ゆるめるモ! メンバーINTERVIEW② : あの
ブリッツも本当は立ちたくなかったんですよ
ーー赤坂BLITZ直前に都内3ヶ所で行なったゲリラ広報活動、いま振り返ってみてどうですか?
あの : はじめて新橋に行ったんですけどサラリーマンばっかりでした。だから応援してみました。フレッフレ。
ーーあの時って活動休止中だったんですよね。ブリッツ前に新宿MARZで行なったuchuu,さんとの対バンには出てましたよね?
あの : あの時が最後です。あの時色々あってきつくなっちゃって、uchuu,さんとのコラボは出れなくて。他のスタッフさんに「そんなんじゃ出れないでしょ」って止められてたんですけど、直前までアナウンスとかしてなかったから出なきゃと思って出たんですけど、やっぱ完璧なものができない感じがあってすごくイヤだった。
ーー自分の体調とかモチベーションがあまりよくなかった?
あの : 体調とか気分が落ちてました。その前からずっと、今年に入ってから、ライヴがきついというか、しんどかった。普段から気持ちの浮き沈みがかなり激しいんですけど、今年に入ってから、ほとんどずっと気持ちが下がっていて。メンバーにも自分の思ってることとか言えないんですけど、友達もいないから、自分の中だけで溜めたり抱え込みやすくて。今までそれが当たり前だったけどそれがなんかね、ちょっと抱え込めなくなったから、ライヴには立てないですって。
ーーステージに立ちたいんだけど立てないみないなジレンマがあった?
あの : そうですね。極端なんです。その場しのぎみたいなことができなかったりするから、両極端なのかなって思う。自分でもダメだなって思います。
ーー他のインタヴューとか読んでも、わりと自分を責めちゃうみたいなことは言ってますよね。
あの : 最近は特にそうかもしれないです。ひとつできないとイヤなんですよ。ひとつできないだけで自分の全てがダメだって思う。自分にやってる意味があるのかなっていう感じのライヴが自分の中で続いていて。
ーーだからブリッツ前、1回活動休止して体調を整えようと。
あの : 休止したんですけど、映画の撮影が何日間に渡ってあって全然休めなかった。みんなが主役なんですけど、1人だけ特殊な役で、雨にうたれながら倒れたり過酷なシーンが多くて、休養中なのになにこれ? って感じだった(笑)けど逃げることができない環境はぼくにとって良い環境でもあったと思う。逆に撮影には集中できました。
ーーそれでも、ブリッツに向けて自分のモチベーションを上げていこうとしていた?
あの : 上げてかなきゃって感じだったんですけど、上がらなかったし、ずっと沈んでたから表に立ちたくなくて。家から出たくない。でも家にも帰りたくないと思う日もあって、夜とかもさまよっていたときもありました。そのときの意識はほとんど飛んでてよく自分でもわからないけど、今思い返すと普通に駅員さんとかおまわりさんとかに囲まれました。「大丈夫ですか?」ってすごく頻繁に言われるんですよ。そういうのもむかつくっていうか、なんで知らない人に大丈夫ですかって言われなきゃいけないのって。みんなと対等になれない感覚が改めてハッキリ見えちゃう感じ。
ーー結局ブリッツの時は立て直せたんですか?
あの : うーん。
田家 : その前に名古屋・大阪のツアーで久しぶりに出てね。
あの : 名古屋・大阪は、本番はやれたんですけど終わって家に帰るとすぐ元の状態に戻るし、ブリッツも本当は立ちたくなかったんですよ。5日前とか4日前とかまではそんな気持ちでいました。
ーーゲネプロの時もそういう感じだった?
あの : ゲネの日は、体調もだし気持ちがどうしても下がっちゃってて寝れてなかったです。体が震えたり、耳鳴りとか吐き気がひどくて、ゲネプロの日も家に帰ってない。前日の夜、1人でどっか行ってた(笑)。今初めて言うんですけど、何事もないようにやってました。
ーーゲネプロの前日に、メンバー含めて全員で話し合いをしたんですよね?
あの : 話し合いというか呼ばれて。外出たくないのになーと思いながら行ったんですけど、その時もたしか1番最初にその部屋から抜けて、そのまんま家に帰れなかった。
田家 : 行方不明になっちゃって…。
あの : 行方不明(笑)。頻繁ではないけど、あるんですよ。メンバーもたぶん知らないかもしれないんですけど。
ーーゲネで、バンド・メンバーと合わせて歌ってみて、気持ちが変わったりとかはしませんでしたか?
あの : 久々に生音を聴いて単純にすごいなって思いました。楽器とか、音とか。普段はあまり思わないけど、そういう時に聴くと、すごいなとちょっと思ったりした。自分のギターの練習もしなきゃなって思った(笑)。
田家 : ゲネの時点で演奏がすさまじかったので、あの音を聴いたら理屈を超えてあーって気持ちが高揚したのはあったと思います。これなら成功するだろうし、がんばらなくちゃなって僕も思いました。
自分自身が消えてもいいってくらいのライヴじゃないと絶対にイヤだった
ーーそこからの1週間っていうのはどうやって過ごしたんですか?
あの : そこからはレッスンが続いたんで、体調とか気分とかいろいろあったんですけど、とりあえずブリッツだけを考えようと思い集中はしました…。
田家 : 1回タワレコ新宿店のインストアを挟んだんですよ。
あの : そうだ、それもあった。出れる状況ではなかったんですけど、出たんですよね。活動休止してる訳なんだけど、ファンの人が待ってるとか出てって言ってくれて直前まで悩んでたから発表が遅くなっちゃって、自分が遅かったのにグループのせいになっちゃっていたからイヤだったし、じゃあ出るから絶対見に来てって思って。でも自分の気持ちが整ってないとライヴがちゃんとできなくて、ボロボロだったんですよ。見せられるものではなくて。それで、その時もライヴの後走って逃げちゃいましたね。泣きながら。
田家 : 渋谷疾走の頃からそういう時にあのちゃんを1人にしちゃいけないっていうのは学んだので、その時はどこまでも追いかけて行きました。目撃したファンとかもいっぱいいると思うんで、すごい心配をかけたと思うんですけど。
ーーブリッツまではあと3日という状況で、どういう気持ちでいたか覚えてますか?
あの : ちょっともう無理だって。
ーー当日ブリッツに行くまでの気持ちはどうだったんですか?
あの : 頭がぼーっとしていました。ブリッツに着いて、すぐチェキ撮影があって。いっぱい来てくれて嬉しかったし、大丈夫かもなって思った。雰囲気的にファンの人は不安だったと思うんですけど。
ーー人が集まってるところを見て気持ちを持ち直した?
あの : 今日のライヴでゆるめるモ! のライヴは良い意味でもう見なくていいってなるくらい、自分自身が消えてもいいってくらいのライヴじゃないと絶対にイヤだったから。ライヴを見てもらわないと分からないこととか多いと思うんですけど、お金払って来てくれたし、普通にやろうって思った。
ーー「ライヴに来ないとわからない」ってMCでも言ってましたよね。
あの : インターネットは便利なんですけど、めんどくさいし1年前ぐらいから嫌いになった。誹謗中傷は普段全く気にしないけどスルースキルがない時もあって。そうゆう時はすごく腹立つこともあるし、傷つくこともある。ライヴを観に来てくれた人は、グループにとっても嬉しいことを言ってくれるし、ライヴでしか感じ取れないものがあるからだと思う。
ーーそういうライヴの場に2ヶ月ちょっと出れなかったていうのは辛いことでもあったと思います。特にあのちゃんへの期待も高いっていうのもあるだろうし。
あの : うーん…(笑)。
田家 : ネットでいろいろ言われたりして、プレッシャーというか責任感とかが大きかったと思うんですよ。
あの : 逆の意見もあるんですけどね、いなくてもいいみたいな。だけど出なきゃって感覚でした。最初言ったように今年に入ってから精神的に落ちてたんですけど、出なきゃって感覚でライヴに出ていて、結局自分が潰れたって感じ。
田家 : 端から見ていても完全に潰れていて。そこまでプレッシャーをかけないで、休むことも必要だよっていう感じで、半ば強制的に休業させましたね。
ーー実際ブリッツで1200人の前に立って、最初に言ってたのが「ここで馬鹿にならなきゃいつ馬鹿になるんだよ」ってことで。あれは、自然に出た言葉なんですか?
あの : 自己紹介プラス一言言わなきゃいけない流れだったから咄嗟に出た感じ(笑)。
どんな気持ちでやればいいんだよって
ーー実際、始まってからはどうだったんですか?
あの : やっぱりリキッドルーム以上に景色がすごかった。人があんなに埋まると思ってなかったからびっくりした。
ーーブリッツの時のメンバー間のモチベーションだとかっていうのはどうでした?
あの : みんなテンションは上がっていたと思います。普通に和やかな感じはありました。でも、(もねとちーぼうが)活動休止するのを知っていたから、最後の方はとりあえずこの6人は一区切りなんだなと思って。それで「逃げろ!!」を歌ったから、言葉に表せない何かがあった感じがした。
ーーそれって言葉にするの難しいと思うんですけど、どんな感じだったんですか。
あの : どんな気持ちでやればいいんだよって思った。笑えないっていうか。でも逆に笑ってやろうって思ったし、「逃げろ!!」を笑って歌う、そういう意地みたいなのがあった気がする。2人が活動休止するっていうのを聞く前、自分もブリッツに立てないと思っていて、辞めようかな… ってくらいまで来てたんですよ。このままずっと活動休止しようかなとか、いろいろ迷ってる時にその話が来ちゃって、言えなくなっちゃったというか。ここで言ったら終わり感があるなって。もちろん3人でもいけると思うんですけど、とりあえず言えなくなっちゃって。だから辞めたい気持ちはあったんですけど、その話が来て続けざるをえなくなったって感じで、混乱しちゃって。
田家 : あのちゃんの中では今ステージに立つのがきついし、辞めるまでにいかないにしても、ブリッツ後もしばらく休止することは考えてたんですよね。
あの : ほとんどそうしようと思っていたから。けど、その話が来て、ここでなーと思って。
ーーかなりギリギリな状況の中でブリッツに臨んだわけですね。
あの : だから、あれは奇跡というか、よくあそこに6人全員で立てたなってレベルで。
田家 : それほど危機的状況でしたね。ちーぼうもブリッツ前は体調不良でライヴを休むことが多かったんですけど、あの日ステージに上がってやりきって。
ーーお客として見てる限りは全然そんなふうになっているとは感じなかったです。
あの : 見せないですもん(笑)。
田家 : そこはプロというか、自覚が出てきたし、成長したってとこですね。
ーーあのちゃん的に、ブリッツの出来はどうだったんですか?
あの : んー、正直あんまり覚えてないんですよね。でも褒めてくれる人が多かったから、よかったのかなって思うけど、客観的に見れてないからなんとも言えない部分があります。
ーーZepp DiverCityでやるっていうのは事前には知っていた?
あの : いや、あの時知りました。
ーー発表を訊いてどう思いました?
あの : えー、内心あんまり驚かなかった。最初、「冬」って表示されたからカウントダウン・ジャパンか!! と思って「え!」みたいになったけど、あ、Zeppかって(笑)。けど、Zeppも立ちたいねって話が出たこともあったから、嬉しかった。
ーー田家さんはあえて直前には言わなかったんですね?
田家 : そうですね。たぶんサプライズでみんなで共有した方がストーリーが始まるのをお客さんと共有できるかなと思って。ステージ・サプライズってあんまりやったことなかったんで、映像付きでちょっとやってみたいなと思ってやりました。
誰でも言える言葉よりライヴの時の一瞬一瞬で何かが生まれる
ーーこれからしばらく4人体制で活動が続いていくわけですが、あのさんはTwitterでは何も触れてないけど、どう思ってますか?
あの : 自分の気持ちとかをTwitterとかで言いたくない。
田家 : 誤解する人がどうしても出てきちゃうというか、最近叩かれることも増えてしまい、参っちゃってるところがあるので。 今後心配なのは普通のライヴっていうか、あれだけのライヴをブリッツでしちゃったんで、若干みんなプチ燃え尽き症候群みたいなところがあるからどう立てなおすか。
あの : 実際「4人じゃやばくね?」みたいな意見が多いと思うんですよ。2人も休んで大丈夫なの? って。けど「別に余裕だけど」って思う(笑)。
ーーあのちゃんは、ネットでゆるめるモ! の募集を見て、最初は軽い気持ちで応募したそうですけど、活動を続けてきて意識は変わったりしましたか。
あの : 最初はリハビリ感覚だったけど若干変わった。アイドルは辛かったらやめちゃえばいいじゃんって話なんですけど、2年くらい続いてる。他のグループだったらとっくに辞めてるはずなんだけど、ゆるめるモ! だから… というより田家さんがいるから、なんとかやれてる。田家さんが強くゆるめるモ! に誘ってくれたし、田家さんはすごいですよね。尊敬してる人とかあんまりいないんですけど、田家さんは尊敬まで行かないけど(笑)、なんかそういう感じの。… 合うんですよ、話してても。合わない時もあるけど、たまに合うんですよ。だから続けられてるのかなって。この先続けられないかもしれないですけど(笑)。
ーー今後のスケジュールもいろいろ詰まってそうですし、これはダイバーシティまで休む暇なさそうですよ。
あの : まず休まず健康になれるようにします(笑)。
ーーあのちゃんも、体調管理がより大切になってきますね。寝れない、食べれないって状態が続くとぼーっとしちゃうんじゃないですか?
あの : めっちゃぼーっとしてますね。頭回らない。寝ないからかな。
ーー寝れないとか食べれないってところから抜け出したいって思うことはありますか?
あの : うーん、寝たい。
ーーあのちゃん的にゆるめるモ! でギター弾いたりしてるじゃないですか。音楽部分でもいろいろやってきたいっていう気持ちは大きいですか?
あの : ギターはそんな好きじゃないっていうか、難しいじゃないですか。でも楽しいから、もっとできるようになりたい。活動休止しちゃったことは申し訳ないけど、それでも赤坂ブリッツ、5月2日にぼくを待ってくれる人がいてありがとうと思った、これからもそうだったらいいな。
田家 : あのちゃんは感謝の気持ちを簡単に言葉にしないというか。だから伝わってない人がいるかもしれない。
あの : あんまりなんか…。
田家 : 言葉にすると軽くなっちゃう気がするのかな?
あの : そういうわけではないんですけど、なんか違うかなって感じが。
田家 : 僕から見てもすごく感謝の気持ちを持ってる子だし。
あの : いやー、そんなことない(笑)。
田家 : ファンの人たちが待ってくれるから頑張ろうっていう気持ちも絶対あるので、ぼくからもファンの人たちには感謝したいし。
ーーあのちゃんに、そういう思いがあるのは話してるとすごい分かりますよ。
あの : それこそ自分のためというより、ぼくのために時間とお金使って見に来てる人にそういう姿を見せたくないってそういうのもあったし、新宿MARZのuchuu,さんの時も本当は出ない方がよかったんですよ。気持ちが整ってなかったから。でもアナウンスもできてなくて「今日行きます」みたいなリプとかも来るし、その人たちのためにだけでも出ようと思って。それで自分が壊れてっていうのもすごくダサいんですけど、そういうことが多いかもなって。ほんとのファンの人ってすごい気を使ってくれるから。
田家 : どんな状態だとしてもそれを受け止めてくれるからね。
あの : このインタヴューでは普段は絶対出さない話しをしちゃってるんですけど、いつもは自己満でやりたいようにやってるんで何しててもあのちゃんなんです、それに頻繁に「ありがとう」とか「好きです」とかも言わないし、けどついてきてくれて。それが本当にありがとうと思う。誰でも簡単に言える言葉よりライヴとかの一瞬一瞬だと思う。ぼくにはみんなのこと安心させれる力が皆無なのに、ぼくのファンの人って変な人もたくさんいるけど、馴れ合いとか抜きで本当の意味での優しさをもってるなって(笑)。
取材&文 : 西澤裕郎
写真 : 雨宮透貴
>>>けちょんへのインタヴューはこちら
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【配信形態】 FLAC、ALAC、WAV(24bit/48kHz)、AAC
【配信価格】 まとめ価格 2,800円(税込)
【Track List】
1. ゆるトロ(slo-モ!)
2. manual of 東京 girl 現代史
3. ゆるめるモん
4. 難
5. あさだ
6. アーメン
7. 場viewer
8. ぺけぺけ
9. 眠たいCITY vs 読書日記
10. メルヘン
11. 波がない日
12. 虎よ
13. DO FUFU
14. 聞こえる
15. SWEET ESCAPE
16. たびのしたく
17. 1! 2! かんふー!
18. OO(ラブ)
19. スキヤキ
20. Hamidasumo!
21. なつ おん ぶる ー
22. 私の話、これでおしまい
23. 花のドイリー
24. べぜ~る
25. NNN
26. さよならばかちゃん
27. 逃げろ!!
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