2015/10/09 07:47

【主催者対談】関西屈指のD.I.Yフェスティバル!

〈ボロフェスタ2015〉〈生活2015〉の魅力を語り尽くす!!

今年で14年目を迎えた、オーバーグラウンド、アンダーグラウンドの垣根を超えた、カオティックなブッキングの京都名物音楽フェス〈ボロフェスタ〉、そして奈良を拠点に活動しているロック・バンド、LOSTAGEによる、2010年からはじまったインディー・フェス〈生活〉。関西を代表する2つのD.I.Yフェスティバルが今年も開催!! 今回、各フェスの主催者である飯田仁一郎(Limited Express (has gone?))とLOSTAGEのベース・ヴォーカルである五味岳久との対談を公開! 独自の刺激と興奮を作りだす両フェスの魅力に触れ、そして〈ボロフェスタ2015〉〈生活2015〉に行ってみたくなっちゃってください!!!

ボロフェスタ2015



日時 : 2015年10月23日(金)、24日(土)、25日(日)
会場 : 京都KBSホール / METRO
チケット :
大前夜祭券[23日(金)] : 前3,400円
1日券[24日(土) or25日(日)] : 4,800円
2日券[24日(土) or25日(日)] : 8,900円
3日券[2日通し券+大前夜祭] : 11,900円
vol.夜露死苦券(24日/METRO) : 2,700円

【出演アーティスト】

〈10月23日(金)〉大前夜祭@京都KBSホール
渋さ知らズオーケストラ / ゆるめるモ! / Nabowa

〈10月24日(土)〉@京都KBSホール
在日ファンク / 奇妙礼太郎トラベルスイング楽団 / パスピエ / トクマルシューゴ / neco眠る / シャムキャッツ / 黒猫チェルシー / フレデリック / Yogee New Waves / Homecomings / ミライスカート / Brian the Sun / DOTAMA / 平賀さち枝 / noid / トリプルファイヤー / おやすみホログラム / Seuss / SATORI / Pygtant!! / Noise and milk / プププランド / ヤングパーソンクラブ / Baa Baa Blacksheeps / ミノウラヒロキマジックショー

〈10月25日(日)〉@京都KBSホール
くるり / フラワーカンパニーズ / OGRE YOU ASSHOLE / I Am Robot And Proud(CANADA) / キュウソネコカミ / ゆーきゃん / 清 竜人25 / 水曜日のカンパネラ / BiSH / NATURE DANGER GANG / 夜の本気ダンス / my letter / ボギー / 長谷川健一 / 中村佳穂 / ONIGAWARA / ワンダフルボーイズ / NOT WONK / FLUID / ニーハオ! / THE FULL TEENZ / メシアと人人 / Amia Calva / 花泥棒

〈10月25日(日)〉@京都METRO VOL.夜露死苦
never young beach / Limited Express (has gone?) / Have a Nice Day! / せのしすたぁ / Sugar’s Campaign / okadada / HALFBY / CLUB80’s / mogran’BAR / mogran’BAR feat. DOTAMA

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LOSTAGE presents〈生活2015〉

初の関東開催!

日時 : 2015年10月17日(土)、18日(日)
会場 : 茨城県スペースU古河
チケット :
1日券 : 4,700円
2日券 : 8,600円

【出演アーティスト】

〈10月17日(土)〉
LOSTAGE / GEZAN / HUSKING BEE / Ropes / オオルタイチ with VJ SphinkS / キセル

〈10月18日(日)〉
LOSTAGE / KING BROTHERS / OGRE YOU ASSHOLE / SHORTSTRAW / TADZIO / 快速東京

出店(両日)
THROAT RECORDS / FLAKE RECORDS / LIKE A FOOL RECORDS / RR / R食堂 / ねいろ屋 / ドラヤキワダヤ / LIFE SHOP

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【対談】飯田仁一郎×五味岳久

今年で14年目を迎える京都のDIYフェス、ボロフェスタ。主催者のひとり、飯田仁一郎(Limited Express (has gone?))は、自身のバンドやOTOTOYでの仕事をこなしながら、京都に根付いたこのフェスをいかに続けていくかを考えはじめています。対して、今年で5年目(正確には4回目)を迎えるフェス〈生活〉を主催するLOSTAGEのベース・ヴォーカル、五味岳久。LOSTAGEの活動はもちろん、地元の奈良県にてレーベル兼レコード・ショップ「THROAT RECORDS」も経営しているなか、新しいフェスの形を模索しています。今回はそんな、音楽活動と生活が地続きになっているふたりによる、フェス対談を開催。それぞれの主催フェスの立ち位置や考え方、そして最近のフェスについて思うことなど、落ち着きつつも熱のこもった様子をお伝えします。

聞き手&文 : 梶原綾乃
写真 : 関口史彦

いかに非現実にするかということ

飯田仁一郎(Limited Express (has gone?)、五味岳久(LOSTAGE)

——まず最初に、〈生活〉はどう始まったんですか?

五味岳久(以下、五味) : 2010年に始めたんですけど、LOSTAGEは3人組の新体制になって再出発というときでした。レーベル(THROAT RECORDS)を立ち上げたりとかもして。そのときにTwitterが流行し始めて、SNSの恩恵を受けたんですよね。僕も似顔絵のtwitterアイコンを書いたり(註 : 1)していて、その動きをひとつ結実させたいという思いから始まりました。最初は「フェスを作ってこういうことをしたい」みたいな明確なものがあったわけではないです。

(註 : 1 通称「五味アイコン」(上画像)。 五味岳久が知り合いのバンドやカメラマンの似顔絵を描き、被写体本人がtwitterのアイコンとして使用するという現象が起きていた。アイコンを集めた展覧会なども開催された)

飯田仁一郎(以下、飯田) : そうなんだ! 似顔絵も関係あるんですね。
五味 : めちゃめちゃあります。だから最初のイベントのTシャツとかは、似顔絵をレイアウトしたデザインにしていて。人間関係が目にみえてわかる感じが面白いなと思って。

——なるほど。〈生活〉のブッキングは、関係性のある人から選ぶんですね。

五味 : 毎回、直接つながりのある人にしています。ライヴやツアーで一緒になったとか、1年間での出会いが集約されたメンツにしていて。1回出演してくれたアーティストは2度呼ばないルールにしているので、どんどんブッキングしにくくなっていますけどね。
飯田 : ええ~それ大変ですね!!
五味 : その条件で呼びたい人を探すとなると、普段からバンドやライヴを意識してみるじゃないですか。それはそれで楽しい。まあ、いつまで続くかわかんないですけど(笑)。

——〈生活〉への出演は1回限りなんですね。全てつながりのあるバンドを呼ぶということですが、旬のアーティストとかは呼ばないんですか?

五味 : 「こいつら今旬だから呼ぼう」とかはしていないです。ほんまにやりたい人とやりたい。あんまり仕事っぽくやってないし、規模を大きくしていきたいとかは考えてないです。

〈生活2011〉の様子

——なるほど。一方、ボロフェスタのブッキングはどうですか?

飯田 : ボロフェスタのブッキングにはLimited Express (has gone?)の活動で出会ったアーティストも出ているけれど、自分が思う旬のアーティストも、世の中的に旬じゃないアーティストたちも出演します。
五味 : 今年も、ボロフェスタっぽいラインナップだと思います。フェスの名前を隠してラインナップだけみても、「これ、ボロフェスタじゃない?」って思いますもん(笑)。
飯田 : それこそ14年かけて築き上げたボロフェスタ感ですね。お客さんに「こんなバンドいたんだ」「こんなアイドルいたんだ」と思わせながら、統一感を出してる。

——確かにボロフェスタ感、ありますよね。先ほど五味さんは「仕事っぽくしていない」とおっしゃっていましたが、ボロフェスタはそのあたりどうですか?

飯田 : 全然ビジネス極めてへんよ! 去年100万円の赤字出してどうしようかと思ってるんやで(笑)。
五味 : あ、そうなんですか。そんだけ多くの人が出てたら儲からないですよね。
飯田 : それならアーティスト3つだけに絞るとか、誰かのワンマンにした方がよっぽど儲かりますよ。今年は即チケット完売するかと思ったらそうでもないし。お客さん、チケットを買うのが遅くなりましたしね。

——ああ! わかります。それに、大型フェスのソールドアウトも少なくなった気がします。最近のフェスってどう思いますか?

五味 : 僕は野外フェスの「フェス感」ってものがあまり好きじゃないんですよね。僕の一方的な考えですけど、出る側としても、音はよくないし散らばるし、いいイメージがない。フェスとして楽しみに来ているお客さんの道具として扱われている感じがしますよね。僕らを観に来てくれていないというか。

五味岳久(LOSTAGE)

——フェスという空間を楽しみに来ているだけで、音楽を楽しんでいない?

五味 : 聴こえてくるとは思うんで、楽しんではいるんでしょうけど、僕のライヴのみかたとは全然違うなと思います。僕は、音楽って閉ざされた空間で聴くものだと思ってるんですよ。飯田さんは普段仕事とかでフェス行きます?
飯田 : この前BAYCAMPに街の底(from eastern youth)を観にいったんですよ。でもラインナップをみて、「俺らならここにNATURE DANGER GANG入れるよね」とか、「会場外のステージにアイドルを入れるよね」とか思うんですよ。それぞれのフェスが良いとか悪いではなくて、フェスにどうしてもちょっと飽きちゃっているから、ボロフェスタでは、自分の飽きないフェスを作っている感覚かな。
五味 : 飽きている、むっちゃわかります。さっきも言った通り、〈生活〉は好きなバンドとか、自分が盛り上がるバンドといっしょにやれたらいいと思ってはじめたんですけど、やっぱり飽きてきた。もっと別の目的があればいいな、そうじゃなきゃ開催をやめてもいいなと思ったんですよ。いわゆる商業フェスって、毎年同じ場所、同じ規模で型が決まっているじゃないですか。それが日本全国に無数にあるなかで、自分がそれをやる必要があるのか? と思って。
飯田 : ボロフェスタは逆かな。俺らのときにはサマーソニックとフジロックしかなかった。「フェスってなに? めちゃ祝祭感があるなあ!」と思ってて。それで、俺たちでもできるんじゃないかなと思って始めた。原点は五味さんと同じで、ライヴ・ハウスで起こっていることの延長ではあるけど、それをいかに非現実にするかということだから。ルーツは同じだけど、〈生活〉とは出し方は違うなと思ったかな。

ボロフェスタ2014でのHomecomings

スタッフの笑顔とか、お客さんの「今年も来たよ」って声を聞くためにやってるんだ

——ボロフェスタはフェスが少ないなかで立ち上げたフェスだけど、〈生活〉はフェスが過多な時代に生まれたフェスだということですね。

五味 : 時代というか。10年違うとやっぱり背景も違ってきますよね。だから場所が変わるフェスってあまりないし、それなら場所が変わってもいいんじゃないかと思いましたね。大きなフェスをやってる人たちにはできないことがあると思うんです。

——確かに今年の〈生活〉は関東(茨城県・スペースU古河)で開催ですよね。

五味 : 今まではずっと大阪のSTUDIO PARTITA (名村造船所跡地)でやってたんですけど、茨城県にはPAの杉田くんの働いている会社と、その会社が管理しているスペースがあって。地元の若いバンドがライヴやったりするのに、そこに杉田くんの会社の音響設備持ち込んで、「高校生バンド大会」みたいな企画をたまにやっているって聞いて、アツいなと思って。地元を盛り上げるために、僕らも手伝えることがあったら手伝いたいって話になったんです。去年の〈生活〉が終わってから、「次回もSTUDIO PARTITAでやるんやろな」とは思ってたんですけど、茨城で一回僕らの企画をやりたいと思って。

——それは新たな目的もあり、面白いですね。〈生活〉は今年で5年目とのことですが、今までどうでしたか?

五味 : 毎回チームワークに苦労してますね。人に任せたりとか、連携するのが苦手な性格なんですよ。自分のやれる範囲は自分でやってしまうんで、結局自分のキャパを超えてしまって、疲れて終わるんです。打ち上げに残りのメンバー参加してないですし。
飯田 : え~!!
五味 : ブッキングは相談するけど、僕が軸となっているんです。メンバーはそこまで運営に関わってなくて。そのへん、メンバーや周りともっと協力してレベルアップしていきたいなと思っていますよ。
飯田 : でも俺も5年目くらいで、バンドのメンバーを運営チームに入れるのはやめました。
五味 : 向き不向きってありますよね。それ、すごい実感しています。
飯田 : そうなんですよ。やりたいメンバーだけ集めたら、結構やりやすくなった。あと思ったのは、最初の5年目くらいまでは、自分たちのためにボロフェスタをやってたんですよ。でも5年もやってると、スタッフの笑顔とか、お客さんの「今年も来たよ」って声を聞くためにやってるんだって考えになった。

飯田仁一郎(Limited Express (has gone?))

五味 : 仕切っている人たちは変わってないんですか?
飯田 : 変わってないんですよ。最初の10年くらいは「俺らが主催をやめたことで、ボロフェスタが終わっちゃっても別にいいじゃん」って思ってた。でも今は俺らがいなくなっても続いてほしいなあと思っている。もし、そんなフェスが出来たら、本当にかっこいいと思ってます。

「わけわからんなあこれ」って思うイベントは面白い

——続いていってほしいですね。そんなボロフェスタの今まで大変だった点は?

飯田 : いっぱいあるけど、特に「ライヴ・イベントだけでおさまってはいけない」って思ってます。去年でいうと、漁港っていうバンドに出演してもらうだけじゃなくて、漁港をサーフボードに乗せて、それを担いで街を練り歩いてもらってから登場するとか。最近、仕掛け大事だなと思って。
五味 : 飛び道具じゃないですか(笑)。
飯田 : そう。バンドの演奏はもちろん最高なんだし、その仕掛けでフェスの雰囲気をさらにあげることができるんです。そう考えると、最後まで気が抜けない。最後に流すエンドロールを観て「ほんとにいいフェスだったね」って思ってもらえるまで、どう創るかをずっと考えています。

ボロフェスタ2014の様子

——なるほど。〈生活〉はどうですか?

五味 : 〈生活〉の場合は、ドラゴンボールの「天下一武道会」みたいなものですよ。出演するバンド全てが競って、どのバンドが一番カッコイイか、みたいなフェスにしたい気持ちがあります。そうやってお客さんがライヴをみる集中力の限界がこのサイズ感だと思うんですよ。全7バンド、みんなででかい神輿を担ぐというよりは、全員主役みたいな感じで出てくれるフェスを目指しています。

——これ以上アクトを増やすとお客さんの集中力がもたないと。

五味 : 日常生活において、1日にそんなに長い時間いろんな音楽を聴くことはないと思うんです。そんな状況があっても、ぜんぶ聴けてるのかな? って思っちゃうんですよね。長い時間いろんな音楽を聴けるのがフェスのいいところだとは思うんですけど、非日常感がありすぎるんですよ。僕がひねくれているのかもしれないですけど。
飯田 : だって〈生活〉ってタイトルですもんね。それをまさに表しているなと。

——なるほど、ライヴは〈生活〉そのものなんですね。

五味 : ほんまに僕の理想っていうのは、仕事とか、金曜の夜に「面白そうなライヴがあるから行こうか」って友達とライヴみにいって、帰りに居酒屋で感想を言い合う感じが最高だと思うんです。そういう雰囲気を持ったライヴをでっかい会場でやりたい。仕事とか生活とかと地続きになっていってほしい。今回は初めてやる場所なんで、まだどうなるかわからないですけど、この未完成な感じを是非みに来てほしいですね。

〈生活2011〉の様子

——わかりました。最後に〈生活〉の展望を教えてください。

五味 : 僕が心に残っているイベントがあって。2008年に山形で開催された「do it 2008」ってイベント、リミエキも出ていましたよね。廃墟みたいな場所で、すごい数のバンドが集まって。スタッフも地元のボランティアがやっているものでした。ごちゃごちゃしていて、建物も壊れそうだったんですけど、そのフェスの熱量とか、音楽を楽しみに来ているお客さんの感じにすごい印象を受けて。「do it 2008」のように、ライヴ・ハウスにない感覚や熱量が出せたらいいなと思います。
飯田 : 「do it 2008」は今でも思い出します。いいイベントですよね。
五味 : 「わけわからんなあこれ」って思うイベントは面白いじゃないですか。〈生活〉もそういうフェスになっていきたいなって思いますね。

〈ボロフェスタ〉23、24日出演アーティストの作品はこちら

〈ボロフェスタ〉25日(日)出演アーティストの作品はこちら

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〈生活 2015〉出演アーティストの作品はこちら

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