2016/09/15 17:00

Someday's Gone、CAR10やsaidなどおもしろくなる北関東シーンのニューカマーが鳴らす音とは?

アルバム収録の3曲をフル公開

レーベル Niw! Records  発売日 2016/09/21

01. 02. 03. 04. 05. 06. 07. 08. 09. 10. 11. 12.

※ 曲番をクリックすると試聴できます。

期間 : 9月13日(火)正午12時〜9月21日(水)0時
フル試聴対象楽曲 : M1「Say No More」 / M3「Keep Calm」 / M6「She won't forget.」
上記以外は45秒間の試聴です。

栃木県宇都宮市を拠点に活動する3ピース・バンドSomeday's Gone。ベースレスという変則的なメンバー構成の彼らは、ライヴではMacを用いた打ち込み(!)でベースを補い、ギターと並行して器用にシンセまでこなす超現代的なバンドである。2015年に結成し、会場・通販のみで販売している2作はほぼ完売、そして2015年のRECORD STORE DAYでリリースした7inchに至っては初の全国流通でありながら、300 枚が即完売するなど、北関東の音楽シーンでいま注目の存在だ。そんな彼らが1stアルバム『Smdy'sGn』を9月21日にリリースする。

特筆すべきは、気づけば口ずさんでしまうほどに耳に残るメロディの秀逸さだ。ポップで清涼感があり、心地よい。シンプルな展開や語感の良い英語の歌詞がそんなメロディを引き立てていて、まさにグッドミュージック! とはいえ、Someday's GoneはSuchmosやAwesome City Clubのような、スタイリッシュなメロディのバンドではない。

例えば、彼らの代表曲でもある「Say No More」やエモいヴォーカルが気持ちよい「Don't know anyone.」、疾走感溢れる「Snapback」。彼らの楽曲はどれも一貫して、まだ成熟していない、発展途上であるが故の荒削り感や青臭さがひしひしと感じられる。彼らのメロディはパワーポップやギターポップを主軸としているが、聴いているとメロコアを聴いている時と同じくらい、もしくはそれ以上に拳を突き上げて一緒に歌いたい衝動に駆られるのだ。ポップ・センスが弾けるメロディや、ニシヤシュン(Gt.Vo.Syn)のエモーショナルなヴォーカル、そして初期衝動のような青臭さ。これらが化学反応を起こすことでこんなにも胸が熱くなり、心が突き動かされるとは。

最近は技術が高く、複雑な展開や演奏で魅せるバンドが多く見られる中で、Someday's Goneの音楽は、潔いまでに展開も演奏もシンプルだ。しかし、そうした潔さが先述のような親しみやすさを生み出しているようにも感じられる。素直なメロディだからこそ、老若男女問わず人々の心にスッと入り込み、胸を熱くさせるのだ。いつの時代も人々の心に受け入れられるのは、実は彼らのような音楽なのではないだろうか。だからこそ、彼らには北関東という枠を飛び越えて活躍してほしいし、それだけのポテンシャルがあるはずだ。そんな荒削りながらも卓越したポップ・センスを垣間見ることができる『Smdy'sGn』。心地よいポップ・ミュージックが好きな人にも、メロコアが好きな人にもお薦めの1枚だ。(text by 齊藤幸)

PROFILE

2015年結成。栃木県宇都宮を活動拠点とするカリフォルニア的3ピース・バンド。バンド名の由来は、The All-American Rejectsのアルバム『kids in the Street』の1曲目「Someday’s Gone」からとっている。グッドメロディを主軸にエモ・インディロックからワールド・ミュージックまで幅広いジャンルをリスペクトしたサウンドは圧巻。2015年に初のミニ・アルバム『Someday’s Gone』をリリース。取扱店では品切れを続出させてじわじわと話題になり、いま最も気になるバンドとして挙げられている。ROCKIN'ON JAPAN が主催する"RO69JACK"に選考通過(2015)、2016年のRECORD STORE DAYは初の全国盤も好調ななか、9月、待望の1stアルバム『Smdy'sGn』をリリースする。

>>Someday’s Gone オフィシャル・サイト

[レヴュー] Someday's Gone

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