2015/03/06 13:53

ついにきた"音ゲー"ハイレゾ!! "BEMANI"シリーズの人気コンポーザー、猫叉Masterの最新作!!

猫叉Master

"音ゲー"ブームの先駆けとして90年代後半に登場し、今なお高い人気を保つKONAMIの「beatmania」シリーズ。そんな"ビーマニ"の音楽を手掛けるコンポーザー、猫叉Masterこと佐藤直之が、最新作をハイレゾで配信開始した。アルバムには「beatmania IIDX」や「pop'n music」といったシリーズで使用された楽曲のリアレンジ版、さらには書き下ろしの新曲を収録。「妄想旅行」がコンセプトだという本作は、4つ打ちメインの疾走感に溢れるリズムと、どこかエキゾチックなメロディがたっぷりと堪能できる。

OTOTOYでは本作の配信開始にあわせて、猫叉Master本人のコメントを掲載。制作の経緯からハイレゾならではの苦労まで語ってもらった。ぜひ音源とあわせて楽しんでいただきたい。


コンセプトは妄想旅行
猫叉Masterの4thアルバムがハイレゾで登場!!

猫叉Master / follow slowly (24bit/96kHz)
【配信フォーマット】
ALAC/FLAC/WAV/AAC (24bit/96kHz)
※ファイル形式について詳しくはこちら

>>ハイレゾとは?

【価格】
3,200円(税込)(単曲は各500円)

【収録曲】
01. boundary line
02. chrono diver -fragment-
03. Following Flow
04. fallen leaves
05. Flying soda
06. TWINKLING other side edition
07. slowly
08. 猫侍の逆襲
09. envidia
10. Esperanza
11. アヴァロンの丘
12. Symmetry
13. Despair of ELFERIA
14. Element of SPADA
15. Scars of FAUNA
16. Time again
17. regression

※本音源は制作者の意図により24bit/96kHzで制作されておりますが、実測の結果24bit/44.1kHz〜48kHz程度となっております。

猫叉Masterからのコメントを掲載!!

今作は「妄想旅行」がコンセプト

普段、主に制作に携わっているのは、「BEMANI」シリーズという音楽ゲームのサウンドです。音楽に合わせてボタンを叩いたり身体を動かしたりするゲームが主で、僕は「beatmania IIDX」シリーズというゲームをメインに活動しています。他にも「REFLEC BEAT groovin'!!」「pop'n music ラピストリア」「jubeat saucer prop」といった音楽ゲームがあるのですが、それらのゲームにも多数楽曲を提供しておりまして、今回制作した音楽アルバムはそれらに収録された楽曲をロング・リアレンジしたヴァージョンと、描き下ろしのオリジナル曲で構成されています。

beatmania IIDX 22 PENDUAL

なので、前提として100%音楽の為の音楽作品ではなく、「音楽ゲーム」というフィールドが前提にある作品集なんです。ゲームに収録する際は「遊んでいて楽しい」「聴いていて心地よい」という2つの要素を軸にして制作していて、今作のアルバムの為にロング・リアレンジ・リミックスする際に、それらを「聴いていて心地よい」方向に大きく舵を切って制作を進めました。

ある程度ゲームに収録してきた楽曲が揃って、毎作「あ、これはそろそろひとつの形にできるな」という瞬間があって、誰かに言われるわけでもなく自分から「そろそろアルバム作りまーす」というノリで今作も制作をスタートしました。

『follow slowly』のジャケット

ゲーム・ミュージックの役割として「演出」があると思います。今作ではそんな原点に立ち返って「リスナーの日常を演出する作品」にしたいと思い、コンセプトを「妄想旅行」にしました。このアルバムを自分の日常に当てはめてもらってもいいですし、逆にアルバムで用意したテーマに自分を当てはめて、音楽と生活を同じ時間で捉えて毎日楽しく過ごしてもらえたら、という想いが詰まっています。

猫叉Master、初めてのハイレゾ配信

随分前に個人的に興味があって、自宅に比較的安価なSACDプレイヤーを購入して聴いていたのが、おそらく初めてのハイレゾ体験だったと思います。確か矢野顕子さんの『ピアノアキコ。』が初めて購入したSACDで、正直なところ当時は違いがよくわかりませんでした。

何度かSACDで聴き込んで、もともと持っていた通常版のCDをプレイバックしたときに、全体的に何か物足りなさを感じました。それまではCDで何の問題もなく聴いていた音楽だったので、軽くショックでした。

猫叉Masterの自宅プライヴェート・スタジオ

でも、物足りないからといってそれが「悪い」という印象ではなかったんですよね。ハイレゾ版にはハイレゾ版の、通常版には通常版の良さがそれぞれあって、現時点ではリスナーが好きな方を選択して聴いてくれればいいんじゃないかと思います。

ハイレゾはリスニングの環境が良ければ良いほどその威力を発揮するので、リスニング環境を突き詰める価値の高いフォーマットだと思います。

ハイレゾならではの苦労とは?

前述しましたが、もともと24bit/96kHzの前提で制作していないトラックを、半ば無理やりアップレートしたトラックもあったりして、一番大変だったのはミックスダウンです。うまく混ざらなかったり馴染まなかったり、何度かスタジオで奇声を上げてました。

最終的に24bit/96kHzに全曲をレコーディングしなおしてマスターを作りマスタリングまで行いました。ところが、一通り24bit/96kHzで作り終えていざCDフォーマット用に16bit/44.1KHzのデータを作ってみたら、これが全然別モノになってしまって上手くいかず、曲によってはCD用に再度ミックスから微調整しなおしたデータを用意してリマスタリングしました。アレンジしているときは全然気づかなかった細かいところが、ミックスの段になってどんどん気になってくるんです。あまり時間がなかったので、制作当初は同じデータで両フォーマット兼用にしようと考えていましたが、甘かったです。

制作に使われたKONAMIのスタジオ

そんな中で今回特にお世話になった機材は、NEVEの33609/Cと9098です。ほぼすべての曲に使用していて、ほとんど中毒でした。この機材がなかったら、多分ハイレゾの深い部分にズブズブと沈みこんでいたと思います。

購入者へのメッセージ

ハイレゾ音源を購入してくださった皆様、ありがとうございます。これからハイレゾの世界に入る方も、既に沢山聴いてるぜ、という方も、本作を心地よく聴いていただければ嬉しいです。

(text by 猫叉Master)

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PROFILE

猫叉Master
「実況パワフルプロ野球」シリーズをはじめ、「CODED ARMS」「Elebits」「FRONTIER GATE」といったコンシューマー・ソフトの音楽を手掛けるコンポーザー。現在はbeatnation Recordsのメンバーとして「BEMANI」シリーズへ楽曲を提供するほか、「beatmania IIDX」シリーズのオーディオ・ディレクターを務める。オーガニックからエレクトロニックまで幅広いジャンルを軸にしたサウンドと郷愁感のあるメロディには定評があり、これまでに『Raindrops』『Backdrops』『さよなら世界』『Crevice』『follow slowly』という5枚のオリジナル・アルバムをリリースしている。

>>猫叉Master Official Twitter

[レヴュー] 猫叉Master

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