2015/08/31 16:53

いまのインディーズ・シーン、注目はバンドだけじゃない。4MCのラップ・クルーJABBA DA HUTT FOOTBALL CLUB独占音源配信!!

"ミュージシャンの、ミュージシャンによる、ミュージシャンのための、著作権フリーのインターネット踏み台レーベル"と掲げるネット・レーベル、OMAKE CLUB。2014年にTOKYO HEALTH CLUB、2015年には中小企業と、抜群のセンスでスパイスのきいた音を鳴らすヒップホップ・グループを輩出し注目が集まるなか、さらに逸材を投入! 4MC NO DJのラップ・クルー、JABBA DA HUTT FOOTBALL CLUBがこの夏デビューした。

7月リリースのデビュー・アルバム『QUEST』は、WEEKENDの泉水マサチェリーやAlaska Jamの森心言を迎えたほか、DJ / プロデューサーYOSAのリミックスも収録した全14曲で破格の500円! 続けて同アルバムから「Revenge For Summer Part.2」のryo takahashi(CBS)、%C(HOOLIGANZ)、そしてレーベルメイトの小山秀一郎(中小企業)のリミックスを収録したE.P.を8月中旬にリリース。そこにさらに!! 今回、OTOTOYではインタヴューを行うとともに、メンバーそれぞれのソロを収録した『Space Debris #00』をOTOTOY限定配信することが決定した。インタヴューでは『QUEST』の話を中心に、一癖も二癖もあるメンバー4人の真面目な部分もチャーミングな部分もまるっとつめてお届けする。

JABBA DA HUTT FOOTBALL CLUB / QUEST
【Track List】
01. YARN / 02. PANNA DONNA -QUEST MIX- / 03. WALKIN' / 04. distance / 05. お菓子の国 - 詫び 'n' サビ MIX- / 06. SKIT -Monster- / 07. STEREO RIOT feat. 森心言 from Alaska Jam / 08. Revenge For Summer Part.2 / 09. INTER -STELLAR- LUDE / 10. やっと / 11. Cara Delevingne / 12. Do What You Want? - 君は意味不明 - feat. 泉水マサチェリー from WEEKEND / 13. II PAUSE / 14. 君の街まで -YOSA REMIX-

【配信形態】
WAV / ALAC / FLAC : 単曲 200円(税込) / アルバム 500円(税込)
AAC / MP3 : 単曲 150円(税込) / アルバム 450円(税込)

>>こちらもお見逃しなく!! 豪華リミキサー陣参加による『Revenge For Summer Part.2 E.P.』
OTOTOY独占配信!! メンバーのソロを収録

JABBA DA HUTT FOOTBALL CLUB / Space Debris #00
【Track List】
01. BPM REVOLUTION(BAOBAB MC)
02. DAY IN THE LIFE(NOLOV)
03. JDHFC(ASHTRAY)
04. 羊を蹴飛ばす(ROVIN)

【配信形態 / 価格】
WAV / ALAC / FLAC : 単曲 200円(税込) / アルバム 600円(税込)
AAC / MP3 : 単曲 150円(税込) / アルバム 400円(税込)

INTERVIEW : JABBA DA HUTT FOOTBALL CLUB

Ykiki BeatYogee New Wavesへの好意をリリックに落としこむラップ・グループ。それだけで、JABBA DA HUTT FOOTBALL CLUBが興味を持つに値する稀有なアクトであることはおわかりいただけるだろう。もちろんインディ・シーンとの交流だけでなく、本拠地であるヒップホップの場においても、彼らは着々と存在感を高めているようだ。菊地一谷 a.k.a. QN、ZEN-LA-ROCK、SEX山口、CBSなど、近年シーンの起爆剤となっているアクトと共演。先日おこなわれた今アルバム『QUEST』のリリース・パーティにおいても、溢れかえるほどのB-BOY/B-GIRLが集結。確かなプロップスを受けていることを実感できた。

この4人組の魅力は、なにより各MCのキャラクターの立ちっぷりだ。筋肉質のがっしりした体型と抜群のカリスマ性で自然とグループのフロントに立つNOLOV。ふくよかな身体から発せられる野太い声からセクシーなファルセットまで変幻自在のBAOBAB MC。1番の小柄ながら、高音域のラップと俊敏なパフォーマンスが五感に残るROVIN。そして、すっきりとした目鼻立ち、スマートなシルエットでクールにキメるASHTRAY。見た目も声質も異なる4人がステージに並んでマイクをとる、その立ち姿だけで、特別な華があるのだ。

今回のインタヴューでは、彼らそれぞれのキャラクターへと焦点を当てることを心がけた。OTOTOY配信のみとなるボーナス音源に収録された各々のソロもあわせて、各ラッパーの鮮やかな色分けをお楽しみいただきたい。

インタヴュー&文 : 田中亮太
写真 : Cho Ongo

前作でキャラが立ってるって評価をいただいてたので、各々の掘り下げを図ってます

——最初はNOLOVさんとBAOBAB MCさんの2人組だったそうですね。ASHTRAYさんとROVINさんが加入して今の編成になったのはいつからなのでしょう?

NOLOV : 去年ですね。もともと繋がりはあったんですけど、4人セットになったのは去年の6月くらい。

——では、ASHTRAYさんとROVINさんが加入することでグループに起きた化学反応を教えてください。

BAOBAB MC : 明らかに方向は転換しましたね。2人のときは、自分たちはそんなに巧くないって自覚があって。

NOLOV : 自分たちのラップはこれくらいのレベルだよねって。

BAOBAB MC : 良いラップをすごい聴いてきちゃったあげく、自分たちがそこに到達してないのもわかってた。おまけに機材もそんなに良くない。それを肯定したうえで、でもやるんだよ感を出したところがあった。でも、新たに加わった2人は、ばしっとキマるところはキメる。だから、ちゃんとできますよって方向にはふれていくべきだなと。

NOLOV : いい転換ができたとは思いますね。僕ら当初は悪ふざけしかしてなかったし、ちゃんとライヴとかするつもりもなかった。

BAOBAB MC : ただ、最初の2人での作品『Galaxxxy E.P.』の時点で、多少反響があったのが、自信にはなったんです。こうでもいいんだって。プラス彼らが入ったことでその自信がより強固になり。

NOLOV

——最初のEP後の反響とは?

BAOBAB MC : 単純にいろんなライヴに呼ばれるようになって。

NOLOV : 友達のGroves.ってバンドの企画で、DYGL、Yogee New Wavesと共演して、そこで初めてライブして音源も売ったんですよ。そのライヴを見たり、音源を聴いたりで、おもしろいんで出てくださいみたいなお誘いを受けるようになって。

NOLOV : で、その時期この3人(NOLOV、ASHTRAY、ROVIN)でも平行してやってたから、もう抱き合わせで出ようよって。で、どんどん4人で出てくうちに、もう4人で固まったほうがシンプルでわかりやすいよねって。

——3人のユニットはJABBAとは少しラインが違ったんですか?

NOLOV : 違いましたねー。ゴリゴリのヒップホップでした。

ROVIN : Jay-Zの『Blueprint 3』のボツネタになったトラックに乗せてやったりとか。

NOLOV : Tyler the Creatorのビートをいくつか編集して作ったりとか。

——4人編成になったことで。周囲からの評価に変化はありましたか?

BAOBAB MC : 好意的でしたね。単純に声の幅がひろいので、客観的に見てもおもしろいだろうなと。

ROVIN : 見た目もそうで、「ジャバは良いよね、いろんな体型がいて」って言われたり(笑)。

——今回のアルバム『QUEST』ですが、過去2作のEPと意識的に差別化を図ったポイントはありますか?

BAOBAB MC : 初の4人作品となった『STAR LORD E.P.』の続きって意識のほうがありますね。あれで受けた評価をフィードバックして少し広げようかって。さらに僕らをどう見せるかっていう。

NOLOV : 名刺代わりになるような1枚にしようってのは意識しました。

BAOBAB MC : 単純に4人の個性をいっそう出すっていう。前作でキャラが立ってるって評価をいただいてたので、各々の掘り下げを図ってます。

NOLOV : それぞれ自分はこういう考えなんだよってのをしっかり打ち出してますね。

BAOBAB MC

ラップ・ミージックをしつつ、バンドシーンとも繋がってる不思議なところにいて

——なるほど。じゃあこのインタヴューでは、1人1人のキャラクターをより引き出していきたいです。今回の作品で4人それぞれが特に気に入っているパンチラインは?

NOLOV : うーん、なんだろうな。特に好きな曲は明確にあって、もともと僕が超好きだったWEEKENDの泉水マサチェリーさんが参加してくれた「Do What You Want? -君は意味不明」。曲自体、女性ってわからねーなってテーマですけど、僕の女性に対しての思いが全て出てる気がして。曲もマイクリレー感がかっこいい。ただ、ラインはそんなに意識してないですね。自分で「これパンチラインでしょ?」ってのはあんまなくて。他のメンバーのラインで「これ好き!」ってのはあるんですけど。

——あ、じゃあそれをぜひ教えてほしいです!

NOLOV : ROVINので言えば、

彼女好きなのはYkiki Beatに Yogee New Waves
うん、それは大丈夫 俺も好き
今度やるんだイベント遊びにこねぇかな?
いつもよりお洒落してステージに上がるから (M4「distance」)

が1番好きで。僕らの立ち位置を1番うまく示してるラインだと思います。僕らは、ラップ・ミージックをしつつ、バンドシーンとも繋がってる不思議なところにいて。ヒップホップのリスナーもバンドのリスナーも、どこか手の届かないところにいるというか、いつも片想いしてる面はあるよねと。そこがYkiki、Yogeeって近くてわかりやすい対象で表現しているところにグッときた。で、「それは大丈夫 俺も好き」ってのに切な! って。

BAOBAB MC : そちら側にはいないほうの人間だから。

NOLOV : そうそう、しかもそれを彼が言うってのがおもしろいなって。僕とかBAOBABとかが言っても、そういうスタンスの人間だからそうだろで終わっちゃうんですけど、聴いたらわかるようにROVINは基本イケイケなんですよ。いつもはオレオレオレっていう人間がそういうことを言うってのがめちゃグッときちゃった。

BAOBAB MC : 「エモ!」みたいなね。

NOLOV : そうだよなって自分たちでも思える。

ROVIN

——じゃあ、ROVINさん本人では、自分のラインで特に気に入ってるものは?

ROVIN : 「君の街まで -YOSA REMIX-」の1番最初ですね。

ワッサ! 調子はどう皆の衆
俺ら JABBA DAハッとさせちゃうよなクルー
端から君と君と君と君
とかじゃ無く踊りたいんだ君と (M13「君の街まで -YOSA REMIX-」)

このラインはノリで思いついたんですけど、この曲は俺とASHTRAYが入ってすぐに作った曲。ジャバでの俺の立ち位置ってどうなんだろうってまだ考えてた時期でもあって。そのタイミングで"君の街まで"を作るときに、「ROVINが一番手でしょ」って言われて、よしやってやろうって。で、「これが俺だ!」みたいな。エンジンをかけれる曲になりましたね。ライヴでも今キーとなってる。すげえ気合はいるし楽しくなる。

BAOBAB MC : まさにって感じでしたね。ドヤ~って。やらはりますなって。多少不安もあったのが雲が晴れるようだった。彼の高い声とオレオレオレと主張するキャラが見事にはまって。

ROVIN : 単純に馬鹿っぽい言い方にはなりますけど、声自体が目立つじゃないですか? グループのなかで「なんだこいつ?」みたいな。自分の声を活かすなかで自然とそうなったと思う。

もはや世界的な共通認識だと思うんですね。現実が1番綺麗でかっこいいっていうのは

——じゃあ、ASHTRAYさんは?

ASHTRAY : 「PAUSE」の4小節ですね。

元気でやってる? そっか
あいつも行ったよ どっか
いつ戻るかも知らないし
もしくは離れてったの俺の方かも (M14「PAUSE」)

不自然でなく、話し言葉で踏めてて。体言止めで踏むラップも好きなんですけど、話すような言葉、一般に使う言葉で踏めたのに良いなって思いました。文章で見ても不自然じゃないし。

NOLOV : 俺、ASHTRAYのラインで好きなのあったよ。

LEFT RIGHT 確認 風が手伝い
巻き直す自分のぜんまい
ポッケにタバコそれと飯代
隣に後悔 手繋いでる (M3「WALIN'」)

BAOBAB MC : とても詩的な表現。

NOLOV : めっちゃ良いと思った。かっこいい。さらっとキザなんですよね。彼らしい。表面的に俺を見ろとかっこいいぜとかいうタイプじゃないんですけど、かっこよさを忍ばせてくるみたいな。

ROVIN : 忍ばせがちだよね。

NOLOV : 結局、俺でしょっていう。本人の感じが出てるんですよ。4人でいる時も3人はひたすらボケ続けるんですけど、最後に彼がもっていくんですよ。

ASHTRAY

——では、最後にBAOBAB MCさんのラインでは?

NOLOV : BAOBABは引用が巧いんですよね。

耳震わした吐息も 遠い記憶
もう一度…? 俺ひとり。
夏の星座にぶら下がっちゃって
まだ花火は上がらない Ah… (M8「Revenge For Summer Part.2」)

引用の仕方がお洒落だなと思ってて。思いっきり引用してもいいところを、気づく人は気付くし、気づかない人は気づかないってBAOBABテイストのさじ加減なんですよね。サンプリングまんまじゃなくて、ちゃんとお洒落にしてる。

BAOBAB MC : ラップで1番憧れたところがそこで。人のを自分のテイストで歌っちゃっていい。本歌取りじゃないですけど。DABOさんが「PEACE TWIGY 俺もいらねえぜ弁護」って言ってもいいみたいな。

「Revenge For Summer Part.2」MV
「Revenge For Summer Part.2」MV

NOLOV : さっきの"花火"もですけど、いろいろなジャンルから引っ張ってきたり、ヒップホップからも引っ張ってきたり、ほんとにおもしろいんですよね。

BAOBAB MC : 正直それが最初にやろうとしてた悪ふざけの延長で。怒らせそうだけどやってみるっていう。でも、伝えたいところだからっていう

ASHTRAY : 青いね(笑)。

——BAOBABさん的に自分のラインで気に入っているものは?

BAOBAB MC : 「君の街まで」の

ONE MICで客沸かしビジネス
もし可能ならば嗜むって意味で
そうじゃなくても楽しむの先で
ベストヒッマジで 目指すような感じ (M13「君の街まで -YOSA REMIX」)

個人的にはこれが1番の考えなんですよ。マイク一本でできることで、金が稼げたり、自分が楽しめたりするなら1番良いじゃないって。松本人志も漫才はマイク1本でできるって言ってて、それをNasの「One Mic」とかけてるんです。あと、ラップを書くときには言いたくなる言葉を書きたいとも思ってて。このあたりのラインは、実際に言ったときにおもしろい。言ってるときに口が気持ちよくなる。口のリビドーを開放してますね。

——いわゆる勃起するポイントですね。

一同 : (爆笑)。

BAOBAB MC : そうですね。1番のエレクト・ポイント。

ASHTRAY : でも、言ってたことはわかるんですよ。ライヴとかでもかぶせたくなる。

——フリーな魅力のあるグループのなかで、禁じ手になっていることはありますか?

BAOBAB MC : みんなが気をつけてるのは、たぶんですけど日常会話の延長で言っている感じにはしたいんじゃないかなと。まったく異世界の人がこの世界を教えてやるよってラップしてるんじゃなくて、生活のなかの話をしている。

NOLOV : 嘘はついてないですね。本人がほんとはやってないことをラップにするとかはないです。

——「Walkin」に「歩いて探し出す俺らのリラックス」とありますが、追い込み過ぎない、あくまで楽しさを追求しながら、クリエイティヴへと昇華するスタンスを持っているのかなと思いました。グループにとって平熱の温度であることは重要でしょうか?

BAOBAB MC : そうですね。とても現実的。と言うより、現実しかないことに気づいてしまったじゃないですか、ここ何年の間に。たとえば2011年から。目の前にあることが大事であることにみんな気づいている。そこで、全然違うところの話を持ってきたときにそれを語るだけの力はないことは、自分でも恥ずかしいくらいにかっこ悪いことだと思っていて。それはもはや世界的な共通認識だと思うんですね。現実が1番綺麗でかっこいいっていうのは。自分のタイミングで生きていけることが1番大事なんじゃないかって思ってますね。

RECOMMEND

TOKYO HEALTH CLUB / HEALTHY

多摩美術大学出身の同級生、TSUBAME、JYAJIE、DULLBOY、SIKK-Oの4人組ヒップホップ・グループ、TOKYO HEALTH CLUBのセカンド・アルバム。ゆるさとひねくれ具合が心地よい。ミュージック・ビデオにもなった都会の新たなアンセム「CITYGIRL」も収録。

中小企業 / COOKIE

中山信一(Illust & MC)と小山秀一郎(Art Direction & Track Make)からなるユニット、中小企業。「“リラックス”をメインテーマに掲げ活動。」のとおりムーディーで洗練されたトラックに脱力感のあるラップを前にして肩肘張る必要はどこにもない。TOKYO HEALTH CLUBのメンバーからSIKK-Oがフューチャリング、TSUBAMEがリミックスを手がけた曲を含む全10曲入りのデビュー作。

LIVE INFORMATION

FRIENDS
2015年9月4日(金)@中目黒solfa
GUEST LIVE : JABBA DA HUTT FOOTBALL CLUB
GUEST DJ : TASAKA / DJ KAZZ(V) / TAGAWAMAN (INAZUMA!!!!!!!!)
DJ : MASAYASU / TSUBAME / tsune23 / PELLYCOLO / KAMEKAWA / pinoco(Natasha)

PROFILE

JABBA DA HUTT FOOTBALL CLUB

2014年結成。遥か彼方の銀河系で… ROVIN、ASHTRAY、BAOBAB MC、NOLOVのキャラ立ち4本マイクからなるジャバザハッとさせちゃうようなクルー。今日もどこかで、わるふざけ。

>>JABBA DA HUTT FOOTBALL CLUB Twitter
>>OMAKE CLUB Official HP

[インタヴュー] JABBA DA FOOTBALL CLUB

TOP