【ライヴレポート】日本のポップスの頼もしさと可能性が見えた! GOODWARPツアーファイナル

【L→R】Ba.萩原チャー尚史 Vo.吉崎拓也 Gt.藤田朋生

ふらっと立ち寄った本屋にはいく種類ものボブ・ディランについての本が平積みされていた。彼がノーベル文学賞をとったことは、彼を知らなくても事実として知っている人も少なくないだろう。彼の書く歌詞の世界観や深みは世界中の人々に評価され、受賞に至ったわけだが、やはり日本人である私たちは『母国語』として理解することはできないという言葉の壁を痛感させられる。歌詞の意訳や、翻訳というものもあくまで解釈の一端であり、彼の言葉全てを受け取るというものでもない。なんだかなあといった気持ちで本屋を後にし、代官山UNITへと向かった。ライヴハウス前にはGOODWARPのツアー千秋楽を心待ちにしているファンが長蛇の列を成していた。

テキスト : 宮尾茉実
写真 : 後藤壮太郎

REPORT

2017年3月16日、時刻は19時半をすぎ、会場が暗くなりライトが照らせれると、ステージ上にはメンバーのシルエットが大きな幕に映し出された。「レイニー白書」が披露され幕が降りると電飾に身を包んだGOODWARPの姿が現れる。CD音源化されていないが彼らの代表曲にもなりつつある「直線距離」、「ベラボーに!『ブラボーーーー!』」というフロアとの掛け合いにより今回のツアーで提げて回ったEPの1曲、「bravo!bravo!bravo!」も披露されフロアの熱量はぐんぐん上昇!

電飾を身にまとったメンバー

「自分から便りを出さないと、人から返事は来ない。勿論来ないから書かない。これを香川弁だと『書かんけん来ん、来んけん書かん』と言うそうで。自分から踏み出すことが大切なんですよね。」そう熱い眼差しでファンに語りかけ披露された「Sweet Darwin」はアニメのタイアップにもなった初のバラード。昨年の初香川遠征でのエピソードを元に作られた思い入れの強い一曲に、オーディエンスも真剣な眼差しでステージを見つめていた。

「僕とどうぞ」ではフロアの盛り上がりも最高潮。ライヴも中盤に差し掛かりヘッドセットをつけたチャーが登場。舞台袖から現れたGOODWARPの盟友『EMPTY KRAFT』とのダンスバトルを繰り広げたのちに最後は彼らを後ろに従え「細胞レベルで踊ろうよ」とブルゾンち○みネタを披露し歓声を浴びるというなんとも楽しい仕掛けも。「素晴らしく壮大な茶番劇、これが『エンターテインメント』だ」そう吉崎は高らかに公言し、ライヴも後半戦へとさらに加速する。「STAR SIGNAL」や「TROPHY」と言ったキラーチューンを盛り込みフロアも左右に身体を揺らし飛び跳ねた。

GOODWARPの盟友『EMPTY KRAFT』とのダンスバトル

「ライヴハウスには火種があって、隣にいる人から隣にいる人へ燃え移る。それがポップスの魔法だと思うし、僕らからの火種をぜひ受け取って帰って欲しい。」そう話した吉崎。この会場にいて、1つ分かったことがある。あたりを見渡すとツアーTシャツにうっすら汗を滲ませた人だけではなく、スーツ姿や、年齢層、男女様々なオーディエンスの姿だった。この光景はGOODWARPがこのフロアにいる全員の日常に溶け込んでいるということを象徴しているように思えた。

アンコールでは、腰痛によりドクターストップを受け療養していたDr.の有安が登壇。有安がこれからドラムを叩くと聞き、心配から「えぇーーー!」と複雑そうな声を上げるオーディエンスの反応に有安も笑い声をあげた。この声を聞いた瞬間、マイク1本立て男4人で囲みレコーディングしたという「Tonight is the night」の間奏部分を思い起こさせた。あの特徴的な笑い声は有安のものだったのか…。そんな気づきにほっこりとさせられた。

療養中のDr.の有安を交えた演奏シーン

そして
自主企画イベント「YOASOBI」の通算10回目となる開催を発表!
場所はここ代官山UNIT梅田Shangri-Laの2公演! 彼らはさらに進み続けることを宣言。

最後はメンバー全員で手をつなぎ深く一礼し、大きな拍手の中、集大成となるワンマンが終了した。

ライヴ後の集合写真

彼らの作る音楽のキラキラした部分は、人肌を感じる歌詞、胸を打つようなメロディは勿論のこと、メンバー同士の日常を垣間見るような優しい言葉の飛び交うMCや空気全てから生まれていた。そんな柔らかく丸みを帯びた言葉たちがGOODWARPにしか出せない音楽として人々に愛されていることは間違いない。ボブ・ディランの言葉が言語の壁により難解であっても、こんな身近な言葉でどこまでも連れて行ってくれる日本のポップスがあったのだ。この頼もしさや可能性が人々の心をつかんで離さないのだろう。心温まる最高のライヴだった。

過去作をチェック

僕とどうぞ / GOODWARP

“何気ない日々を踊ろう”日常を描いた、どこか懐かしくポップでダンサブルな楽曲!

FOCUS(24bit/88.2kHz) / GOODWARP

何気ない日々を踊ろう”6つの日常を描いた、どこか懐かしくポップでダンサブルなGOODWARP初の全国流通ミニアルバム

bravo!bravo!bravo!/ Sweet Darwin (通常盤)(24bit/88.2kHz) / GOODWARP

シーンを新たに色付ける要注目バンド、GOODWARPが鳴らす晴れやかな新感覚ポップナンバー&アニメ「うどんの国の金色毛鞠」EDテーマの初スローバラードを収録したDouble A Side EP

LIVE SCHEDULE

YOASOBI Vol.9
2017.06.16(金) @DAIKANYAMA UNIT
時間: OPEN 18:00 / START 18:30

YOASOBI Vol.10
2017.07.22(土) @UMEDA SHANGRI-LA
時間: OPEN 18:00 / START 18:30

>>more live information

PROFILE

GOODWARP

90‘sポップス、シティポップ、クラブミュージック等への愛着を感じさせるダンサブルなサウンドメイクの中に、温もりある日常ドラマを唄う4人組バンド。結成後すぐに「出れんの!?サマソニ!?2012」を勝ち抜き、その後も「MINAMI WHEEL」や 「COMIN‘KOBE」をはじめとする各地のイベントへ勢力的に出演。フロアには仕事帰りのOLから家族連れ、音楽好きの大人世代まで幅広い世代が集う。東京を拠点とする自主企画イベント「YOASOBI」では、2015年9月にVol.6を代官山UNITで開催。シンパシーを感じるバンドとともに規模を拡大し、ダンサブルにメロウな夜を揺らしている。作詩作曲のみならず、作品のアートワーク等も手掛けるVo.吉崎拓也が描く、どこか男臭くて遊び心のある歌詞とメロディーの世界観、そして人懐っこい歌声、ポップ且つハッピーグルーヴィーなバンドサウンドは老若男女の垣根を越えて心を軽やかに踊らせる。

GOODWARP HP

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GOODWARP、日本のポップスの頼もしさと可能性を見せたツアーファイナル
[LIVEREPORT]・2017年03月19日・【ライヴレポート】日本のポップスの頼もしさと可能性が見えた! GOODWARPツアーファイナル ふらっと立ち寄った本屋にはいく種類ものボブ・ディランについての本が平積みされていた。彼がノーベル文学賞をとったことは、彼を知らなくても事実として知っている人も少なくないだろう。彼の書く歌詞の世界観や深みは世界中の人々に評価され、受賞に至ったわけだが、やはり日本人である私たちは『母国語』として理解することはできないという言葉の壁を痛感させられる。歌詞の意訳や、翻訳というものもあくまで解釈の一端であり、彼の言葉全てを受け取るというものでもない。なんだかなあといった気持ちで本屋を後にし、代官山UNITへと向かった。ライヴハウス前にはGOODWARPのツアー千秋楽を心待ちにしているファンが長蛇の列を成していた。 テキスト : 宮尾茉実写真 : 後藤壮太郎 REPORT 2017年3月16日、時刻は19時半をすぎ、会場が暗くなりライトが照らせれると、ステージ上にはメンバーのシルエットが大きな幕に映し出された。「レイニー白書」が披露され幕が降りると電飾に身を包んだGOODWARPの姿が現れる。CD音源化されていないが彼らの
by 宮尾茉実
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