結成20周年マーガレットズロース、6年ぶりの8thアルバム『まったく最高の日だった』をリリース！
今年で結成20周年を迎えたロック・バンド、マーガレットズロース。誰もが日々のくらしで抱きながらも、なかなか言葉に出来ない感情を簡単な言葉でご機嫌なロックンロールに乗せて歌い続け20年。積極的に全国各地をツアーで飛び回り、ツアー・バンドとしての立ち位置を確立してきたマーガレットズロースであったが、3.11以降、一時的に活動が停滞。そんな状況を乗り越えてリリースされた6年ぶりとなる8thアルバムのタイトルは、『まったく最高の日だった』。OTOTOYでは本作をハイレゾ配信するとともに、レヴューをお届けしよう。
マーガレットズロース / まったく最高の日だった(24bit/48kHz)
【Track List】
01. EAGLE
02. 僕には数えられない
03. 1996
04. 魔法をかけてあげる
05. たのしいロックンロール
06. 奇跡が起きなくて
07. はるかぜ
08. さよなら東京
09. 斜陽
10. 五七五
11. 何も考えられない
12. うその地球儀
【配信形態 / 価格】
24bit/48kHz WAV / ALAC / FLAC / AAC
単曲 378円(税込) / アルバム 3,240円(税込)
「『まったく最高の日」までの道のり
「奇跡が起きなくて / よかった」(「奇跡が起きなくて」より)── スピーカーから飛び出してきたのは、ひねくれているようで、まったく正しく思える一節だった。
マーガレットズロースが、前作から6年ぶりとなる8thアルバム『まったく最高の日だった』をリリースした。マーガレットズロースは、1996年に早稲田大学の音楽サークルで結成され、2001年にCDデビュー。これまでに7作のアルバムをリリースしている。ツアーを積極的に行い、全国各地のライブハウスでライブを重ねる他、主催イベント『世界が変わる』では、過去にフラワーカンパニーズや曽我部恵一BAND、トモフスキーというメンツとの共演も経験。自主レーベル〈OFFON RECORD〉も設立し、ロック・バンドとしての確固たる立ち位置を築いてきた。
しかし、3･11をきっかけにヴォーカルの平井正也が熊本へ移住。それ以降一時は活動ペースがゆるやかになってしまっていた。しかし、2014年に彼らがルーツに挙げる遠藤賢司が熊本にライブで訪問。平井はそこで遠藤と共演し、音楽に対する熱量を再確認。マーガレットズロースらしからぬ停滞期間に終止符を打ち、再び音楽に専念することを決意。結成20周年となる今年、ついに8thアルバム『まったく最高の日だった』を完成させた。
“あたりまえの生活”と”たのしいロックンロール”
アルバムを再生すると、真っ先に気づくのはそのサウンドの生々しさである。ただ耳だけで感じるのではなく、身体全体が思わずその臨場感に震える。また、彼らのルーツでもある60’sブリティッシュ・ビートの影響が色濃く出ている「EAGLE」「僕には数えられない」や、ハード・ロック的なアプローチでギターが光る「たのしいロックンロール」「五七五」、世紀末的な世界観を軽やかに歌う「うその地球儀」、13年の時を経て再録された代表曲「斜陽」など全12の収録曲もバラエティに富んでいる。
その中でも、やはり注目したいのは平井の綴る歌詞世界の絶妙なバランス感だ。全編にわたって、本作の制作の後押しとなった遠藤賢司からの影響──平凡でパーソナルな歌詞世界が感じられる。しかし、より平易なことばで紡がれる”あたりまえの生活”。そして、そのバランス感こそがマーガレットズロースをポピュラリティのあるロック・バンドたらしめるのだ。日常に寄り添いながら”たのしいロックンロール”を鳴らしていながらも、どこかそこに今の生活に対する寂しさや諦めも感じられる。でも、そんな日常こそ”まったく最高”なのかもしれないし、たぶん、”最高だね”って言いながらくらしていくのが2016年なんだろう。
文 : 寺島 和貴
写真 : 宇宙大使☆スターさん(ライヴ写真除く)
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サニーデイ・サービス / 東京
こちらリリース20周年のリマスタリング盤。現在の彼らと同様〈MIDI〉からリリースされていた名盤、こちらも日本語ロックのマスターピース。
PROFILE
マーガレットズロース
1996年、平井正也(vo, gt)、岡野大輔(ba)、粕谷裕一(dr)を中心に早稲田大学の音楽サークルで結成。何度かのメンバーの出入りがあった後、2010年ごろからサポートとして参加していた熱海裕司（gt）も正式加入し、４人組のロックバンドに。2001年に『雛菊とみつばち』でCDデビュー。3.11以降、平井が熊本に転居して以降、活動が停滞ぎみであったが、満を持して2016年8月に結成20周年を祝う6年ぶりの8thアルバム『まったく最高の日だった』をリリース。
