髭、新アルバム『すげーすげー』をリリース──沈黙を破る、変容の先のグッド・メロディー

2006年のデビュー以来、サイケデリックかつロマンチックな世界観で、シーンを魅了し続けているロック・バンド“髭”。10年代に入り、邦楽シーンが盛り上がりを見せるなか、ガレージやサイケといったスタイルから、シンプルでストレートな王道のロックに変容を遂げてきた。髭のプリティ・サイケなスタイルはそのままに、どこかトリップ感のある楽曲が並び、新たなモード感を提示することとなった前作『ねむらない』から約1年半。沈黙を破り、新アルバム『すげーすげー』がリリース! ギターロックへの回帰ともいえる今作だが、その先にあるものとは? 待望の新アルバムを、レヴューとともにお届けします。

ギターロックへ「回帰」した新アルバム!

髭 / すげーすげー

【配信形態】
ALAC、FLAC、WAV(24bit/48kHz) / AAC

【配信価格】
単曲 257円(税込) / アルバム価格 2,469円(税込)

【収録曲】
01. もっとすげーすげー
02. ヘルシンキ
03. S.O.D.A.
04. TOMATO
05. スターマイン
06. CLASH! LAOCHU!
07. ユーは13?14?
08. DEVIL'S ODD EYE
09. あうん
10. U4

【REVIEW】髭『すげーすげー』

今やシンプルでストレートなロックは、彼らの音楽において特筆すべき点ではなくなり、髭が髭たる所以の1つともなった。もちろん今までの彼ら通り、前衛的なサイケでノイジーな楽曲も絶妙の配分でアルバムには収録されている。とすれば、約2年間で培い、新たに私たちに提示しているものは何か? それは圧倒的なまでのグッド・メロディーの追求であるといえるだろう。


髭/もっとすげーすげー

M1「もっとすげーすげー」で音の厚みが増したオルタナティブ・ロックに傾倒したかと思えば、M2「ヘルシンキ」では、軽快でジャングリーなギター・ポップを鳴らす。シンセサイザーの音色が特徴的なM5「スターマイン」でしっとりしたフォーク・ロックを聴かせつつ、一転してサイケでノイジーなM6「CLASH! LAOCHU!」でリスナーを白昼夢に連れていく。色とりどりのサウンドスケープを軽やかなフットワークで体現している姿勢は今作でも変わらない。しかし、その中心で全くブレていないのがメロディーの上質さである。

それは単にキャッチーであるとか中毒性があるとかそういった単純なことではない(もちろんそれも含まれるのだが)。このグッド・メロディーの数々はバンドの紆余曲折を乗り越えた経験、そして新たな“髭らしさ”を模索していったなかで勝ち取った勲章であると思う。ライヴ・バンドである彼ららしさは健在で、高揚感を抑えきれず思わず拳を突き上げたくなるメロディーは脱帽ものだ。


髭/CLASH! LAOCHU!

特筆すべき点はもう1つある。それは男目線の不甲斐なさを軸にした歌詞だ。M4「TOMATO」では〈夜はまだ始まったばかり〉〈 君をそっと抱き寄せた後に 僕を許して欲しい 君をあんなに傷つけたのに〉と情けなく歌い、M5「スターマイン」では〈夜明けを待ってさ 寝ぼけたNIGHT CRY〉〈君が好きさ これも夢かい〉と儚げに歌っている。本当はダサくて弱虫で自信がない。でも好きな人の前では強がってしまう。わかってほしいけどわかってほしいなんて言えない。そんな、口下手な男なら誰しも共感できる恋愛模様を、トラックを跨いで地続きで歌い上げるボーカル須藤には感服せざるを得ない。弱気な内心を硬い殻で覆い隠しているすべての人に響くアルバムだろう。(Text by 高橋秀実)

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ライヴ情報

〈ぷれ・すげーツアー〉
2017年5月23日(火)@東京都 下北沢SHELTER

〈すげーツアー〉
2017年5月27日(土)@京都府 磔磔
2017年5月28日(日)@兵庫県 神戸VARIT.
2017年6月4日(日)@北海道 札幌BESSIE HALL
2017年6月18日(日)@宮城県 仙台Hook
2017年6月24日(土)@福岡県 LIVE HOUSE CB
2017年7月1日(土)@大阪府 梅田 CLUB QUATTRO
2017年7月2日(日)@愛知県 名古屋 CLUB QUATTRO
2017年7月8日(土)@東京都 恵比寿 LIQUIDROOM

ライヴ情報詳細はこちらから

PROFILE

須藤寿(Vo,G)、斉藤祐樹(G)、宮川トモユキ(B)、佐藤“コテイスイ”康一(Dr,Per)、の4人によるロック・バンド。2003年ミニ・アルバム『LOVE LOVE LOVE』でデビュー。 2004年にFUJI ROCK FESTIVALに初出演を果たし、2005年『Thank you,Beatles!』でメジャー・シーンに躍り出た。以来、サイケデリックかつロマンチックな髭ワールドで、シーンを魅了し続けている。

>>髭 オフィシャル・サイト

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レヴュー

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