2014/11/18 19:17

自分のiPhoneに入っている音楽ライブラリや、クチコミ情報、過去の会場へのチェックインなどから、ユーザー好みの音楽イベントを探しだす無料iPhoneアプリ「GODO(ゴードゥー)」。あなたはもう使ってみただろうか? 逃したくない音楽情報を自動的にキャッチできるので、忙しい音楽ファンの心強い味方となるに違いない。

そんな「GODO」が、新たな試みとなるオーディエンス参加型のライヴ・イベント〈EXPRESSION vol.1〉を、6月9日(日)に下北沢THREEで開催した。当日演奏された曲目から、音源化して欲しい曲を来場者がその場で投票、その投票結果1位の曲に加え、出演アーティストが選出した曲をまとめ、ライヴ・オムニバスとして後日音源化するというイベントだ。

今回、OTOTOYではHello Hawk、akutagawa、NETWORKS、malegoatが出演した、記念すべき第1回目の〈EXPRESSION〉のコンピレーションを配信開始! 録音を前提としたライヴという、普段とはひと味違った緊張感の中で行われた今回のイベント。しかし、そんな緊張感を吹き飛ばすほど、エモーショナルなライヴが展開された模様。会場の熱気を感じるイベント・レポートともにお届けする。

>> GODO Official website


V.A. / GODO presents EXPRESSION vol.1 at Shimokitazawa THREE

【配信形態】 (パッケージ左から、DSD+mp3 ver.、HQD ver.) 2.8MHz DSD+mp3 まとめ購入のみ 1,000円
HQD (24bit/48kHzのwav) 単曲 120円 / まとめ購入 1,000円
mp3 単曲 100円 / まとめ購入 800円

【Track List】
01. SSS (Hello Hawk)
02. さかなは鈍感 (Hello Hawk)
03. ヘッドライト (Hello Hawk)
04. 反射 (Hello Hawk)
05. 残像 (akutagawa)
06. 夜明け前 (akutagawa)
07. Co.dak-sun (NETWORKS)
08. Ab-Rah (NETWORKS)
09. resistance activity of brain (malegoat)
10. entire (malegoat)
11. expression (malegoat)

※PASSCODEカードをお持ちの来場者のお客さまへ
OTOTOYにログインした状態で、右上のPASSCODE入力欄に16桁の英数字を入力。[GO]ボタンをクリックすると、0円でダウンロードいただけるパッケージが表示されます。上記、有料配信のパッケージからご購入された場合の払い戻しは致しかねますので、ご注意くださいませ。ダウンロードはPCからのみとなっております。

※2.8MHz DSD+mp3 ver.のパッケージには、楽曲のDSFファイルとDPPファイル、全曲のmp3トラックが同梱されております。DSDの再生環境がないお客さまには、HQDまたはmp3のダウンロードをおすすめしております。

※ダウンロードしたファイルに不備や不明点がありましたら、info(at)ototoy.jpまでお問い合わせください。

2013年6月9日@下北沢THREE GODO presents EXPRESSION vol.1

よく晴れた日曜日の下北沢、会場であるTHREEはオープンすると同時にこの情報を聞きつけた参加者がぞくぞくと集まった。オープン後30分もたった頃、イベント主催者でもあるGODO代表の高山からイベントのアナウンスが入った。なんと今日のイベントは、GODOのアプリをダウンロードし、アプリ内でイベントにチェックインすると、2杯目以降のドリンクがディスカウントされるとのこと! 良い音楽においしいお酒が楽しめるとあって、会場内ではアプリをダウンロードするべく、スマートフォンをいじりだす人が続出(笑)。GODOにはこんな楽しみもあるのだ。 そうこうしているうちに、トップバッターHello HawkのSEが会場内に響く。それを合図にステージの前にはオーディエンスが流れ込む。

Hello Hawk 夏の焦燥感の結晶

Hallo Hawkの3人がステージに登場し、ドラム・ヴォーカル岡田から、手をあげSEを止める合図が出されると「イエー!」とどこからともなく歓声があがる。「こんばんはHello Hawkです」という声と同時に、激しいギターのカッティングが会場を飲み込み、彼らの音の中にぐいっと引き込まれる。

この日の1曲目は「SSS」で幕を開けた。さわやかさのなかに、少しの物悲しさを漂わせるギターが印象的な、夏の夕暮れに似た疾走感にあふれる楽曲だ。続いて間髪を入れず、ドラムのカウントがはじまり、勢いをつけたまま「さかなは鈍感」、サビ後のいきなりの転調がしびれる「ワールドエンダー」、「ヘッドライト」へと続く。「ヘッドライト」では、ベースのチューニングが狂っているというハプニングが発生!!「なんと言って良いやら、録音がある日に限って… 」と張本人であるベース中塚がぼやくと、会場からは笑いが起きる。ハプニングさえあったものの、笑ったあとだからなのだろうか、この曲の歌詞が、さっきよりもスムーズに心にしみ込んだ気がした。そして、ライヴ版では入りのベースのリフがシブい「渚の」、そして「反射」へと続いてゆく。泣くのをこらえるようなギターソロには、思わずぐっと来る。そして最後に、「三度目の夏」が披露され、「ありがとうございました!」という言葉をのこし、はつらつとHello Hawkはステージを後にした。

会場では、Hello Hawkの楽曲投票がさっそく始まった。イベントのコンセプトもあそびごころ溢れるものだが、投票形式も一捻りが加えられていた。会場に置かれたジェンガから、参加者それぞれが一本引き抜いて、引き抜いたジェンガのピースを投票したい楽曲のタイトルの書かれたブースに置く、というもの。また、楽曲のタイトルは、演奏中にリアルタイムに会場内のスクリーンに投影され、確認する事ができるようになっている。ライヴと共に新感覚のバランス・ゲーム投票がスタートしたのだった!

akutagawa 堅牢なゴシック建築のような重厚なサウンド

投票もおちついたころ、2組目akutagawaの準備がととのったようだ。ギター、ベース、ドラムと、それぞれの楽器がなりはじめ、徐々に客席の電気が落ちてゆく。ギターの歪みが会場内に満ちあふれ、akutagawaのステージが幕を開けた。まず披露されたのは、RPGの世界に迷い込んだかと思うほどの世界観、壮絶な曲展開と、夕日の物悲しさを音にしたようなギターのアルペジオが印象的な「陽が沈む」。そして「残像」と続いてゆく。MCでは、このイベントに出演することが決まるまでの裏話が話され、「(主催者の)高山さんから、一人の男としてメールさせていただきました。っていう、オファーのメールが来て(笑)」と、会場を沸かせた。MCが終わると、突如ステージが真っ赤になり、「ハッピーエンド」が始まった。変拍子のオンパレードに、激しくうねるギター、絞り出すように歌うヴォーカルが印象的だ。そしてラストの「夜明け前」。ギターのリフにのって、力強いドラムのキックがずしずしと腹を突く。akutagawaのライヴは、轟音をたてながら、車輪を回転させて進む列車のよう。客席から歓声が上がり、今にも爆発しそうなひりひりとした焦燥感が会場全体を包む。そして最後の美しいコーラスとともに、akutagawaのパフォーマンスは幕をとじた。あと2曲は聴きたい、そう思わせるような圧巻のステージだった。

akutagawaのステージが終わると、次のアーティスト、NETWORKSのセッティングがはじまった。ステージ上には、キーボード、ドラム、ギターが三角形に向かい合うようにセットされる。そんななか、会場では着々と投票が行われている。すると「キャー」という声とともに、ジェンガが崩れる音が! ライヴと同じく、投票も盛り上がっているようだ。

NETWORKS ミラーボールの回る音の無重力空間

SEもなく、NETWORKSの3人がふらりとステージに姿を現すと、拍手と歓声で迎える。静かにキーボードがリズムを刻みだす。後を追うようにハイハット、シンバルが繊細にリズムを刻み出す。ころころと、きらきらと、放射線状に音楽の光をきらめかせながら、曲はどんどん顔色を変えてゆく。「見た限り、初めての方が多いようなのですが、このご縁をありがたく存じます」という挨拶のあと、楽曲は「C」へと続く。水の粒が広い空間に一気に解き放たれたように、勢いよくはじまるこの楽曲。さきほどの「Y」をまばゆく回転するミラーボールとたとえるならば、上へ上へと上ってゆく螺旋とでもいえるだろう。そして、浮遊感のあるシンセが壮大な宇宙空間を感じさせる「A」へと続き、最後に演奏されたのは「D」。綿密に計算され、みっちりとつまったパズルの難しい攻略式のような音の構成が光る。あたりをみると、目を閉じて音に体を委ね、揺らしているオーディエンスたち。回りだしたミラーボールの光は星のようにも見え、宇宙にいるかのような錯覚を覚えた。演奏が終わると、3人はすくっと立ち上がり、会場からわれんばかりの歓声と、拍手で見送られ、ステージを後にした。

malegoat 新曲で新境地を披露

NETWORKSの興奮もさめやらぬなか、いよいよmalegoatの登場だ。スモークと、スピーカーから放出されるギターの轟音に包まれた会場に、ドラムのカウントが高らかに鳴り、1曲目、「nothingness」が始まった。タイトなドラミングに、踊るベース、かけ回るギターは自由だ。甲高いヴォーカルが空間を切り開いてゆく。その後、90年代のストイックなギターリフを思わせる音色が印象的な「resistance」、「matured」、「entire」へと楽曲は続いてゆく。途中のMCでは、Empire! Empire! (I Was A Lonely Estate)とのスプリット7インチのリリースがアナウンスがされ、その中にも収録される新曲3曲がこの日披露されることとなった。新曲1曲目は、メロディアスなギターリフと、ベースとメロディーラインが、瑞々しさと鮮やかさを醸し出す。続いてワルツのようなドラムのリズムにはじまり、ガーリーな甘酸っぱいメロディが胸をくすぐる新曲2曲目。そして新曲3曲目は、アジアの香りを感じさせる湿った空気を含んだものだった。楽曲のはしはしに、どこか懐かしい故郷を思わせるような、そんな印象を受けた。ここまで鳴らされてきた音とは異なる質感に、malegoatの新しい可能性を感じた。その後、「tidying」と続き、最後に「expression」が披露された。最初の1秒から熱量を爆発させ、音、感情、声、身体、すべてを解き放ち、勢い良く暴れまくる。息のあったプレイで120%の力を一気に封じ込め、malegoatのステージは締めくくられた。

ライヴ終了後には、このイベントの主催者である高山から投票と打ち上げのアナウンスが流れる。日曜日、下北沢が眠っても、<EXPRESSION>の夜はまだまだ眠らない。すばらしい音楽を肴に、夜は更け、<EXPRESSION Vol.2>開催への期待は高まるばかりだ。次回の開催を首を長くして待ちたい。

text by 釘田沙來
photo by 高山曜一

セットリスト

〈Hello Hawk セットリスト〉

1. SSS 配信決定!
2. さかなは鈍感 投票同率1位◎配信決定!
3. ワールドエンダー
4. ヘッドライト 投票同率1位◎配信決定!
5. 渚の
6. 反射 配信決定!
7. 三度目の夏

〈akutagawa セットリスト〉

1. 陽が沈む
2. 残像 投票1位◎配信決定!
3. ハッピーエンド
4. 夜明け前 配信決定!

〈NETWORKS セットリスト〉

1. Y (投票不可)
2. C 投票1位◎配信決定!
3. A 配信決定!
4. D

〈malegoat セットリスト〉

1. nothingness
2. resistance activity of brain 配信決定!
3. matured
4. entire 配信決定!
5. call down
6. the midnights lie around
7. blinding song
8. tidying
9. expression 投票1位◎配信決定!

ARTIST PROFILE

Hello Hawk

2007年活動開始の3人組。神奈川県出身。バンド名は SUPERCHUNKの曲名から拝借。都内を中心に活動しつつ、京都のボロフェスタに2度出演したり、METEO NIGHTにも出演。たまに、自主企画や、T.V.not januaryおよび東京スーパースターズと共同企画も開催している。2011年6月、POWER ELEPHANT! より、1stアルバム『さかなの目』をリリース。続いて2013年2月14日には、名古屋のレーベルstiffslackより、『ヘッドライトEP』をリリース! 叙情性とポップネスと文化系男子のぼんやり感をキープしつつ、今日も活動中。

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akutagawa

情景が目に浮かぶ音像と歌詞が織りなす世界観の熱狂的なファンも多い、激情系とかエモとかとっくに飛び越えた5人組。2011年にアルバムをリリースしてからの全国各地における長期ツアーの記憶も新しい。

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NETWORKS

「 嬉しい3人組 」

>>NETWORKS Official website

malegoat

独自の音楽シーンを目下創作中のアウトサイド・オブ東京=八王子シティが産み落とした異端児"malegoat"。彼らの敬愛するCap'n JazzやBraidのインフルエンスと、地域密接形DIYパンク・ロックとの融合とでもいえるユニークなテクスチャーによって吐き出された日本では類を見ないサウンド・スタイル。トリッキーなツイン・ギターリフやアクロバティックな変則リズム、ファニーなスクリーミングとメロディーにも気を配るヴォーカリゼーション、煽るベース・ラインなどエモ / マスロック・ファン層を軸に多くのギターロック・フリーク達の新しいバイブルとなるのは時間の問題。(stiffslack infoより)

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[ライヴレポート] Hello Hawk, NETWORKS, akutagawa, malegoat

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