2013/07/05 00:00

エレクトロニカにさまざまな要素を織り込み、日常の情景をやさしく表現するno.9が新作『The History of the Day』をリリース。15曲入りというヴォリュームたっぷりの1枚ですが、no.9の楽曲はリスナーを疲れさせることなど知らない、木漏れ日のようなやすらぎの音楽です。OTOTOYではHQD(24bit/48kHzのwav)で全曲を配信。是非とも高音質でお楽しみください。

※本ページ上で、HQD(24bit/96kHzのwav)との表記がありましたが、正しくは、HQD(24bit/48kHzのwav)です。掲載情報に誤りがあったことを深くお詫び申し上げます。

no.9 / The History of the Day
【価格】
※まとめ購入のみ mp3 / wav 1,800円

【Track List】
1.inside outside / 2.The History of the day / 3.whisper of rain / 4.there / 5.small promise / 6.fairground spring #02 / 7.balance / 8.flat point / 9.before the wind / 10.a picture on the wall / 11.source of harmonics / 12.imagine fun / 13.remember / 14.softly song to you / 15.Hello

“音と共に暮らす”こと

みなさんは日々の生活の中でなにか物足りない、という気分になることはないだろうか? 仕事もある、家もある、食べるものもある、家族も友達もいる。平穏で変わりない毎日。それはとても幸せなことだ。だけどなにか物足りなくて、ほんのすこし刺激が欲しくなる。そんなことはないだろうか? もしそんな人がいたら是非no.9の音楽を聴いてみてほしい。

no.9は“音と共に暮らす”をテーマに、美しくどこか懐かしさを感じさせるメロディアスな楽曲を生み出す、作曲家・城隆之のソロ・プロジェクトである。細かく作り込まれたビートに、クラシック・ギターとピアノの美しいメロディを加えた音世界は、懐かしくも新鮮で、心地良く頭に響き渡る。朝起きたとき、通勤中の電車のなか、ランチをしながら、夜寝るまえ、休日の散歩中や旅行先でも、彼の音楽は色々な場面でその環境に溶け込み、そっと寄り添うように刺激を与えてくれるのだ。

「僕は誰というでもなく、なにというでもなく、ほとんど全てに影響を受けます。本でも映画でも音楽でも人でも、影響を受け過ぎちゃって困るので、逆に見ないようにしているくらいです。」

聴く人それぞれの環境にリンクする音楽は、日常生活のなかでありとあらゆるものからインスピレーションを受けるという彼だからこそ、表現できる音楽なのだろう。7作目となる今作品『The History of the Day』は、3年半という長い年月をかけ録り溜めてきたトラックを、細部にこだわりすこしずつ時間をかけ作り上げ、haruka nakamura、paniyolo(SCHOLE)、青葉聡希(number0)、伊藤智也(no.9 orchestra)やchiyo(kottur)という多彩なアーティストと共作。本人が「作品に間違いなく、幅が産まれました」と語るように、そのサウンドはいままで以上に多彩だ。なかでも一番の注目はno.9初となるヴォーカル曲に挑戦した「before the wind / feat.chiyo」だろう。

「ヴォーカル曲は前からやってみたかったけど、大概の場合、歌詞がイメージを限定しすぎるのが嫌なんですよね。僕は音楽と同じくらい言葉が大好きなんだけど、そのぶん言葉の重みみたいなものを感じるので、ヴォーカル曲を避けていました。今回の曲はヴォーカルだけど、ヴォイスとしての楽器、千代ちゃんの声の世界観を一番に考えました。」

浮遊感ある美しいchiyoの声が、no.9の軽やかなギターと4つ打ちビートにとけ込み、ヴォーカル曲であるということを気づかせないほど違和感なくスッと耳に入ってくる。言葉に重きを置くのではなく、声を楽器と捉え、楽曲のイメージを壊すことなく、その世界観を見事に表現している。haruka nakamuraとの共作「there / feat.haruka nakamura」はno.9のノスタルジックさとharuka nakamuraの儚いメランコリックな空気感が合わさり、夕暮れの淡く儚い情景が映し出される。そして高揚感あるヴァイオリンとピアノの儚いメロディはそっと涙腺を揺らしてくれる。

no.9の音楽は日常のちいさな出来事も感動に替え、心に豊かさを持たせてくれる。これこそが音楽のすばらしさだ。大げさな話、世界中にこの音楽が届き、ちいさな感動が世界に溢れたら、世界も良い方向に変わるんじゃないかなと思う。なんでもない日常を幸せに思えること、それはいまの時代に一番必要なものではないだろうか。この作品を聴いて、音楽の力、すばらしさを今一度再確認してもらいたい。(text by 吉野敬一郎)

※(「」のアーティスト本人の発言は、原稿作成に際してメール・インタヴューを行ったもの)

no.9の過去作はこちら

no.9 orchestra / LIVE at DAIKANYAMA UNIT 2012.05.11 midnight(HQD ver.)

作曲家no.9ことJoe Takayukiの楽曲の持つエネルギーを、より肉体的に、より瞬間的な熱量に換えて放射するバンド・セット、no.9 orchestra。深夜の代官山を、興奮と陶酔の渦に巻き込んだ熱狂のライヴの様子を高音質でお届けする。

>>特集ページはこちら

no.9 / good morning

日本のcubic musicや米LOCUSTでも絶大な人気を得た、no.9(ナンバーナイン)こと城 隆之の新作4thアルバムが遂に登場! 生楽器とエレクトロニカを融合させ、前作よりも更に聞きやすくなった内容で、しかもno.9らしいビートと繊細な音の配置、そして何よりもどこか懐かしい、叙情的なメロディーが遥かに進化! また、アルバム一枚をいかに飽きさせずに、ずっと聞いてもらえるかという点にもこだわって制作されていて、エレクトロニカ、ジャズ、テクノ、アンビエント等の幅広いジャンルが清清しい雰囲気の中で見事にまとまっています。Four tetやtortoiseとも共通するようなポストロックにより新しい可能性を見いだした世界的な視野の音楽です。一度聞いたら耳にも心にも残るようなドラマチックなメロディー/サウンドが素晴らしい傑作アルバム!!

V.A. / my private space

聴き流す心地良さと、聴き込む程に情感が溢れ出る音と共に、自分だけの空間で、キラキラと、うとうとと聴いて欲しい一枚。突出した12曲のコンピではなく、アルバム・トータルで聴けるクオリティを持ち、一般のCD店では埋もれてしまいそうな、ジャンル・カテゴリーの隙間にある音を、瞬間的ではなく、10年後、20年後と聴き続けられるように、コンパイルしました。

LIVE SCHEDULE

no.9 orchestra Release TOUR 2013

2013年7月6日(土)@金沢 PUDDLE SOCIAL
2013年8月11日(日)@東京 代官山UNIT
2013年9月7日(土)@大阪 心斎橋 Music Club JANUS
2013年9月8日(日)@大阪 貝塚 SOBRA

PROFILE

no.9

「音と共に暮らす」をテーマに、日々の暮らしに寄り添う豊かでメロディアスな楽曲を生み出す作曲家・城隆之のソロ・プロジェクト。90年代初頭から音楽活動を開始し、97年にno.9名義でPCとアコースティックの融合による作品制作を開始。現在まで、絶大な反響を得た『Good morning』や『usual revolution and nine』など6枚のフルアルバム作品をリリースするほか、様々なコンピレーションやリミックス作品に参加。また、数々の広告音楽や主要交通機関のマシン・サウンドデザインを手がけ、一聴してno.9とわかる新鮮なサウンド・デザインと幅広い音楽性を併せ持つ作曲家でもある。2007年より始動したバンド・セットno.9 orchestraでは、no.9の音楽にギターやドラム、ヴァイオリンやピアノといったフィジカルな音楽性が加味され、フルオーケストラを想起させる壮大なライヴ・パフォーマンスを披露。ライヴ会場を包む圧倒的な存在感で、多くのファンを魅了し続けている。

前作から約3年半を経てついに完成した待望の7作目となるニュー・アルバム『The History of the Day』。全15曲70分以上にも及ぶ本作品には、no.9が築き上げる音楽との日々の集大成ともいえる壮大な記録が刻まれている。

>>no.9 official website

[レヴュー] no.9

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