ゆるめるモ! メンバーINTERVIEW① : けちょん
これを仕事にしていくのかな? みたいな迷いがずっとあったんです
ーー最初にお会いしたときに比べて、けちょんさん、綺麗になりましたよね。
けちょん : おー!!
ーー(笑)。けちょんさん自身、ゆるめるモ! に入って変わったなと思いますか?
けちょん : 変わったかな? あんまり変わってる気はしてなくて。
田家大知(ゆるめるモ! プロデューサー)(以下、田家) : 写真とか見ると、顔とか違うなって思うけど。
けちょん : 顔が柔らかくなった気がします(笑)。穏やかになった。
田家 : 前はもっと怖がってたよね。それがすごくよく笑うようになった。
ーー最初期のメンバーで残ってるのは、けちょんさんともねさんでしたっけ?
田家 : 最初期というと、けちょんだけなんですよ。もねは1ヶ月遅れて入ってるんで。TRASH-UP!! で結成ほぼ同時のタイミングで取材があったんですけど、そのとき立ち会ってくれたのもけちょんで。その後のライヴが終わってからもねが入って来たので、1回目のライヴを知ってるのはもはやけちょんだけ。あの4人のライヴから、こんなすごいことになってるっていうのを中で感じてきたのがけちょんなんです。
ーー結成当時、赤坂BLITZでワンマンをやって、Zepp DiverCityでもワンマンをやるってイメージは正直ありました?
けちょん : 全然なかったです。ずっと疑ってましたもん(笑)。だから、夢を見ているみたいです。
田家 : 不思議なんですよ。秋葉原の路上で声をかけて、あそこで会わなかったらこんなことにはなってないし。最初はけちょんもずっと疑っていて、僕がしつこくメールして無理やり顔合わせにひっぱりだしたんですけど、当時すごく迷ってて、1時間半くらい遅れてきたんだよね。
けちょん : 怖かったですもん。最初、外で集合だったじゃないですか? そのままどっか連れてかれちゃったらどうしようとか(笑)。
ーーそんな状態から、ゆるめるモ! でがんばろうと思ったのはいつくらいのことか覚えていますか?
けちょん : ここで頑張っていこうと思ったのは遅かったです。もともとアイドルに興味がなかったから、正直趣味くらいのイメージでやっていて…。だから1年くらい経った頃かな。
田家 : 結構遅いね(笑)。
けちょん : これを仕事にしていくのかな? みたいな迷いがずっとあったんです。
田家 : この前の生誕祭でも「辞めるつもりだった」って言ってたもんね。
ーー本気で辞めようと思っていたんですか?
けちょん : たぶん辞める勇気もなかったんですけど、普通に生活をしている方が幸せになれるのかなっていう気持ちになっていて。周りに大学を卒業して就職する子が多くて、それを見て「私、今これやってても大丈夫なのかな?」って不安になって。迷ってやってるってこともファンの方に申し訳ないと思い始めて、辞めようかなと思ったんです。
田家 : 1回辞めようと思って続けることを決意したけちょんは、ちょっと前より覚悟を決めたみたいなところはあるよね。
けちょん : 覚悟…。意識は変わりました。向上心が上がった。もっと歌が上手くなりたいし、ダンスも上手になりたいし、表現力を身につけたいなってすごく思う。
ーーそういう時に踏ん張れたっていうのはなんでだと思います?
けちょん : このまま(ゆるめるモ! が)なくなっちゃうのかなと考えたら悔しかったんです。お客さんがいなかったことも全然あるけど、ライヴしてるのが楽しかったから続けようと思ったっていうのもあります。楽しいっていう気持ちが伝わったら、みんなも楽しんでもらえるんだろうと思っていたから。今見てくれてる人は少ないけど、いつかきっと… と思いながら続けてこれました。
ーー続けようと思った要素として、お客さんがいてくれるっていうのは大きい?
けちょん : 大きいです。こんなに応援してくれてる人たちがいるのに、自分が辞めて悲しむ人たちがいるんだと考えたら更に悲しくなったから。
自分たちが辛いって思ってるのが超ばかばかしいなと思ったんです
ーーブリッツに向けてはどういう気持ちでいたんですか。
けちょん : えー、なんだろ。一番はワクワクでした。チケットがはけてないって言われて、どうしよう!? と思っていたけど、なるようになるっしょ!! と思ってやっていました。ヴォイトレを始めて上手になって成長した姿を見せたい気持ちがあったし、リキッドの時よりも立ち位置とか細かく決めて、前よりも全然意識が上がってたから。これでブリッツやるって考えたら超楽しみって思ってました。
ーー実際、ブリッツでのワンマンをやってみてどうでした?
けちょん : 一言で言えば、楽しかった(笑)。初めて見たって思うくらいたくさんの人がいて、成長していってるんだなって実感したし、体力もついたのかなって思いました。最後までやり切れた。興奮しすぎてあんまり覚えてないんですけど、あっという間でした。3時間くらいやっていたたけど、ほんの一瞬の出来事だった。
ーー15人のバンド・メンバーがいるっていうのも特別でしたよね。
けちょん : リキッドの時もバンドさんがいましたけど、特別感がすごかったですよね。わざわざ曲も覚えてくれて。生だからドラムロールの「どぅるどぅるどぅる〜じゃん!!」とかもみんなでできるし、「Hamidasumo!」のあのちゃんのギター・ソロも長くできたり、しふぉんがヴォコーダーで煽るところも長くできたりしたからよかったですね。
田家 : リキッドの時と比べて、みんな、バンドに全然負けてなかった。今まではバンドさんに演奏していただいてって感じだったんだけど、全く負けてないっていうか、みんながバンドを引っ張ってた。
けちょん : おーー嬉しい!!
ーー僕がブリッツ前、最後に見たライヴが新宿MARZでのuchuu,さんとの対バンだったんですけど、あれを見た時にブリッツ大丈夫かなって思ったんですよ。
けちょん : うーん、私も思いました(笑)。終わってからメンバーと話しましたもん。これはやばいと思って。
ーーどんなことを話したんですか?
けちょん : 歌詞が飛んだり、バラバラになってたので、しっかりしようって。
ーーといいつつ、そこからの2ヶ月間、映画の撮影とかもあってかなり忙しかったんですよね。
田家 : 逆に映画があのタイミングで入ってきてくれたことでよかったこともあるのかなと思って。映画ってレコーディングと違いますよね? レコーディングって作家の皆さんが作った楽曲をみんなが歌って、あとはエンジニアさんが頑張ってくれるみたいな感じがあるから、時間的にも短いし、最初から最後までみんなで頑張ったって感じがあんまりなくて。映画は、合宿してメンバーと長い時間いて、泊まってひとつのことやったんだよね。あの映画が終わった後みんなを見て、すごくたくましくなったと思った。顔つきが違うぞって。それはマネージャーも言っていて、スタッフさんが雨の中で濡れながらやってるのを見て、メンバーたちが泣き言なんて言ってられないみたいな感じで顔つきががーって変わりましたって話していて。それが最終日に出ていて、意識が高くなったような気がした。それがブリッツにも出たんじゃないかな?
けちょん : たしかに映画をやって、意識はみんな上がったと思います。
田家 : 自分たちのために動いてくれるスタッフさんが10何人もいる、ああいうのを見ると変わるよね。
けちょん : 自分たちが辛いって思ってるのが超ばかばかしいなと思ったんです。全然寝る時間もなかったんですけど、それ以上に関わってくれてる方々は寝てなくて。それでも機嫌が悪くなるとかないし、すごく気を遣ってくれて「大丈夫?」とか「寒いから入ってなよ」とか。私だったら絶対にツンツンしちゃうと思って。ツンツンっていうかピリピリか。だから、それを見て尊敬しました。
田家 : あれは接着剤みたいな効果をもたらしたと思います。そのぎゅーが、そのままブリッツでもぎゅーってなった気がします。
けちょん : うん。言われると、たしかにそんな気がします。
引っ張って行こうとはあんまり思わなくて、どちらかといったら土みたいな感じ
ーーブリッツ後、もねさんとちーぼうが活動をお休みすることを発表したじゃないですか。けちょんさんは、ブリッツのライヴ中に知っていたと思うんですけど、どういう気持ちでいたんですか?
けちょん : 2人がお休みしちゃうからこの瞬間を楽しもうとは思ってたけど、このステージをやっている中で早く戻ってきたいと思ってほしいと思っていました。絶対に楽しいから。Zeppも決まったし、途中で気持ちが変わらないかなって。
ーー言葉で説得するんじゃなくて、ライヴでもいい光景を一緒に感じて欲しいってことですよね。
けちょん : 言葉をそんなに上手に話せないって言ったら変ですけど、気持ちを伝えることが苦手だから。でも、そう決めたってことは自分の気持ちはまとまってるはずだから、感じ取ってもらうしかないのかなって思っていました。
ーー今までも活動休止だったり、卒業する子を送り出す経験をしてるわけじゃないですか。それを1番経験しているけちょんさんはどう思ってるのかなって。
けちょん : さびしいなと思うけど、やりたいことがあって全力でそっちをやるために休むとか辞めるっていう判断は正しいと思うんです。もちろん、ただ辞めたいだけっていう気持ちだったら怒りますけど(笑)。みんな理由はしっかりしてるから。
ーーそれは、けちょんさんが辞めなかったっていうのにも繋がってきますよね。ちなみにZeppでのワンマンは知らなかったんですよね?
けちょん : 知らなかったです。すっごくびっくりしました。あと、恐怖でしかなかった(笑)。Zepp DiverCityって画面に出た瞬間に「すごーい!」っていうのと、「何を言っているんだ!」と。しかも半年後って。わー!! っていうか絶叫しました(笑)。まだ夢かなって思ってるけど、早く動きたい。
田家 : ブリッツは早くの準備が成功に繋がったからね。前までは10あったら10全部を説明しなきゃいけなかったので、自分の中で考えがまとまるまでみんなに内容を説明してなかったりしていたんですけど、今はメンバーたちが自分たちで考えて動けるから、僕の中で2の段階でも投げると、メンバーの中で今できることはなんだろう? って準備をしてきてくれたりするから、そこはすごくやりやすくなりましたね。
ーーメンバーの中で1番付き合いが長いけちょんさんから見て、田家さんってどんな人ですか?
けちょん : 田家さん… メンバーに気を遣い過ぎている感じがある。あと、面白いことをいっぱい思いつく人(笑)。面白くて新しいことをやろうとしていて、体調を崩しそうで怖い人(笑)。でも優しい人ですね。
田家 : 時々不安がられる、優しすぎ、気を遣い過ぎだから、もっとガッとくればいいのにって言われます…。
けちょん : だってプロデューサーですよ!! 偉そうにしてほしいですよ。偉そうにしすぎられたらイライラしちゃうんですけど(笑)。もうちょっと喧嘩してもいいくらいの感じでいいかなって。
ーー田家さんと喧嘩したりとかあるんですか?
けちょん : ないです。田家さん優しいから。そうだよねって1回飲み込んでから言ってくれる。
田家 : 大人がその時の感情でばーんって言うのはよくないから、飲み込んで、それでも言った方がいいなって思ったらちゃんと落ち着いた言葉で言うし。
けちょん : ふふふ。わかった!! みんなに愛されてる人。一見奇抜過ぎて怖いけど、周りの大人の人たちが支えたくなる人。
田家 : ありがたいことです(照)。
ーーけちょんさんは、初期メンバーとして、自分が先頭に立って引っ張って行かなきゃっていう気持ちもあったりしますか?
けちょん : それはないです。引っ張って行こうとはあんまり思わなくて、どちらかといったら土みたいな感じ。土台っていうわけじゃないんですけど、縁の下の力持ちみたいな。そっと見守ってようっていうイメージが自分の中である。
田家 : たぶん、それはけちょんのやり方で引っ張って行ってるんだよね。そうやって土でいてくれるから、みんながすくすくお花になったり、チョウチョになったりしてるんだと思います。
ーーここからZeppに向けてどういうことをやっていきたいですか。
けちょん : 練習をしているときに指示してくれる人が欲しいかも。立ち位置とかもバミリを貼るけど、結局センターとかズレちゃうんですよね。ズレてますとか言ってくれる人が欲しい。あと、もっと早い段階から通しで練習したり、細かい振りとか揃えたいなって思う。歌ももっと上手になりたいし、バンドさんともっとコミュニケーションとりたいなって思います。一体感がもっとほしい。
田家 : それは音に出るからね。
けちょん : あとはなんだろ。何したらよくなるんですかね(笑)? でもゆるめるモ! にしかできないことをしたいなって思う。面白いことをしたいです。
ーーゆるめるモ! にいるからこそやってみたいことってありますか?
田家 : あ!! 前に西澤さんにインタヴューしてもらった時の記事を読み返したら、まだやりたいことやれてないって言っていたよね?
けちょん : あー… なんかそんなこと言った気がする!
田家 : あれは結局なんなんだったの(笑)?
けちょん : え、忘れちゃったー。
一同 : (笑)。
取材&文 : 西澤裕郎
写真 : 大橋祐樹
>>>あのへのインタヴューはこちら
赤坂BLITZでのワンマン・ライヴをOTOTOY独占ハイレゾ配信
ゆるめるモ! / 赤坂BLITZだよ! 全員ハミ出すモ!(24bit/48kHz)
【配信形態】 FLAC、ALAC、WAV(24bit/48kHz)、AAC
【配信価格】 まとめ価格 2,800円(税込)
【Track List】
1. ゆるトロ(slo-モ!)
2. manual of 東京 girl 現代史
3. ゆるめるモん
4. 難
5. あさだ
6. アーメン
7. 場viewer
8. ぺけぺけ
9. 眠たいCITY vs 読書日記
10. メルヘン
11. 波がない日
12. 虎よ
13. DO FUFU
14. 聞こえる
15. SWEET ESCAPE
16. たびのしたく
17. 1! 2! かんふー!
18. OO(ラブ)
19. スキヤキ
20. Hamidasumo!
21. なつ おん ぶる ー
22. 私の話、これでおしまい
23. 花のドイリー
24. べぜ~る
25. NNN
26. さよならばかちゃん
27. 逃げろ!!
※ご購入いただいたお客さまには赤坂BLITZでの豪華ライヴフォト特典がつきます。