LIVE REPORT : 2017年3月15日(水)@高崎club FLEEZ
3月2日(木)、club Lizard YOKOHAMAでのワンマンを皮切りに、全国18箇所をめぐるツアー〈TOUR THE KIDS〉をスタートさせたSuchmos。
静岡、栃木、京都、岡山と、各地のゲストにGRAPEVINE、Yogee New Waves、D.A.N.を1組ずつ迎えライヴを行なってきた。そして3月15日(水)、GRAPEVINEを再びゲストに迎え、群馬県・高崎club FLEEZにてライヴを行なった。
冷え込んだ平日の夜、群馬駅から約10分くらい歩いた場所にある高崎club FLEEZ。ライヴハウスに降りる階段前にはチケットを手にいれることができなかったファンの姿もあり、この公演がどれだけプレミアムなものかを物語っていた。同時刻に行われている数多のライヴ会場のなかでここがどこよりも熱い。階段を降りていくと、そんな風が正面から吹いてきているように感じた。
定刻過ぎ。先に登場したのはGRAPEVINE。静かに登場し、じわりとアンサンブルで会場をサウンドで満たしていく。客席の観客は静かに身体を揺らしながら楽曲に聞き入ったり、クラップをしたり楽しんでいる。
「去年くらいにかっこいいバンド出てきたぞと偉そうに話していて、我々のライヴにお誘いしたら快く出てくれて。そして今回、対バン返ししていただいて。実力も、人気も、心遣いもできるSuchmos。ありがとう」
そんなMCを挟み、GRAPEVINEは約50分じっくりと演奏をしステージを後にした。
セットチェンジを経て、満を時してSuchmosのメンバーがステージに登場。
1曲目「A.G.I.T.」のイントロが鳴ると、客席からは男女問わず悲鳴にも近い大歓声が起こった。「高崎よろしく!! カモン DJ KCEE」というYONCEの掛け声で「YMM」を演奏すると、「高崎、今夜1番ノリノリでいこうぜ!! イエーイ!! イエーイ!! イエーイ!!」と畳み掛けるように煽り、「Miree」で〈終電で繰り出して 高崎でまって〉と歌えばさらに温度が上がっていく。
「高崎、暑いっすね!! 最高!! 群馬の名産品ってなんだろうと調べたんですけど… だるま!! だるま、いいよね。おじいちゃんが好きで集めてたんだよよね。あと、ラスク」と群馬の話を挟み、「高崎、好きですか? ローカルを愛して愛し続けよう。そういう曲をやります」と「PINKVIBES」へ。高崎club FLEEZでしか、この日にしか出すことのできないグルーヴをお客さんとともに作りあげていった。
「浜松と高崎、2公演でGRAPEVINE先輩にサポートしてもらったんですけど、今日もそこ(ステージ脇)で見ていたんですけどビビりましたね。めちゃめちゃかっこよかったです。最高でした。最高の先輩がツアーに来てくれて、後輩のところに来てくれるのがすげえ嬉しいです。ありがとうございます。というわけで、すでにいい旅を俺たちはしてきているんだけど、来週からはワンマン・ライヴが各地であるので、そこに向かってみなさんの力をもらって、このツアーを成功に収めたいと思っています。いい旅をしよう!」
そんなMCを挟み後半戦に突入。「FLEEZなのにあちい!! 暑いから、めちゃめちゃかっこいい新曲やるぜ」といって激しいアンサンブルのイントロで幕をあける新曲を披露。止まることなくSuchmosの楽曲を立て続けに演奏していき、あっという間に本編は幕を閉じた。
アンコールの拍手に迎え入れられて登場したSuchmos。YONCEが「高崎で1番でかいところどこ?」と客席に問いかけると「高崎アリーナ」という返答が。「いい響きだ。みんなのサポートが必要です。よろしく」。そういって、アンコール楽曲を始めた。
「いいサッカーチームには、いい監督とスタッフ、もちろん選手も大事なんだけど、いいサポーターが1番大事なんですよ。みなさんのことです。これからもSuchmosをよろしく。今日仲良くなったみんなに俺たちの地元の曲をやって帰ります」
そんな言葉とともに「Pacific」を演奏し、高崎club FLEEZでのライヴは幕を閉じた。
ツアー初日のclub Lizard YOKOHAMAに比べて、演奏面でのサウンドのまとまりを感じるとともに、お客さんとともに会場のバイブスを一気に高めていくような一夜だった。約500人のお客さんたちが音に乗って自由に揺れている姿を見て、この会場で体を動かさないころほど難しいことはないだろうと感じた。こんなに自然と身体が動くバイブスに溢れたライヴが、この先も日本各地で行われていくと考えるとワクワクする。そんなことを感じる素敵な夜だった。
LIVE SCHEDULE
Suchmos<TOUR THE KIDS>
2017年3月2日(木)@神奈川県 club Lizard YOKOHAMA
2017年3月5日(日)@静岡県 LiveHouse 浜松 窓枠
2017年3月8日(水)@栃木県 HEAVEN'S ROCK Utsunomiya VJ-2
2017年3月10日(金)@京都府 KYOTO MUSE
2017年3月11日(土)@岡山県 YEBISU YA PRO
2017年3月15日(水)@群馬県 高崎club FLEEZ
2017年3月17日(金)@新潟県 新潟LOTS
2017年3月18日(土)@石川県 金沢EIGHT HALL
2017年3月26日(日)@北海道 札幌PENNY LANE24
2017年4月1日(土)@宮城県 Rensa
2017年4月7日(金)@広島県 広島CLUB QUATTRO
2017年4月9日(日)@福岡県 BEAT STATION
2017年4月13日(木)@大阪府 なんば Hatch
2017年4月15日(土)@大阪府 なんば Hatch
2017年4月16日(日)@愛知県 DIAMOND HALL
2017年4月18日(火)@愛知県 DIAMOND HALL
2017年4月22日(土)@東京都 恵比寿ザ・ガーデンホール
2017年4月23日(日)@東京都 恵比寿ザ・ガーデンホール
2017年4月26日(水)@新木場STUDIO COAST
Suchmos TOUR THE KIDS “EXTRA SHOW”
2017年4月27日(木)@新木場STUDIO COAST
※全公演SOLD OUT
PROFILE
2013年1月結成。ROCK、JAZZ、HIP HOP などブラックミュージックにインスパイアされたSuchmos。メンバー全員神奈川育ち。Vo.YONCEは湘南・茅ヶ崎生まれ、レペゼン茅ヶ崎。都内ライヴハウス、神奈川・湘南のイベントを中心に活動。バンド名の由来は、スキャットのパイオニア、ルイ・アームストロングの愛称サッチモからパイオニアとなるべく引用。普段からバイブスを共有していた、YONCE(Vo)、HSU(Ba)、OK(Dr)、TAIKING(Gt)、KCEE(Dj)、TAIHEI(Key)の6人グループ。