こんなロック・バンドいるんだ!ーーアコギをメインにした2人組が放つ、僕とモンスターによる1stアルバムを2週間先行ハイレゾ配信

左より、島子(Vo / G)、ほしおずまなおき(G)

その名前を見て、ふんわりとした弾き語りユニットと思ったなら大間違いである。大阪出身の島子勇一(Vo / AG)と福島県南相馬出身のほし“おずま”なおきの二人組、僕とモンスター。アコギをメインに男の切なさをしんみりと歌う場面があるかと思ったら、アコギとエレキという編成にも関わらず、ライヴでの星の暴れ具合はハードコア・バンド顔負けだったりもする。それでいて、日常の生活と旅から生まれた鋭くも暖かい描写が心の隙間に染み入っていく。そんな彼らが9月10日にノーマディック・レコードより発売する1stアルバム『かたち』を、OTOTOYでは2週間先行、しかもハイレゾで同作を配信開始!! さらに、メンバー2人にライターの渡辺裕也が取材し掘り下げた原稿を掲載する。挙げ句の果てには、アルバム冒頭曲「id」をフリー・ダウンロードで配信。どうしても聴いてほしい。その想いがつまった僕とモンスターにぜひ触れてみていただきたい。

「id(24bit/48kHz)」のフリー・ダウンロードはこちら

どうしても聴いてほしくて、2週間先行でハイレゾ配信スタート!!


僕とモンスター / かたち(24bit/48kHz)

販売形式 : ALAC / FLAC / WAV
販売価格 : 単曲 199円 まとめ購入 2,000円

1. id / 2. 象のココロ / 3. 絆カンタービレ / 4. 掃除 / 5. キライナウタ / 6. キャッチボール / 7. ドラマ / 8. 風船ガール / 9. ライオン / 10. ありがたみ / 11. rock

彼らは10年のキャリアを経て、どのようにやりたいバンドのカタチをみつけたのか

まだ“僕とモンスター”がはじまる前の話

アコースティック・ギターを弾き語るヴォーカリストと、そのとなりでエレキを弾き鳴らすギタリストによる二人組、僕とモンスター。このギター2本のデュオという編成から、きっとおとなしめの歌モノを想像された方もいるだろうと思う。実際、僕とモンスターの楽曲は弾き語りを主体とした音楽で、その背景にはリズム・セクションもなければ、かといってエレクトロニックな要素を足しているわけでもない、極シンプルな構造で成り立っているものだ。しかし、そこで穏やかなサウンドを期待すると、エフェクターを駆使した鮮やかなエレキと繊細なアコギの絡まりに、思わずハッとさせられるはず。そう、僕とモンスターが打ち出しているギター・サウンドはあくまでもバンド然としたものであり、紛れもなく彼らはロック・バンドなのだ。

僕とモンスターは活動開始からまだ2年程度だという。しかし彼らがこのユニークな演奏スタイルを一朝一夕で築いたのかというと、もちろんそんなわけではないようだ。そこで本稿では彼らのファースト・アルバム『かたち』について触れる前に、本人たちに話をもとに僕とモンスターが結成されるまでの変遷をたどるところから始めてみたいと思う。

まずは今から10年ほど前に遡ろう。僕とモンスターで歌とソング・ライティングを手がける島子勇一は、当時まだバンドマンではなく、その裏方として動き回っていた。現在は活動休止中のバンド、セツナブルースターのマネージャーとして働いていた彼にとって、ロック・バンドはあくまでも憧れの対象だったのだという。

そのセツナブルースターや、彼らと同じレーベルだったスパルタローカルズがまさにそうなんですけど、僕にとって彼らは“自分もこうなりたい!”っていう憧れ以外の何者でもなかったんです。で、僕は就職することによってそういう憧れのバンドを間近で見ることができたわけですけど、そうしていくなかで“僕もこのままでいいのかな”っていう気持ちが沸いてきて、ひとりでずっとアコギをもって曲をつくってた(笑)。それで結果的に僕はその仕事を辞めることになって、バンド結成に向けて動き出すんです。(島子)

地元大阪の友人をメンバーに誘い、島子はまず都内の路上で弾き語りをやるところから活動を始める。バンドのマネージャーだったことを知る友人からその姿を見られて驚かれることもあったようだが、彼はそれを意に介さず音楽に没頭していき、メンバー募集掲示板と通じて出会ったほし“おずま”なおきのをギターに加えることで、2005年にはついにジェントルズという名前のロック・バンドを結成させる。

マネージャーをやっている時期に自分の理想とするバンド像は出来上がっていたから、ジェントルズのメンバーにはいつも“僕はこういうバンドがやりたいんだ!”と伝えてました(笑)。僕が思い描いていたのは、そうだなぁ。たとえばウルフルズとか、ああいうバンドですね。自分の用意してきた楽曲がバンドによって少しずつ変化していく過程が大好きで、それが本当に楽しかった。(島子)

ジェントルズの活動に情熱を注ぐ島子。その彼と活動を共にしていたほしは、パンク / ハードコアを音楽的なルーツとするギタリストで、ジェントルズだけでなくサポート・ミュージシャンとしても徐々に活躍の場を広げていくのだが、あるときにバンドを脱退し、一時は音楽活動と距離を置くことも考えていたという。

バンドがちょっとイヤになった時期があって。それでサポートも含めてさっぱり辞めて就職するつもりだったんですけど、なぜかそうはいかず、今に至ってます(笑)。(ほし)

島子の呼びかけでほしは再びジェントルズのメンバーに復帰する。その頃にはほしもバンドでギターを弾くことへの情熱をすっかり取り戻していたようだが、一方でそのバンド内は少しずつバランスを崩していった。

これってバンドをやっていればよくある話なのかもしれないけど、活動を7年くらい続けていくうちに少しずつみんなと会話ができなくなっていったんですよね。それでなんとかメンバーの気持ちをたしかめようと思って、僕の家で鍋パーティを開いてみて(笑)。それでもうダメかなと思った帰りに、ほし君を誘ってふたりでスタジオに入ったんです。(島子)

4人でスタジオに入っても、その場でアレンジが出来上がっていかなくて。それなら次のリハまでに考えてこようと話しても、何も変わらない。そうしていくうちに、少しずつバンド内の会話も噛み合わなくなってました。で、ふたりでスタジオに入ってみたら、“これ、いいんじゃないの?”って(笑)。基本的に俺はギターが弾ければ形態はなんでもよいと思ってるし、こういうスタイルもよさそうだなって。(ほし)

“僕とモンスター”のスタートと篠塚将行(それでも世界が続くなら)との出会い

ふたりで行ったセッションに手ごたえを得た彼らは、思い切ってジェントルズの活動休止を発表し、その翌月の2014年4月から“僕とモンスター”名義で初ライヴを敢行する。

初ライヴはバーみたいな場所でやったんですけど、その時に今までなかったような手ごたえがあったんです。バンドの勢いで押していくよりも、こうしてアコギとエレキの音を織り交ぜながら演奏していった方が、聞いている人たちにも曲がストレートに伝わっていく感じがしたというか。もちろん、ジェントルズの頃から応援してくれてたお客さんのなかにはビミョーな反応もあったけど、それでも僕ら本人は新しいバンドを始めたような意識で盛り上がっていたから、きっとそれは少しずつわかってもらえるんじゃないかなって。(島子)

コードの使い方もけっこう複雑になったんじゃない? やっぱりアコギの響きを意識するようになったのか、ジェントルズの頃はメジャーかマイナーの両極端な感じだったのに、僕とモンスターを始めてからは、彼もコード・ワークでいろいろ細かいニュアンスを出すようになったんです。(ほし)


僕とモンスター「id」

ちなみにこの“僕とモンスター”というバンド名、元々は島子のパーソナルを反映させて付けた名前だったのだが、彼らのライヴを見た人はそれとまったく違う解釈でこの名前を受け止めているようだ。

“モンスター”というのは僕の邪悪な部分を指していて、元々はそれを音楽にしようという思いから付けた名前なんです。でも、ライヴを重ねていくうちに、ほし君が演奏しながらどんどん暴れ回るようになっていって。それを見たお客さんが“まさに僕とモンスターだね!”と(笑)。つまり、僕(=島子)とモンスター(=ほし)だと思われてるみたいなんですよね。で、それならそれでいいかなと(笑)。(島子)

2012年6月には、かつて島子がマネージャーを担当していたセツナブルースターの倉島大輔と2マン・ライヴを下北沢Lagunaで敢行。彼らのライヴ・パフォーマンスは着々と評判を呼び、3曲入りの自主音源も好調に売れ行きを伸ばしていく。そして、そんな僕とモンスターを誰よりも気に入り、何度も彼らに檄を飛ばしていたミュージシャンがいる。バンド“それでも世界が続くなら”のフロントマン、篠塚将行がその人だ。

僕たちのライヴを見た篠さんは“お前らはバンドだよ! 絶対にそう言い張った方がいい”と言ってくれて。この編成になってからはデュオとかユニットとして見られることもけっこうあったから、それはすごく嬉しかった。(島子)

ツアーでいろんなところをまわることにしたのも、篠さんが俺たちのケツを叩いてくれたから。実際に篠さんは俺たちのことをライヴハウスに紹介してくれたんですよね。それでツアーをまわったら、今までにないペースでCDも売れていくし、ライヴの反応もすごかった。ある時なんて、メタルやスクリーモのバンドしか出ないイヴェントに俺たちがブッキングされたことがあったんだけど、そのときもめちゃくちゃお客さんから喜んでもらえて。あれはすごい自信になったな。(ほし)

そういう手ごたえは今までなかったよね。僕とモンスターは、とにかく活動の自由度がすごく高いんですよ。移動も楽だし、連絡のやり取りも早いし。それに以前の僕はバンドのカタチにこだわってたけど、こうして新たな編成で始めたからか、ある意味開き直ったところがあるのかもしれない。僕は単純に歌いたいことをそのまま歌にしたいし、彼は思うがままにギターを弾きたい。それこそほし君は、はじめは座りながら弾いてたのに、気づいたら客席の方で暴れながら弾いてたりするんですよ(笑)。でも、それでいいんです。お互いが好きなようにやっても、僕とモンスターはOKだから。(島子)

そして、1stアルバム『かたち』が形づくられていく

ツアーをまわったことで自信をつけたふたりは、いよいよファースト・アルバムに向けたレコーディングに着手する。サポート・メンバーは加えず、あくまでもこのふたりで出す音にこだわったというこの作品に、彼らは『かたち』というタイトルを与えた。そしてそのリリースを担うのは福島を拠点とするレーベル、ノーマディック・レコーズ。元々ノーマディック側も彼らに声をかけるつもりだったようだが、そのバンドとレーベルをつないだのもまた、それでも世界が続くならの篠塚だったようだ。

こうしてふたりで動き出したんだから、まずはそこを音源でも一番に伝えたくて。(ほし)

たとえば、赤の他人からすれば落書きにしか見えないものを“これが自分のアートだ”と言う人もいれば、ひたすら叫び声をあげながら、“これはバラードなんだ”と言う人もいるように、僕らにとっては、これがバンドの音なんですよ。おかしな編成だとよく言われるし、誤解されることもあるけど、僕たちが今やりたいバンドのカタチはこれなんです。(島子)

俺もふつうにBIG MUFF(強烈なファズ・サウンドを得られるギター用エフェクター)を踏んでるしね(笑)。(ほし)

『かたち』は僕とモンスターにとって初めて世に放つアルバムだ。そして、同時にこのアルバムはジェントルズでの活動も含めた10年間におよぶキャリアの集積があったからこそ作り得た作品でもある。島子とほしが共に紆余曲折を経て、それでも理想のバンド像を目指していくなかでようやくカタチになったバンド、僕とモンスター。彼らの旅はここからも続く。

バンドを辞めようとした時期もあったけど、今はもうそんなこと考えられない(笑)。このバンドを続けていく覚悟は決まっているし、早く『かたち』をもってまたツアーをまわりたいですね。今はツアー先で泊めてくれる友達も増えたし(笑)。そういうことも、僕とモンスターを始めるまではまずなかったことなんですよ。(ほし)

このアルバムは僕達が今まで経験してきたいろんな時間が混じり合って出来たものだと思ってて。だから、今はとにかくこのアルバムをたくさんの人に届けたいですね。そして聴いた人が“こんなロック・バンドいるんだ!”と思ってもらえたら最高だな。何度も言いますけど、僕とモンスターはロック・バンドですからね(笑)!(島子)

インタヴュー&文 : 渡辺裕也

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LIVE SCHEDULE

Gotta Gettaway!
2014年9月2日(火)@代々木Zher the ZOO
時間 : OPEN 18:30/START 19:00
料金 : 前売 ¥2,000/当日 ¥2,500
出演 : Split end / 僕とモンスター / THE ADAMSKEY / 大正ドルドル19号

Shake it baby!!!
2014年9月14日(日)@下北沢Laguna
時間 : OPEN 18:00 START 18:30
料金 : 前売2500円(D別) 当日2800円(D別)
出演 : GONDA(GRiP / KGSS ON THE PEAKS) / 僕とモンスター / frills

PROFILE

僕とモンスター

大阪出身の島子勇一(Vo/AG)と福島県南相馬出身のほし“おずま”なおきの二人組。東京でそれぞれの音楽活動の中で出会い、2012年、僕とモンスターとしてバンド結成。アコギをメインに切々と歌う場面も、時にアコースティック・シューゲイザー的爆音も、バンドのカラーとしてかつてない異彩を放つ。日常の生活と旅から生まれた鋭くも暖かい描写が、心の隙間に染み入っていく。今年、名古屋のサカエスプリングへの出演や、星の地元南相馬の朝日座で開催されたRock ok Song2014にも出演。ライブでの星の暴れ具合はハードコアバンド顔負けの暴走度。東名阪と福島を中心に各地に出没し、涙と衝撃をお届け中。

僕とモンスター HP

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インタヴュー

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筆者について
渡辺 裕也 (渡辺 裕也)

音楽ライター。自炊ブロガー。好角家。福島県二本松市出身。右利き。O型。

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