席で聴きたいと思っています(幽体離脱?)。(井戸)


この曲も今ではすっかり我々のライヴではお馴染みになりました。初めてライヴで演奏した時からセットリストの最後の曲としてやってたから、皆の中でも「良い曲ができた」という認識が最初からあったんだと思います。演奏のハードルは高いですが、現状のスーパーノアを代表する曲かと思います。(岩橋)


アウトロのギターは“Luna sea” meets “モグワイ”のような美しいサウンドを意識しました。長いけど美しい曲です。(赤井)


スーパーノア/what light

「baby」

音の伸ばし方1つで印象が変わってしまう、とても繊細な楽曲

いつかのライヴ終わりに、ベースの岩橋が「俺ら… (テンポが)早い曲ばっかりじゃない?」と、しんどそうな表情を浮かべていたので、ゆっくりな曲も必要だと思いつくりました。テーマ部分は E→G#m→Am→F#m→B というよくある進行なのですが、譜割りとメロをおもしろい感じにできて満足しています。(井戸)


音の伸ばし方1つで印象が変わってしまう、とても繊細な楽曲だったので、ギターとキーボードが一緒に演奏する上でギターの空気を感じながら神経研ぎ澄まして弾いてます。(岡村)


いつかのライブ終わりに「俺ら… (テンポが)早い曲ばっかりじゃない?」と汗だくで泣いている俺を見兼ねた井戸が作った曲です。ありがとう、井戸。でも決して楽な曲ではありません。(岩橋)

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スーパーノア / リリーと穴

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LIVE SCHEDULE

〈『Time』リリース・ツアー・ファイナル〉
2017年8月14日(月)@京都GROWLY
出演 : スーパーノア / HINTO / unizzz...(O.A.)

〈その他ライヴ〉
2017年6月24日(土)@名古屋クラブロックンロール
2017年7月2日(日)@京都Live house nano
2017年7月15日(土)@タワーレコード京都店(インストアイベント)
2017年7月30日(日)@札幌サウンドクルー

詳しくはこちらまで

PROFILE

スーパーノア

2004年結成。京都を中心に活動開始。全国各地にてライブ活動を精力的に行い、2009年に〈colla disc / M.D.L!〉より1stミニ・アルバム『雨の惑星、ステレオの向こう』をリリース。千原兄弟のコント・ライヴ〈ラブ〉に楽曲が全面的に使用されるなど、好評を得る。2010年に5曲入りEP『circle』を発表し、前作共に完売。2011年にシングル『リリーと穴』、2013年にシングル『C』をリリース。2014年にはサポートメンバーであった岡村寛子(Keyboards)が正式メンバーに加入。またサポート・メンバーに石渡新平(Drums)を迎え、楽曲制作に向けて注力する中、2016年に〈SIMPO RECORDS〉よりシングル『ドリームシアター』を発表。2017年6月に同レーベルより待望の初のフル・アルバムをリリース。

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