本物の名盤、ここに誕生ーー岸田教団&THE明星ロケッツ、待望のニュー・アルバムをハイレゾ配信

リリースしたシングルは続々TVアニメのOPに決定、大規模アニソンフェスへの出演で快進撃を続けている岸田教団&THE明星ロケッツ。2年ぶりに待望のニュー・アルバム『LIVE YOUR LIFE』をリリース、ハイレゾ配信も開始された。「とても手応えのあるアルバムに仕上がった」というアルバムについて、紅一点・ヴォーカルのichigoにインタヴュー。ハンカチ必須です。

岸田教団&THE明星ロケッツのハイレゾはOTOTOYで!

岸田教団&THE明星ロケッツ / LIVE YOUR LIFE

【Track List】
1. 希望の歌
2. GATE~それは暁のように~
3. zero-sum game
4. GATE Ⅱ ~世界を超えて~
5. nameless survivor
6. 天鏡のアルデラミン
7. life logistics
8. EGOISTIC HERO
9. Ruler
10. Blood on the EDGE
11. vivid snow
12. LIVE MY LIFE

【配信形態】
24bit/96kHz (WAV / FLAC / ALAC) / AAC

【価格】
単曲 540円(税込) / アルバム 3,600円(税込)


岸田教団&THE明星ロケッツ_New Album「LIVE YOUR LIFE」_全曲クロスフェード試聴

INTERVIEW : ichigo(岸田教団&THE明星ロケッツ)

岸田教団&THE明星ロケッツの『LIVE YOUR LIFE』は、本物の名盤となった。以前の作品と聴き比べて欲しい。野音を大成功させたからだろうか、多くのシングルをリリースしたからだろうか、間違いなく以前の岸田教団&THE明星ロケッツではない。持ち前の技術だけでなく、確実に心に響く音楽になった。アルバムを聴きながら、涙がでそうになったのは、その説得力の強さだ。僕は、本作、その立役者はichigoだと信じて疑わない。何よりも凄まじくなったのは、彼女の「歌」だ。

インタヴュー&文 : 飯田仁一郎
写真 : 作永裕範

このアルバムから何かを伝えて行こうかなと思っていた

ーーアルバムの手応えはいかがですか?

ichigo : 手応えはすごくあります。「何を伝えよう」っていうことが明確になったアルバムだなって。たまたまですけど、私と岸田どっちもこのアルバムから何かを伝えて行こうかなと思っていたみたいで。全然話し合ったわけじゃないんですけど。ちゃんとそれが出来たなって思います。

ーーその「2人が伝えたいこと」というのは一緒なんですか。

ichigo : う~ん、大きい枠で言えば一緒でした。言い回しとか細かいところが違うだけで、結局は、この世界をどうやって生き抜いていくかという。すごくパーソナルなレベルで、とにかくこの世界で自分1人分とかまわりちょっと分くらいのスペースをどうやって確保していくかみたいな。今回、「世界」って言葉がめっちゃ多いんですよ。

ichigo

ーーうん、めっちゃ多いですね。

ichigo : 多いでしょ? でも世界をどうにかしようなんて思ってなくて。世界に対して自分がどうあるべきかとか、どうありたいかとか、「こんな感じで生きていこうかな」とかいうことを考えているんだなって、書いてみて思いました。

ーーichigoさんはどう生き抜いてやろう、と思っているんですか?

ichigo : こんな感じで生き抜いてやろうと思っています(笑)。「LIVE MY LIFE」を書いたときに、本当は… 私、前から武道館でライヴをやりたいって言ってるじゃないですか? 大きいステージでの自分たちとかを考えたときに、たくさんの人に向ける曲がなきゃ駄目だと思ったんです。「みんなのための曲」というか。この曲の歌詞で〈生きていくのに十分な〉っていうAメロは私たちのことを好きな人のことを言いたくて。岸田教団の音楽なんてなくても生きていけるものなのに、それを愛してくれている人たちがいるんだなっていうのがまずあって。それで「諦めないでほしいな私たちのことを」っていう思いで書いたんですよ。進学したり就職したりする中で、ライヴに行けなくなったり趣味を捨てる人がいるのって嫌だなって思うし、諦めないでほしいなって。でも「お前の人生を生きろ」って言うつもりが書くうちに「私の人生を生きていくわ」ってなっちゃったんですよね。この曲のタイトルは歌を入れるときまでは「LIVE YOUR LIFE」だったんですけど、歌ったらもう私の曲になっちゃって…「LIVE MY LIFE」に。武道館とかでみんなを抱きしめるような曲を作りたかったっていう構想からは外れちゃいました。

ーー「武道館でやりたい」っていうことは諦めていない?

ichigo : 諦めてないです。何年か前までは、例えば自分たちの規模じゃ武道館無理でしょ、という人たちが「俺たち武道館やりたいんです」とか言ってたら「バカかっ」って思ってた自分がいて。でも、自分が武道館に行きたくなったから、掌返して「武道館に行きたい!」って(笑)。すごい勝手なんですよね、私。「LIVE MY LIFE」も勝手に生きていく曲だし、私は勝手に生きていくし。それを誰かが見ていてくれるならありがたいなって、そう思います。

今回のアルバムは私的にとても大事なんだろうなって思います

ーー今回は、どんなきっかけでアルバム制作に入ったんでしょう。

ichigo : アルバムは、作ろう作ろうって言ってたんですけど、タイアップのシングルを出すタイミングが重なったので遅くなっちゃいました。でも今回4曲もタイアップシングルが入った状態で出せたのは、とても嬉しいです。

ーー「nameless survivor」の歌の高低差はやばいですね。

ichigo : 「nameless survivor」、カッコイイでしょ!? これ私大好きなんですよ。これは岸田の曲なんですけど、2人ともアルバムで好きな曲です。岸田が曲を送ってきたときに歌詞は私にお願いしたいということで、書くときにイメージを聞いたら「“おまえ目の前の女の問題と世界の問題、ごっちゃにしてない?”みたいな歌詞書いて」って言われて。「ああ、なるほどなるほど」って(笑)。それって今までたくさんある色んなゲームなりアニメなり映画なりの究極のテーマじゃないですか?

ーーはい。

ichigo : 世界を救わないといけないけど、この女もなんとかしなきゃいけないっていう。自分のパーソナルと世界との中でのせめぎ合い。これって岸田には書けないんですよ。岸田は「えっ世界の方が大事でしょ?」って言っちゃう方なので。だからそこは女性目線の方が良いんだろうなって。私はそういうストーリーが好きだし、すぐにこの歌詞のイメージが湧いたし、自分の歌詞で歌いやすくて曲のダイナミズムもしっかり入っている状態で「こう歌いたい」というのが明確にある上で歌えた曲なので、アーティスト的にも職人的にもすごく気に入っている曲ですね。

ーーなるほど、職人技ですよね、この曲のサビの高低差とか。聞いていたらいきなり“ええっ!?”って。

ichigo : 嬉しいです(笑)。でもこれライヴでどうしようかなって、本当に。サビとかすごく高いんですけど、高い分低いところを深みを持たせて豊かに出さないと、ただパツパツのピーキーな曲になっちゃうので。そういう細かいところをすごく意識していて。そこをちゃんとレコーディングエンジニアのトシさん(渡辺敏広)に、しっかり拾ってもらってるんで良かったですね。ミックスの方もAメロBメロサビで細かくリバーヴのかかり具合が違って、「ここは耳元でしっかり聴こえてほしいんでオフで」とか「ここはつながってほしいからちょっとずつ入れよう」とか、細かくやりましたね。

ーーへえ~! 僕は岸田教団ってあんまりスタジオワークをichigoさんがするイメージじゃなかったんですけど。

ichigo : うん、スタジオワークが好きなのは岸田だけなので。

ーーですよね、みんなデータを送って岸田さんがやるっていう。

ichigo : そうです。そういう意味では、今回私が「nameless survivor」と「LIVE MY LIFE」とバラードの「vivid snow」にはミックスの段階で立ち会って細かく言っているので、ちょっと歌モノの雰囲気のミックスにもなってるかもしれないですね。

ーーそれはなぜそういうやり方をしたんですか?

ichigo : まあ単純に私が作詞をしているからとか岸田に任されたところはありますね。最終的なOKは岸田が出すのでそれは任せているんですけど、この3曲に関しては私の意向がミックスにも反映されています。だから今回のアルバムは私的にとても大事なんだろうなって思います。

ーー“大事なんだろうな”っていうところをもうちょっと詳しく教えてもらえます?

ichigo : 関わりたい曲がたくさん出来たなって思うんです。私は歌うのが好きなので、歌えたら「ああ良く歌えた、楽しかった、あとはよろしく」ってなることが多いんですけど、今回は最後まで見届けて細かいところまで自分の意向をちゃんと伝えてみんなに届けたいなと思う曲が多かったです。それくらい歌のニュアンス、歌い方の技法を含めて「こうしたい」というのがハッキリある中で歌えたので。それが正しく伝わってほしいなというのはありましたね。

ーーichigoさんの岸田教団への関わり方が2年前とだいぶ変わった気がしますね。「どうでもいいよ~」みたいな感じだったのに(笑)。ちょっとビックリしましたけど。

ichigo : そうなんですよね~。ちょうど2年前くらいからラジオをやらせてもらったり、こうやって単体で取材を受ける機会も増えて、否応なしに岸田教団のことを考えることが増えたし、「岸田教団&THE明星ロケッツ、ヴォーカルのichigoです」って言うことがすごく増えたんですよ。「あ、私“岸田教団&THE明星ロケッツのヴォーカルのichigo”なんだな」って(笑)。今は代表なんだなって思うことが増えて。無責任でいたいんですけど、ちょっとずつそういうのは感じてますね。やだなあ、責任感のある自分って(笑)。

感情が伴ってきたなと思うんです、音楽に対して

ーーヴォーカル・スタイルについては決まってきたとか、変わったところはありますか?

ichigo : もともとはバラードとかポップス系のニュアンスフルな歌を歌いたかったんですけど、向き不向きはあったなって。やっぱり私の一番の売りはこの声質だし、高い音とか速いメロディでも強いままで歌えるというのが私の特技なんだろうなっていうのはあって。それを活かす曲を作ってくれるし、岸田教団で歌っている自分が今の私のスタイルなんだろうなっていうのはハッキリと思います。

ーーヴォーカリストとしてどんな歌うたいになりたい、というのはあるんですか?

ichigo : もっと説得力を持ちたいなというのはあります。やっぱり、今私が言えることってこの程度なんですよね。もし、もっと必死になって頑張ったり無理して生きてたら「おまえらもっと無理して生きてみろよ」って言えるかもしれないし。今はこの世界を頑張り過ぎずフワっと行きていく岸田教団です、みたいな感じなんですけど。この先、もし子どもができたらすごくピースフルな人になるかもしれないし、母ライオンみたいになるかもしれないし。どちらにせよそのときに到達した自分をちゃんと伝えられる説得力のある人になりたいです。

ーー説得力という言葉はこのアルバムを聴かせてもらって、岸田教団に付いた気がしましたけどね。途中くらいで、「ichigoさん何かツライことがあったのかな」って。

ichigo : マジで!?

ーーヴォーカリストってその人が生きていた人生の重さが伝わるじゃないですか? だから色々あったのかなって。

ichigo : 色々あった(笑)! そういうのって伝わるんですね。

ーーアルバムを聴いて泣きそうになったんですよ。前作は泣きそうにはならなかったし野音ライヴはあの光景とかを含めて泣きそうにはなったんですけど、この作品はとても激しいのにジーンとくるというか。

ichigo : 嬉しいです。感情が伴ってきたなと思うんです、音楽に対して。それは私が憧れている人からの影響もあるんですけど。私はファンになった経験がなかったから、ファンの気持ちが全然わかってなかったんです。でももしかしたら、私が頑張っていることで、「ichigoさんが頑張っているから私も今日仕事頑張ろう」って思っている人がいるかもしれないなって。毎回イベントとかライヴでお手紙をもらったり応援されて、それに育てられて、やっとみんなに何かを返そうって思えるようになったんですよね… 私、お客さんの話をすると泣いちゃうんですよ。すいません、ティッシュください!

ーーお客さんのことを意識し出したのっていつからなんですか? どこかで大事になった瞬間があったんでしょうか。

ichigo : お客さんのことをすごく大事にしようと思ったきっかけは、『ウォーキング・デッド』のグレン (グレン・リー役の俳優・スティーブン・ユアン)が来日するって聞いて、ノリで「よし、行こう!」って、ただ握手して写真撮るだけのために8千円くらいするチケット買って行ったんですよ。そのときに、グレンがアメリカから来て、キャーキャー言ってるジャパニーズにすごく優しく対応してくれているわけですよ、お仕事なんですけど。でもその瞬間「好きっ!」ってなって。

ーーあははははは!

ichigo : そのためにチケットも買って、英語の得意な友だちに訳してもらって頑張ってお手紙を書いて、自分のCDも一緒に渡したら「絶対聴くよ」とか、たぶん言ってるんですよ。もう最高やなって。「こういう人に私はなりたい」って思ったんです。要はファン活動を初めてしたんですよね。そのときに、「みんなこんな気持ちでお手紙を書いてくれてたんだ!?」って思って。そのとき、それまでファンからもらった何年分かのお手紙を読み直しましたからね。それからはライヴとかでお手紙をもらって読むたびに泣いちゃうんです、「ああ~! ありがとう~!」って。そういう感じになったのって本当最近なんですよ、ああ恥ずかしいー!!

ーーははははは。そうやって人のふりを見たり自分が体験してどんどん変わって行くんですね。でも、このアルバムが良いのは確実にichigoさんのおかげですよ。2年前と全然違いますもん。ヴォーカリストがそこまで変わったら説得力出ますよ。

ichigo : そうでしょ(笑)!? 確実に私の中にあるスイッチがいっぱい入ったんですよね。スイッチないと思ってたけどあったんだなって。とりあえず今の段階ではステージでは絶対に泣かないって思っているんですけど、武道館でライヴをやってみんなが来てくれたら泣いちゃうかもしれない (笑)。

ーーいやあ、武道館で見たいなあ。

ichigo : 今やっと、自分の中で伝えたいことができたなって思ってます。今まで音楽で何かを伝えたいなんて微塵も思ってなかったので。

ーー今日はichigoさんがどんなアーティストになりたいかということを訊かせてもらいましたけど、岸田教団&THE明星ロケッツとしてのこの先のビジョンってありますか。

ichigo : 音楽ってやっぱり力があるんだなって最近思うんですよね。私が言いたいことも岸田が言いたいことも、戦っている人に刺さるんじゃないかなって思うんです。世界っていう言葉が多くなったり未来への希望を歌うのって、やっぱり現状が暗いからみんなに光を見せたくなるんですよ。今この光が届いていない人たちに届いてほしいというか、今音楽を聴いていない人たちにどうやったら届くかなって考えながらやっていきたいです。

過去記事

>>GATE~それは暁のように~リリース記念 代表岸田インタヴュー
>>GATE II 〜世界を超えて〜リリース記念 ichigoインタヴュー

DISCOGRAPHY

PROFILE

岸田教団&THE明星ロケッツ

岸田教団&THE明星ロケッツとは、リーダーの岸田がもともと「岸田教団」として『東方Project』のアレンジCDや、オリジナル楽曲を制作し、活動している中で、ライブイベントに出るため岸田がメンバーを招集したバンドである。現在でも同人サークルとしての活動も続けている。

2010年にTVアニメ「学園黙示録 HIGHSCHOOL OF THE DEAD」の主題歌でメジャーデビュー。2015年7月リリースの『GATE~それは暁のように~』、2016年1月リリースの『GATEⅡ~世界を超えて~』とコンスタントにリリースを重ね、2016年12月にはストライク・ザ・ブラッド Ⅱ OVA オープニングテーマ『Blood on the EDGE』をリリースした。

2014年12月には、メジャーオリジナルフルアルバム「hack/SLASH」をリリースしたのち、2015年3月にZepp Tokyoにて、更に2016年7月に日比谷野外大音楽堂にてワンマンライブを超満員で大成功に導く。2016年11月にはANIMAX MUSIX 2016 YOKOHAMAに出演、2018年1月にはリスアニ!LIVE2017に出演することも決定しており、着実にライブ動員を増やしている。

今後の活動からも目が離せない!

メンバー : 岸田(Bass)/ichigo (Vocal)/はやぴ~ (Guitar)/みっちゃん (Drums)

>>岸田教団&THE明星ロケッツ Official HP

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インタヴュー

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by 鈴木 雄希
筆者について
J J (JJ)

パンク・バンドLimited Express (has gone?)のギター・ボーカル。BOROFESTAの主催者。ototoyのチーフ・プロデューサー。JUNK Lab Recordsのレーベル・オーナー。ライターやイベント・オーガナイズも多数。ototoyでは、リミエキのJJとして喋っている時は、JJ(Limited Express (has gone?))と記載しています。

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