2014/11/20 15:23

シーンの寵児が放つ2014年の重要作を、OTOTOYだけのハイレゾで!! 森は生きている、17分の壮大な組曲を含む2ndアルバム!!

鳴り物入りのデビューとなった処女作から1年、森は生きているが待望の2ndアルバムを発表した。彼らの深い音楽的見識を反映するように、今作はサイケデリック・ロック〜プログレッシヴ・ロック的な要素すらも取り込み、17分におよぶ壮大な組曲「煙夜の夢」をはじめ9曲を収録。各方面から絶賛されたデビュー作をさらに進化させたような内容となった。OTOTOYでは、そんな本作を24bit/48kHzのハイレゾで配信。音にこだわり続けてきた彼らならではの繊細なサウンド・プロダクションを、ついにCD以上の高音質で感じることができる(ハイレゾで買えるのはOTOTOYだけ!!)。森は生きているが思い描いていた音、それをリアルに体験するために、ハイレゾでじっくりと味わっていただきたい。シーンの寵児が放つ、2014年の重要作。レヴューとともにお楽しみください。


ハイレゾで聴けるのはOTOTOYだけ!!
いくつもの美意識が濃密に溶かし込まれた、森は生きているの新しい音楽世界

森は生きている / グッド・ナイト
【配信形態】
[左] ALAC/FLAC/WAV(24bit/48kHz)
[右] ALAC/FLAC/WAV(16bit/44.1kHz), mp3

【価格】
24bit/48kHz : 2,314円(税込)(単曲は各300円)
16bit/44.1kHz, mp3 : 1,846円(税込)(単曲は各205円)

【収録曲】
01. プレリュード
02. 影の問答
03. 磨硝子
04. 風の仕業
05. 痕跡地図
06. 気まぐれな朝
07. 煙夜の夢 (a.香水壜と少女 / b.空虚な自画像 / c.煙夜の夢(夜が固まる前))
08. 青磁色の空
09. グッド・ナイト

意識と無意識を行き交うような、幻夢的ポップスの大名盤

柔らかな弧を描き、やがて円になる。煙にぼやけて夢か現かわからぬ音像を揺蕩う——。森は生きているの2ndアルバム『グッド・ナイト』は、意識と無意識を行き交うような、幻夢的ポップスの大名盤だ。

前兆を意味する「プレリュード」からアルバムの幕は上がる。ギターの柔らかなアルペジオが鳴り響き、フルート、ヴィブラフォン、ペダルスティール、多重コーラスが彩りを加えたかと思えば、「影の問答」で場面は一転、タイトなドラミングと印象的なギター・フレーズが地を這い、薄膜を纏ったようなスモーキー・ヴォイスが漂う。昼下がりの太陽のように柔らかな明るさと少しの空虚さを孕んでいる「磨硝子」、アップ・テンポで音が戯れるように鳴らされる「風の仕業」、微睡む音像の中で鳴らされるハーモニカが印象的な「痕跡地図」からA面のラスト「気まぐれな朝」へと突入していく。「夢も同じことで不思議なままでいい」という歌詞で締められるこの曲は、本アルバムの真髄を突いている。世の中のことは大体具体的な数値や科学的根拠を以って解明されている。現代人の手元に収納される無機質な機械を叩けば大抵のことは解決できるだろう。しかし「不思議なこと」は我々に空想をもたらしてくれる。そんな空想のこそが、なんてことない日常の絵を彩る。

組曲「煙夜の夢」
組曲「煙夜の夢」

物語は17分にもおよぶダイナミックな組曲「煙夜の夢」で一気に高揚を迎える。「a.香水壜と少女」の煙を吐いたようなくぐもった音が紡ぎ出すサウンドスケープから覗く心象風景は夢か現か。そのまま煙を切り裂くようにプログレッシヴな「b.空虚な肖像画」へと滑るように突入し、その後の「c.煙夜の夢(夜が固まる前)」で聴衆は一気に夢の不思議が溶けた現実(それはいつもとほんの少し違うものだろう)へと引き戻されて、長尺の3部構成組曲は幕を閉じる。ペダルスティールとピアノが素朴で情緒的な風景に奥行きを与える「青磁色の空」から、心理的恍惚を伴ったサイケデリックな響きに疑問符を繰り返して「グッド・ナイト」で幕を閉じる。…と思ったのだが、ラスト・ナンバー「グッド・ナイト」を聴いているととても自然に(かつ必然的に!)、1曲目の「プレリュード」へと繋がっていくように思える。まるで夢と現実を隔てていた仕切りの輪郭が溶けて円環を描くように。

『グッド・ナイト』を聴いて、主客が絶えず逆転し続けるストレンジな感覚——夢現の境目にするりと入り込んだ音楽が、次第に自分のもののように錯覚されていくような感覚を得た。夢日記を書き続けた者が、次第に夢で起こった出来事を「もしかして過去にこんなことあったかも?」と現実と錯覚してしまうときみたいに、懐かしく、それでいて新しい記憶が呼び起された。

2014年に生きて、純音楽楽団・森は生きているの音楽に触れないのはあまりにもったいない。彼らは以前「音楽の在り方をリセットしたい」という旨をインタヴューで明かしていた。きっとその思いは2年ほど経った今も健在だろう。やりたいことを詰め込みまくった本アルバムを聴いて、それをひしひしと感じる。決して一部の熱狂的音楽ジャンキーにのみ聴かれる盤ではないだろう。純度の高い探求心を持つ彼らの音楽は、何の変哲もない日常を送る空想家にこそ届くべきだ。

(text by 竹島絵奈)

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LIVE INFORMATION

森は生きている 『グッド・ナイト』ツアー

名古屋公演
会場 : 名古屋 アポロベイス
: 2014年12月27日(土)
開場 / 開演 : 18:30 / 19:00
出演 : 森は生きている 他

福岡公演
会場 : 薬院 UTERO
: 2014年12月28日(日)
開場 / 開演 : 18:30 / 19:00
出演 : 森は生きている

札幌公演
会場 : 札幌 Spiritual Lounge
: 2014年1月18日(日)
開場 / 開演 : 18:30 / 19:00
出演 : 森は生きている

京都公演
会場 : 京都 磔磔
: 2014年1月30日(金)
開場 / 開演 : 18:00 / 19:00
出演 : 森は生きている

東京公演
会場 : 渋谷 クラブクアトロ
: 2014年2月13日(金)
開場 / 開演 : 18:30 / 19:30
出演 : 森は生きている

PROFILE

森は生きている
柔軟な吸収力と表現力を武器に、滋味豊かでいて瑞々しい独自の音楽を生み出す「純音楽楽団」、森は生きている。2012年、リーダーの岡田拓郎(Gt, etc)を中心に東京で活動を開始。その年の末、ファーストCD-R「日々の泡沫」を発表し、自主制作盤にもかかわらず各レコード店にて軒並みソールドアウトを記録。2013年にはP-VINE RECORDSよりファースト・アルバム『森は生きている』をリリース。音楽シーンを代表する作品として各界から高い評価を得、発売を記念して行われた各地でのリリース・ツアーも大盛況のうちに終える。その後もさまざまなイヴェントやフェスへ出演するなど活発な活動を繰り広げるなか、2014年にはファースト・アルバムのアナログ盤をリリース、それに合わせバンド初となるワンマン公演を東京は渋谷WWWにて開催。

カントリー、ソフト・ロック、サイケ、スワンプ・ロック、アンビエント、モンド、トロピカル、ジャズ、ブルース、アフロ、クラシック、現代音楽 etc…。数々の音楽遺産を深く咀嚼しつつもあくまで現代的な表現として昇華する有機的かつ先鋭的なプロダクション、卓越した演奏、そして仄かに文学の匂いが薫る歌詞世界。森は生きているの奏でる音楽が、時代の心象を儚く切り取るように、そこここへ満たされていく…。

>>森は生きている Official HP

この記事の筆者

[インタヴュー] 森は生きている

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