2017/03/22 12:00

3つの曲に込められた、自分たちの思いとこれからーーcallme、9ヶ月ぶり4thシングルをリリース

callmeが9ヶ月ぶりにシングルをリリースした。曲数は3曲。ポップさに舵を取り、物流応援PR曲として作られた「Bring you happiness」、3人のこれまでとこれからが凝縮された超大作「It's own way」、RUUNAのヴォーカルが冴え渡る「I never know tomorrow」の3曲について、じっくりと話を訊きました。

callme / Bring you happiness(24bit/48kHz)
【配信形態】
24bit/48kHz ALAC / FLAC / WAV / AAC

【価格】
単曲 540円(税込) アルバム 1,100円(税込)

【Track List】
01. Bring you happiness
02. It's own way
03. I never know tomorrow

INTERVIEW : callme

3人組ガールズ・ユニットのcallmeが、今年最初となるシングル『Bring you happiness』をリリースした。表題曲はそのタイトル通りの幸福感あふれるメロディーが炸裂し、明るく弾けるポップ・ナンバーだ。彼女たちというとクールな楽曲が多かったが、今回はそのイメージを覆すような曲で、また新たな姿を見せている。さらに驚かされるのがカップリングの「It’s own way」で、実に10分以上に及ぶプログレ的といえるくらいの大曲。展開やリズムがどんどん変わり、さまざまな風景を見せていき、終盤でクライマックスに至るという流れの中で、自身のストーリーを表現している。音楽的には現時点での彼女たちの到達点といえるだろう。もう1曲の「I never know tomorrow」を含め、どの曲にも新機軸があり、さらなる成長ぶりや今の充実がはっきりと伝わってくるシングルだ。

インタヴュー&文 : 小山守

日常にあふれている幸せがみんなの元に届いたらいいな

──2月3日にヤマハ銀座ホールでワンマン・ライヴ“Ultra callme AKAONI”がありましたけど、デビュー曲の「To Shine」で始まったり、あまりやらないアルバム曲を披露したりと、ちょっとレアなライヴでしたよね。

RUUNA : 久々にデビュー曲を聴いた時に、みんなで、ああいいねって話になって。

KOUMI : 初心を忘れないぞ、って思いを込めて、1曲目にしました。

RUUNA : 振り返ると、あの時だからこそできたみたいな感じがあって。それで、昔の振付を思い出していたんだよね。振りが簡単過ぎて(笑)。

KOUMI : 今はバックトラックの音で振りをハメているんですけど、「To Shine」はメロディーでハメているので、すごくまったりしたダンスだったりして、逆に難しいみたいな(笑)。

callme /「To shine」MV short ver.
callme /「To shine」MV short ver.

──では今年最初のシングルなんですけど、表題曲の「Bring you happiness」は、日本パレット協会のPRソングということで、お題があって制作したんでしょうか。

MIMORI

MIMORI : callmeの音楽を聴いて、気に入ってくださって、一緒になにかやろう、って言ってくださって。それで“私たちがPRソングを作ります”って言って、日本パレット協会のPRソングとして作らせていただいたんです。今回はパレットの気持ちになって、擬人化みたいな感じで作りました。ドラマのタイアップだとそのストーリーにあわせて、というのは書きやすかったんですけど、パレットを全然知らなかったので、勉強から始まったんですよ。実際にパレット倉庫に行って、よくよく見ると日常に意外とあって、でも全然それが知られていないなってことに気づいて。パレットは日常で大切なものを運んでいるので、それをみんなに気づいてもらいたいなって思って。日常にあふれている幸せがみんなの元に届いたらいいな、っていう想いを歌わせてもらっています。

──タイトル通り幸福感あふれるメロディーの曲ですけど、そういったイメージがあったんですね。

MIMORI : 倉庫がすごく明るい環境で、パレット自体もすごく幸せなものなんだよ、っていうインスピレーションから明るくポップな曲にしようと思って。callmeとしては、今までで一番ポップな曲なんじゃないかなって思ってます。

──ああ、そんな感じがしますね。callmeは以前からクールな曲が多かったですけど、最近は明るい曲が増えていますよね。こういう曲を書くのもあまり苦労しなくなったんですか。

MIMORI : 今回はDaichiさんとの共作なんですよ。アレンジャーのYoheiさんのお友達なんですけど。Daichiさんのいろんなデモ曲があって、それを聴いたら、すごく明るくてしっくりくるメロディーで。

callme / Bring you happiness -Music Video-
callme / Bring you happiness -Music Video-

RUUNA : きてほしいところにきてくれる感じっていうか。

KOUMI : 新しい刺激になりました。ずっとアレンジャーのYoheiさんとみもちゃんとで楽曲を作っていたので、その中にまた新しいテイストが加わったことで、また新しい魅力が増えるんじゃないかなって。

RUUNA : 今までと違ったメロディーだったので、歌った時に新鮮な感じがしたんですよね。ポップな楽曲で、みんなが聴いて口ずさめる曲にしたいなっていうのがあったので、振り切りましたね。振り切ってポップにしました。

MIMORI : 恥ずかしいくらいのポップだと自分たちも抵抗があるので、だから恥ずかしくないギリギリのラインなんですよね。最初はメロディーもちょっと違ったんですけど、共作としていろいろ練っていって、”callmeらしさ”も加えました。

──それとこの曲のダンスは、ちょっと複雑な動きがありますよね。

KOUMI : 今回は多くの人に知ってもらうために、みんながやりやすいダンスというか、“真似したいな”って思ってくれるものでありつつ、ちょっと複雑な、“あのダンスどうやってるんだろ”って驚かれるような振付も入れたかったんです。今回の振付は、キャッチーな感じでできたんじゃないかと思いますね。

自分たちがすごくリアルに描かれていて、自分たちのストーリーの曲

──カップリングの「It’s own way」は、callme史上最大の問題作ではないかと思うんですけど、10分以上の長い曲ですよね。最初から長い曲を作ろうと思っていたんですか。

MIMORI : 去年の年末にブラスタ(Team Black Starz)さんとのツーマン・ライヴがあったんですけど、その時にメドレーみたいな感じで、いいとこ取りをしたセクションを作ったんですね。そしたら、こんな感じの見せ方いいなあって思って。自分たちがいちばん見せたいところをぽんぽんと詰め込んでいたので、これを次の曲としてやりたいなあって思って。その中でcallmeの魅力をどう伝えたらいいかなって思ったら、るうなさんの歌がメインになって、こうみんの得意なラップもやりたいな、とか思っていろいろ詰め込んだら、長くなっちゃいました。

──組曲っぽい感じもしますけど、みなさんの中では1曲なんですか。

MIMORI : あくまでも1曲ですね。つながっている部分としては、ピアノがメインとしてあるので。セクションごとには違うんですけど、全部つなげて1曲と思っています。

3月19日「Ultra callme happiness」@ヤマハ銀座スタジオ

──そうですよね、サウンド的にも一貫してるし、歌詞の内容もひとつのストーリーがありますよね。

MIMORI : 歌詞は私たちの今までのこれから、というテーマで作っていったんです。callmeがデビューして上京してきてから、私たちが経験してきた想いとか胸に秘めてきたものを歌わせてもらっているんです。だから自分たちがすごくリアルに描かれていて、自分たちのストーリーの曲だと思っています。

──大まかに言って、全体が3つのパートになっていると思うんですけど、2つめのパートのところで苦悩している描写があって、パート3ではそれがポジティヴになっていくという、そういうストーリーですよね。

MIMORI : 最初の頃、自分たちには明るい考えしかなかったんですよ。やるしかない、とにかくがんばるしかないんだ、ってスタートして、でも実際にやってみるとそんな甘いことじゃなくて。

RUUNA : まわりの人やスタッフさんに恵まれてるのにそれに見合っていない自分たちが、すごくイヤになって。

MIMORI : 追いつけていないというか、すごく歯がゆいというか。理想や思い描いていたものとは違っていたりとか。

RUUNA : 作品を出しても、自信作だったのに思った以上に反応がこなくて、まだまだだな、っていうのがけっこうあったりしましたね。でもそこで悩んでちゃダメなんだなって。できなかったら倍やろう、みたいな。とことんやりこもうと思って。

MIMORI : そういう苦悩をストレートに綴ったのがパート2ですね。

──全体の流れでいうと、パート1から展開が激しく変わって、KOUMIさんの英語ラップも出てきますね。もうすっかりおなじみですけど、今回はかなりテンポが速いので、難しかったんじゃないですか。

KOUMI

KOUMI : ほんとに新しい挑戦で、難しかったです。アレンジャーさんから、“この人のラップすごくためになるから聴いた方がいいよ”というのを教えてもらって、今回はそういうのを聴いてからレコーディングに行くようにしました。今までだと語り口調のものが多かったので、自分で好きなようにノリながら歌っていたんですけど、今回はやっぱりリズムが入ってきたので、そのへんがやっぱり難しかったですね。

──ラップの歌詞は自分で書いているんですね。

KOUMI : ラップ部分の歌詞は書いています。日本語の歌詞と違って、ラップの英語の部分は、上から自分を見ているような感じ。上から自分を見た時に、“マイナスの部分も悪くないよ、結果的に自分のためになるから、それはいいものだよ”っていう強い思いを入れました。

RUUNA : 日本語の歌詞と掛け合いみたいになっているんです。

MIMORI : 日本語では弱気な部分を歌っているんですけど、ラップの部分で“がんばるしかないんだよ、大丈夫”みたいな、自分自身を励ますみたいな感じで、自分自身の掛け合いを歌っている感じになりました。

──パート2に入るとメロディーがシリアスになって、荘厳なムードが漂ってきますよね。

MIMORI : 今までと違うこともやりたいね、ってことで。この曲には自分たちが今までやってきた、好きなものを詰め込んだんですけど、でもそれだけじゃなくて、もうひとつチャレンジしたいねっていうことで、今回は8分の6拍子を入れてみて。ここは歌をメインにしたかったので、メロディアスに作りました。

──パート2の最後の方、“Where are you going?” を繰り返すところから、サウンドもハードになって盛り上がっていって、クライマックスを迎えていきますよね。

callme / It's own way at Ultra callme Happiness
callme / It's own way at Ultra callme Happiness

MIMORI : また気持ちが戻るんですよね。最初はがんばるしかないよね、って言って始めたんですけど、くじけたりして、自分たちのやりたいこともはっきりわかってきて、私たちはこれからもがんばるしかできないよね、って思いがまた戻ってくるので、その意識をここに出したいなと思って。最初のがんばりたいよねって気持ちよりもさらに成長して、大きくなった自分たちの、これからに向かう気持ちを表すと、リズムも速くなったりして盛りあがっていくんです。これからにつなげていくために。

──ひとつひとつのアレンジにも意味がある?

MIMORI : そうですね。最後はピアノも思いきり入ってきて、私たちもダンスで、いちばんバリバリに踊るところで。これからもまっすぐやっていくんだ、っていうcallmeとしての意思表示ですね。

KOUMI : 激しい振りではないんですけど、自分たちのスキルを上げないとかっこよく見えないので難しいんです。でもやっぱり、常に新しいことに挑戦したくて、今の自分たちのレベルに合わせたものの一歩上を行きたかったので挑戦しています。

──この曲は現時点でのcallmeの音楽的な到達点だと思うんですけど、今までの曲と違う満足感とか達成感ってありましたか。

RUUNA : また自分たちのやりたい方に振り切った、というか。今回はメインのヴォーカルがるうな、コーラスがみも、ラップがこうみん、って担当で分けて、それはまた違うやり方ができたなあって思っていて。終わって“わーっ”ってなったよね。

MIMORI : けっこう長い間レコーディングしていたので、終わった時の達成感は、“あーっ”って感じでした。歌詞の順番とかの構成も最後まで決まらずに、いろいろ試行錯誤していたので、終わった時には“やっと終わったー”って。今までの達成感とは違う、いいため息が出る感じで、終わりを迎えられました。

RUUNA

──これがファンにどう受け入れられるか、って思いましたか。

RUUNA : 自分たちを応援してくれる人にこそ聴いてもらいたいって、今回作って思いましたね。

MIMORI : じっくり聴けばわかってもらえるんじゃないかなって。

RUUNA : 自分たちのことを書いたも久しぶりだったんで。「To Shine」は自分たちの未来へ、みたいなことを書いたんですけど、久しぶりに自分たちのことを振り返ったんですよね。

MIMORI : 自分たちのことをストーリー的に書くのはそれ以来ですね。

RUUNA : 歌ってて、自分たちも”わーっ”て思う歌詞だったりするので、応援してくださる人たちに聴いてもらいたいです。

今年はいろんなところに行って勝負しようっていう感じ

──もう1曲の「I never know tomorrow」は、資料によるとフィーチャリングるうなさんってことなんですね。

MIMORI : そうですね。この曲はるうなさんに視点を当てて作った曲です。年末からライヴをやってきて、次はるうなさんの歌がキーになってくるんじゃないかなって思って。るうなさんから好きな曲をいろいろ出してもらって参考にしました。

RUUNA : 自分が個人的に好きで、聴いていたり、カラオケで歌っているような曲のメロディーを送って、それでメロ出しをしてくれました。

MIMORI : るうなさんから送られてきたメロディーをみんなで聴いて、Yoheiさんと2人でスタジオに入って、るうなさんがcallmeとしてあの感じを歌うならこういうメロディーかなって。それで歌をメインにしたかったんですよね。

──すごくやさしいメロディーで、春っぽいし、包容力みたいなものを感じる曲ですよね。

RUUNA : そうですね。またいつもとは違ったアプローチをする1曲になったなあと思っていますね。

──では、こうして今年最初のシングルが完成したところで、今年はどんな年にしていきたいですか。

MIMORI : 今年のひとつの目標として、海外でライヴをしたいっていう、自分たちの願望があるんです。

RUUNA : 今年はいろんなところに行って勝負しようっていう感じがすごくあって。直接届けに行って、生で私たちを見てもらって、好きになってもらって、callmeをたくさんの人たちに知ってもらえる年にしたいなと思っているし、海外でのライヴも目標です。もちろん新しい作品を届けられるようにがんばりたいなと思ってて。リリースという形とは別に、その日のライヴだけで聴けるような曲とか。去年の年末のツーマンで、その日1回しかやらない曲を披露しました。

MIMORI : 1回しかやらない曲は、当日ライヴを見てくださったお客さんにいちばんの感謝の気持ちを込めて作りました。

RUUNA : いらしてくれた人へのプレゼントになるかなと思って。自分たちは制作するのが好きなので、これからもいっぱい作ってどんどん出していきたいなって思っています。

KOUMI : 一度も見逃しちゃダメだぞ、って(笑)思っています。たくさん、発信していきたいです。みんなを喜ばせられて、楽しんでもらえるグループでいたいなって思うんですよね。

DISCOGRAPHY

LIVE SCHEDULE

Ultra callme Extra sendai

2017年4月9日(日)@仙台MA.CA.NA


PROFILE

KOUMI、RUUNA、MIMORIの3人によるガールズユニット。
2014年12月30日に結成。それぞれの得意分野を活かし楽曲やパフォーマンスをセルフプロデュースする新しいスタイルのガールズユニットとして活動をスタート。
リーダーのRUUNA、ダンスを得意とするKOUMI、作曲を得意とするMIMORIの3人が一体となったクオリティーの高いダンスと楽曲の創造性溢れるパフォーマンスが魅力。

>>オフィシャル HP

[インタヴュー] kolme

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