2014/11/18 19:17

“血を沸騰させるようなライヴ”がしたいーーPE'Zの15周年集大成ライヴが7/13に開催&マラソン・ツアーの模様を先行配信!!

東京は渋谷でのストリート・ライヴを中心に活動を始めたジャズバンド、PE'Z。2002年に自身のヒット・アルバムとなった『Akatsuki』でメジャーデビュー、さらには世界デビューを果たし、独自の“侍ジャズ”サウンドで躍進を続けてきた。今年で結成15周年を迎えた彼らが遂行した企画は、4/27〜5/18の約20日で都内13会場を巡る「マラソンライブ」。なんとOTOTOYでは、全13公演を13タイトルのライヴ・アルバムとして9日から先行配信!!

そしてその「マラソンライブ」、バンドとしての集大成であるワンマン・ライヴが7/13(日)新宿BLAZEで開催! 過密なスケジュールの中行われたこの企画に込められた想いとは? そして来る7/13新宿BLAZEでのワンマン・ライヴへの意気込みを、バンドの“過去”と“未来”をふまえてトランペット担当であるOhyama "B.M.W" Wataruに語ってもらった。

LIVE INFO

ONE-MAN SHOW~10年振り!! 侍5人衆、歌舞伎町に現る!!
日時 : 7/13(日) OPEN16:00 / START17:00
会場 : Shinjuku BLAZE
料金 : 前売 ¥4,300 / 当日¥4,800
※all standing・整理番号付・tax in・drink代別
チケット : >>サンライズプロモーション東京

マラソン・ライヴの全13公演を7/9より先行配信! その中から池袋 手刀でのライヴ音源を先行試聴!!

レーベル apart.RECORDS  発売日 2014/07/13

01. 02. 03. 04. 05. 06. 07. 08. 09. 10. 11. 12. 13. 14. 15. 16. 17.

※ 曲番をクリックすると試聴できます。

INTERVIEW : Ohyama "B.M.W" Wataru(PE'Z)

ランナーズ・ハイに近い感覚

ーー今回、「マラソンライブ」と題して都内13会場を約20日間でまわったPE'Zですが、この企画のアイディアはどこから生まれたんですか?

Ohyama "B.M.W" Wataru(以下Ohyama) : ベースのNirehara Masahiroが、今年の頭にハーフマラソンの大会に出たんですよ。1時間40分で完走したそうで、初挑戦としてはすごいタイムらしくて。それをきっかけに「俺たちはまだまだ走れるぜ」ってノリでみんなで話してたら、ツアーでも何かそういう挑戦ができないか? ってことになって、今回の企画を思いつきました。

ーーそうなんですね。13公演を20日間でこなすというのは、なかなかハードですよね(笑)。

Ohyama : 正直、体力的にキツい部分はありましたね。でも意外とできちゃいましたね(笑)。

ーーアルバム・タイトルどおり、まさに「PLAYER'S HIGH」の状態ですね。

Ohyama : そうですね。でも海外の有名なジャズ・プレイヤーで年間で300本程のライヴをこなす人はたくさんいるので、それに比べればまだまだ甘いっすけど。僕らはまだ身体に湿布を貼ったり、栄養ドリンクを飲んだりダメダメでしたよ(笑)。ランナーズ・ハイに近い感覚! ランナーズ・ハイを経験したことはないですけど(笑)。

4/27 二子玉川 KIWA

ーー(笑)。新しい境地が見えたという感じですか?

Ohyama : あ、いやそうではなく、新しい事をやり過ぎて、元々あったものを思い出したって感じですかね。

ーー工夫といえば、今回の「マラソンライブ」ではPE'Zがこれまでに発表したオリジナル全160曲すべてを演奏したんですよね。

Ohyama : しました。予想外の曲で盛り上がったりして「嘘でしょ!? 」っていう発見がたくさんありました。

ーーおもしろいですね。15年分の曲をやるわけだから、中には忘れかけていた曲もあったり…。

Ohyama : 忘れかけてたというより完全に忘れてた曲もあった(笑)。府中のFLIGHTではメロが吹けなさすぎて、ライブ録音してるから「ゴメン!もう一度やらせて! 」って同じ曲をもう一回やったりしましたよ。(アルバムにその様子も収録されている)でもそういったアクシデントも含めて、自分があまり意識してない曲で反応がスゴくて。

ーーそれは嬉しい反応ですよね。

Ohyama : こっちはハラハラしてたけど、その曲のイントロが鳴った瞬間にすごい盛り上がって、お客さんの反応にはだいぶ裏切られましたね。やってなかった曲にはそれなりの理由があったんですけど、今となっては、なんでやらなかったんだろうって。

5/1 中野 Live & Pub MOON STEP

場所ごとに個性、それも含めてセッション

ーーなるほど。さらに新曲もやったんですよね。

Ohyama : そうです。実際は3曲披露したんですけど、新曲としてはまだ未完成な状態だったんで、収録は2曲にしました。

ーーそこも聴いてほしいところですね。今回はわりと小規模なハコを選んでますよね。

Ohyama : 出来るなら武道館13回連続公演くらいやりたいっすよ(笑)。ま、それは無理なんで、どうせならすげー至近距離にしようと!

ーーPE'Zはもともとストリート出身のバンドですが、その頃のようなお客さんとの距離感だったんじゃないですか?

Ohyama : そうですね。ストリート時代の感じは出したかったですね。やっぱり結成15周年ということもあって、若い頃のエネルギーを復活させたいって思ってて、このライブで完全に復活させましたね。「初心に帰る」じゃないですけど。実際、テンションとか空気感は近いものがあると思います。原点ですからね。あの時の感覚が蘇りましたね。

5/4 吉祥寺 Planet K

ーーそれが音源として聴けるのは贅沢ですね。全13回のライヴのなかで、特に印象に残っているライヴってありますか?

Ohyama : 全部覚えてますけど、特に初日の印象は強いですね。あんまり普段やったことない曲とかやってましたし。そういう意味では、演奏としての集中力がいちばん高かったのは初日かもしれません。

ーー逆に最終日はどうですか?

Ohyama : 最終日は、ライヴ前からすでに文化祭が終わったときのような寂しい気持ちがありましたね(笑)。

ーー最終日は福生ですから、かなり遠いところですよね。

Ohyama : 初めて人前で曲を披露したのが福生だったんです。高校生の頃なのでPE'Zではないですが。だからすごく懐かしかったですね。

5/18 福生 CHICKEN SHACK

ーーそれは感慨深いですね。しかもPE'Zは今年が結成15周年ですよね。

Ohyama : そうですね。とはいえ、15年を振り返りたくてこの企画をやったわけではなくて、あくまでも先に進むためという感じです。15年もこいつらとやっているってのもびっくりですよね。

ーー初日の緊張感とか、最終日の寂しさとか、そのあたりは録音を聴いても伝わってきますか?

Ohyama : 初日と最終日を続けて聴いたらわかると思います。特に最終日は、「全部出し切ろう」みないな感じになってるので、その異様なテンションは感じてもらえるんじゃないかなと。会場の高鳴りによる湿度というか、音源でもものすごく伝わると思います。

ーーまさにひとつのお祭りだったんですね。

Ohyama : PE'Zとしてはそう思ってたし、お客さんもそう思ってくれてたと思います。13回のライヴを通して、そういう一体感のようなものがありました。毎回、ニレがナレーションを入れたオープニングSEがあって、それがライブ開始の定番になったり、途中でCDに声を刻んでもらう為にお客さんにライブ会場の名前を叫んでもらったり…。あ、そうそう学芸大学では、バラードを始めようとしたら、バーカウンターでがしゃ〜ん!! ってもろにビンが倒れる音がして、途中で演奏を止めてみんなで笑ったり。そういう部分が音源に録音されてますね。あとこれは違うけど、初めて行く会場もあったんですけど、場所がわからないから前を通り過ぎちゃったりすると、お客さんが「ここだよ! 」って教えてくれたり(笑)。そういう感じが全体的に漂っていましたね。

ーーじゃあずっと高いテンションを維持していた感じですか?

Ohyama : いや、そりゃ人間ですから、13公演の中でテンションの浮き沈みは多少ありましたよ。上野だっけな? 1日だけニレのMCの煽りのテンションが明らかに低い日があって(笑)。そのときは他のメンバーがやばいと思って、その後の演奏がいつもよりすごくテンション高くなりましたけどね(笑)。

5/14 府中 FLIGHT

ーーそれはやっぱり疲れからくるんですかね?

Ohyama : 疲れっていうか…演奏に集中していると、我を忘れて没頭してしまう。そんなときに「あ、そう言えばMCだ…」って気付くみたいな事なのかもしれませんね。本来はステージに立つ人間はその会場の誰よりも熱くならなくてはならない、と同時に誰よりも冷静でいなくてはならないと思うんです。と、ミックジャガーが言ってました(笑)。

ーーそうなんですね。たとえば1日ごとにテーマを設けたりはしましたか?

Ohyama : まったくテーマ無しで行き当たりばったりでやってましたね(笑)。

ーーじゃあセットリストを当日決めたりとか…。

Ohyama : PE'Zの曲を全部やるっていう縛りがあったので、さすがに当日ってことはないですけど、ソロ回しとか、会場の空気によって長くしたり短くしたりはありましたね。あとはノリで!

ーーなるほど。会場ごとの空気感といえば、今回はエアーで録音しているんですよね?各会場の空気感がそのまま入っているんですよね?

Ohyama : そうです。今回は場所ごとに個性がある。臨場感や、お客さんの声、まるごと録音されてる。ぜんぶ含めてセッションです、セッション。

俺たちの血を騒がせたい

ーー7月13日(日)に新宿BLAZEでおこなわれるワンマン・ライヴについて伺いたいと思います。ここってわりとヴィジュアル系のバンドが出演することの多いハコですよね。

Ohyama : そうなんですか?そういうハコのカラーよりも、場所が重要でした。場所としては最高だと思ってるので。

ーーそれはなぜでしょう?

Ohyama : 新宿は15周年にぴったりの場所なんですよ。ストリート時代によくやっていたところだし、メジャー・デビューして初めてやったワンマンが当時の新宿リキッドルームだったというのもあるし。今回の「マラソンライブ」で過去のいろんな曲をやるうちに、もう1回新宿でワンマンがやりたいって思いが出てきたんですよね。

ーーある意味でPE'Zの原点に立ち戻るようなライヴになると。

Ohyama : そうなんですけど、あの頃のPE'Zを超えた熱さを見せたいっていう気持ちが強いです。あの頃について本気で覚えているのは、とにかく毎日ドキドキしてたってことで。「これ何か起きちゃうぞ」、「俺たち何かしちゃおうぜ」っていう、つねに血が騒いでるような感覚があって。今回の新宿では、そんな血が沸騰するようなライヴがしたいっていうのがテーマですね。

ーー血が沸騰するような、ですか。

Ohyama : 当時、インタヴューなんかでよく言ってたんですよね。カッコつけて、「血が沸騰するような」とか。でも、まさにいま、それがしたいんですよ。もしかしたら当時より沸点が下がってるかもしれないですけど(笑)。だから今回のライヴは「血」がテーマです。

5/5町田 The Play House

ーーなるほど。「マラソン・ライブ」では大山さんも忘れてたような意外な曲が盛り上がったとおっしゃってましたが、新宿でも過去の曲をたくさん演奏する予定ですか?

Ohyama:「この曲ってこんなにパワーあったんだ」って感じる曲がたくさんあったので、それはどんどん盛り込んでいくと思います。新しい曲も古い曲もあわせて、あげっぱなしでPE'Zのライブの熱さを見せられたらなと。

ーー本当に楽しみです。最後にひと言あればお願いします。

Ohyama : まずは俺たちの血を騒がせたいっていう気持ちです。そうなればお客さんの血も騒ぐんじゃないかと。新宿のワンマンも「マラソンライブ」の音源も、間違いなくPE'Zのライブの勢いを垣間見ると思うので、楽しみにしててほしいですね。

PROFILE

PE'Z

1999年に結成された5人組ジャズバンド。
ジャズをベースにしながらもラテンやロックなどを取り込んだサウンド、緊張感と躍動感を兼ね備えた圧倒的なライブパフォーマンスが評判になり、ストリートライブでは時に1000人以上の観客を集めた。更にワンマンライブは即完売し、デビュー前から話題となる。
2001年に初のミニアルバム「pe’z」をインディーズレーベルからリリース。翌2002年にはミニアルバム『Akatsuki』でメジャーデビュー。その名を一躍メジャーシーンに知らしめることとなる。第17回日本ゴールドディスク大賞“ニューアーティスト・オブ・ザ・イヤー”を受賞、さらに数々のイベントや野外フェスへの出演を経て知名度を獲得。「侍ジャズ」第一人者として日本のみならず、海外レーベルと契約するなど、欧米・アジアと活躍の場を拡げ、世界をまたにかけたロック魂あふれるジャズサウンドを響かせている。
2008年、某雑貨店限定で発売されたカヴァーアルバム『黒船のジャズ』は発売当日から品切れが続出し、全国ネットのニュース番組でも取り上げられるなど社会現象となった。2009年には、彼らの楽曲を他のアーティストがカバーする初のトリビュートアルバム「NOT JAZZ!! BUT PE’Z!!! 〜10TH ANNIVERSARY TRIBUTE TO PE’Z〜」を発表。 2011年~12年には前代未聞のアルバム全曲無料配信する“合法ダウンロード”企画を実施し、こちらも大きな話題を集める。震災後も、日本を「音楽で元気にしたい」という熱い想いから、 全国各地に馴染みのある曲をPEʼ Zのアレンジによって生まれ変わらせた「故郷のジャズ」「演歌のジャズ」をリリース。その後、初の真夏の単独公演“納涼大音頭2013”を東京・日比谷野外音楽堂にて決行。
2014年は、結成15 周年というアニバーサリーイヤーを迎え、短期間で東京のライブハウス13か所を駆け抜けるツアー「マラソンライブ2014 〜東京JACK!!〜」や、約10 年ぶりと なる東京新宿の歌舞伎町でのワンマンライブなど、常に時代の変化と新しい価値観を先取りしながら突っ走る侍5 人衆ならではの企画が目白押しとなっている。

>>PE'Z Official HP

この記事の筆者

[ライヴレポート] PE'Z

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