2013/06/16 00:00

「学生の、学生による、学生のための野外フェス」

「学生の、学生による、学生のための野外フェス」を開催するという目標を掲げ、2011年に結成されたTRIGGER FES実行委員会。団体発足から3年が経ち、ついに今年の夏、日比谷公園の野外大音楽堂とにれの木広場を使って、3000人規模の野外フェスを開催する。「高校生ではないし、社会人でもない、大学生という自分たちと同じ世代に、たくさんの人に演奏を見てもらう機会を提供したい。」そんな思いがTRIGGER FESの根底には流れている。そのための”野外フェス開催”なのだ。

OTOTOYでは、TRIGGER FES 2013 SUMMERの開催に先立って、一般公募の熱戦を勝ち上がった学生アーティストのフリー・コンピレーションを配信。また、出演が決定している3バンドのリーダーを招き、TRIGGER FESへの意気込みはもちろん、学生のバンド事情について、生の声を聞いた。

TRIGGER FES 2013 SUMMER

【開催日】 2013年7月6日(土)
【会場】 日比谷公園・日比谷野外大音楽堂
【OPEN / START】16:00 / 16:30
※トリガースクエア(にれの木広場)は、13:00開場予定

【出演アーティスト】
◎スペシャル・ゲスト
NEW!! OKAMOTO'S、赤い公園、ハルカトミユキ and more...
◎トリガーフェス枠
Goodbye holiday (2012 SPRINGより)
◎学生アーティスト
STELEOGRAM、電波障害、バイバイコヨーテ and more...

【チケット】
前売り 3,000円 / 当日 3,500円
/ にて絶賛発売中
【チケット取扱店舗】
新宿、高田馬場、渋谷、吉祥寺のライヴ・ハウス、音楽スタジオなど

詳細はで

出演学生アーティストのフリー・コンピレーションを配信!!


V.A. / TRIGGER FES 2013 SUMMER COMPILATION

【価格】
mp3 まとめ購入のみ 0円

【Track List】
01. Amber (STELEOGRAM) / 02. Chill (STELEOGRAM) / 03. Alchoholic (電波障害) / 04. Russian Roulette (電波障害) / 05. バイバイ (バイバイコヨーテ) / 06. 12歳から (バイバイコヨーテ)

※配信期間は2013年7月6日まで

TRIGGER FESに出演する学生アーティストはこちら!!

STELEOGRAM

オルタナティヴ・ロック、ポスト・ロック、ポスト・パンク、エレクトロ・ポップなど洋楽、邦楽問わず様々なジャンルの音楽を消化したインディー・ロック・バンド。現在、水戸を拠点として活動中。

>> STELEOGRAM OFFICIAL WEBSITE

電波障害

2011年の暮れに結成後、新宿を中心に活動中。最小限の編成で最大限変わったことをやるというテーマを元にして複雑怪奇かつポップなインスト音楽を演奏しています。

>> 電波障害 OFFICIAL WEBSITE

バイバイコヨーテ

・Vo.バイバイまさや 22歳 宮城県仙台市出身
・Gt.Vo.サナコヨーテ 21歳 広島県福山市出身
・Ba.けんさん 22歳 宮城県仙台市出身
・Gt. Mr.ハウス 22歳 (7月6日以降変更アリ) 宮城県仙台市出身
・Dr.でんしち 21歳 宮城県仙台市出身

【ジャンル】 ハードポップ

【活動開始年】 2012年3月

【結成のきっかけ】
バイバイまさやが以前組んでいたバンドが解散した事がきっかけ。かつてのドラマーと遊びのつもりで結成。山形の同じ大学に通うサナコヨーテのバンドが時期を同じくして解散し、苦労話で盛り上がった末に加入を決める。またもや同じタイミングでMr.ハウスとけんさんのバンドが解散する。そのバンドとはもともと交流があったのでお酒の席を設けると、泥酔した状態でMr.ハウスが加入を決める。流れのままに身を任せた結果、けんさんもなんとなく加入を決める。そして、2度のドラム・チェンジを経てでんしちがヌルッと加入。

>> バイバイコヨーテ OFFICIAL WEBSITE

鼎談 : TRIGGER FES 出演学生バンド

2013年7月6日に開催される〈TRIGGER FES 2013 SUMMER〉は、日比谷公園を大々的に使ったイベント。このトリガーフェスを大学生が全て運営しているというのだから驚きだ。全国で開催された予選を勝ち抜いた3組の学生バンドの出演が決定している。東京の電波障害、水戸のSTELEOGRAM、そして仙台のバイバイコヨーテ。当日はゲスト・バンドとして赤い公園、ハルカトミユキの出演も決定している。今回OTOTOYでは、これから新たな音楽シーンを切り拓き、活躍していくであろう学生バンド3組のリーダーを集めて、鼎談を行った。

音楽を好きで好きでしかたない学生たちが、自らの手で作り上げたこのトリガーフェス。演奏する側にとっても、観る側にとっても、なにかアクションを起こすTrigger(=引き金)となることだろう。

インタヴュー & 文 : 竹島絵奈 (大学3年)

「日比谷」という三文字に目が眩みましたね(笑) (イソケン)

ーーでは最初に1人ずつ自己紹介していただけますか?

鯉渕(STELEOGRAM) : 水戸を拠点に活動しているSTELEOGRAMのギターの鯉渕です。今年から都内に出てこようかなと考えていて活動しています。

イソケン(電波障害) : 3ピース・インスト・グループのギター、イソケンです。我々は歌なしのインストで、“最小限最大効率”をテーマに活動しています。主に新宿モーションを中心にライヴをしています。

まさや(バイバイコヨーテ) : 仙台から来ました、バイバイコヨーテのまさやと申します。僕らはみんなで楽しく踊れる音楽をやっています。ツイン・ボーカルです。以上です。よろしくお願いします!

ーーよろしくお願いします! トリガーフェスは学生主催で、学生のバンドが出るフェスということで、まずトリガーフェスに応募した動機をお聞きしたいのですが。

鯉渕 : 去年の年末にセカンド・ミニ・アルバムの「CAMP」を出して、それが僕らとしてはやりたいことのベクトルが立てられたアルバムで。それをベースに都内に出ていきたいなと思っていたんです。僕らは水戸で活動しているので、都内のどこのライヴ・ハウスに進出したらいいかを悩んでいて。僕、インターネットで音楽を漁るのが日課なんですが、漁っている途中にたまたまトリガーフェスを見つけて、「日比谷に出れるんだ!」と思って応募しました。

ーーインターネットで音楽を漁るという行為がもう日常と化してきますよね。自身のバンドの楽曲もネットにあげてるんですか?

鯉渕 : はい、BandcampとSoundcloudにはあげてますね。やっぱり多くの人に聴いてもらいたいと思ったらネットにあげるのが一番効果的ですね。

STELEOGRAM

ーーそこから新しい音楽に出会う機会も増えてきてますよね。イソケンさんは、なぜトリガーフェスに応募したのですか?

イソケン : 完全に”日比谷”という三文字に目が眩みましたね(笑)。前回のトリガーフェスの内容を見て、すごいいいバンド呼んでるなと思ったし学生が全部作り上げるっていうコンセプトもいいなと思って。

まさや : … みんなめっちゃしっかりしていますね! 僕は全然音楽がわからないんですが、”日比谷”っていう単語だけ知っていて。そうしたらちょうどトリガーフェスがあったので応募しました。… というか僕が知らないうちにメンバーが応募していました。いっつもバンドの情報、僕が最後に知るので(笑)。

ーーあれ? まさやさんがリーダーなのでは… (笑)。

まさや : そのはずなんですが(笑)。ライヴとかもメンバーがTwitterで宣伝しているのを見て知る感じなんです。でも後付けな動機にはなりますが、単純に日比谷に出てみたかったっていうのが大きいです。

ーーやはり“日比谷”ですね。ここにいる皆さんの共通項が“学生バンド”、そして主催側もすべて学生で運営しているフェスなのですが、学生というとお金はないわ、授業もあるわ、バイトもやらなきゃで。そういう状況のなかでどういった面で“学生バンド”としての苦労を感じますか?

鯉渕 : 僕らのバンドはみんな大学院生なんですが、学校があるから会える時間も限られているので、全員が集まる時間の確保というところで一番苦労しますね。会えない分はネット上の通話で解消しています。あとは練習にかかるお金の問題もあるんですが、そこはベースの子がスタジオでバイトしてるので、そういうところをうまく活用していますね。できるだけ苦労は最小限に済ませるように心がけてます。

イソケン : 僕らの場合、一番はお金ですかね。月末はいつも借金するということの繰り返しなんです。あと大学に入ってるとサークルだったり勉強だったり、バンド以外にもいろいろやることがある。そのときどきで一番やんなきゃいけないことが変わるので、それぞれの足並みを揃えるのが大切だなと思う反面、難しいなとも思います。

ーー意外とバンドに一点集中というわけではないんですね。

イソケン : メンバーみんな結構バラつきがあるので、そこは意識を統一するようにしてますね。

電波障害

ーーバンド以外のそれぞれの活動を尊重しているんですね。まさやさんはどうですか?

まさや : うちはもう、完全に僕がネックになっていて… 。

一同 : (爆笑)

まさや : 僕、美大なんです。映像学科に所属して実写映画のスタッフとして活動していて、長期の現場になると3か月帰ってこれなかったり夏休みまるまる潰れたりしてしまいます。だから時間の兼ね合いを取るのがすごく難しいですね。

ーー時間が合わなかったり、まさやさんが現場に行ったりしていると、メンバー間での意識のズレとかは起きてしまわないんですか?

まさや : 僕が現場行って感化されたこととかを共有して音楽に還元したりしているんです。あと現場に行っている間にも曲は絶対作るので、そういうのは出先でメール送ったりして。あとはSkypeで連絡とってますね。だから意識のズレはあんまりないと思います。

ーー金銭面はどうですか?

まさや : かなりきついです。やってることがバンドとバイトだけではないので。

ライヴ・ハウスとの関係、バンド同士の関係について

ーー金銭面の話でいうと、ライヴ・ハウスのノルマ問題がありますよね。ノルマ制度に対してなにか思うことはありますか?

まさや : 俺はいいと思うけどなー、ノルマ制。

イソケン : ライヴ・ハウスもやっていけないしね。

鯉渕 : バンドがライヴをやらせてもらう場所がないと、バンドは続けられないですしね。

イソケン : やり方次第だと思うけどなあ。アメリカとかライヴ・ハウスとは別に休憩できるカフェがあって、そこで食べ物を提供して経営が成り立ってるから、集客できなくてもバンドにギャラが出るらしいんですよ。日本ではその点土地自体も狭くてそういう場を作れないからノルマ制が定着しているのかなあと思います。でもノルマ制自体に反対ではないですね。一回、ノルマを基本的にとらないライヴ・ハウスでやったんですけど、そのとき俺らは「別に集客しなくていっか」ってなりましたもん。本当は観に来る人最優先だから、そういうこと考えちゃいけないんだろうけど、正直集客するという意識は低くなってしまいます。

まさや : 僕もスタジオで働いているので、ライヴ・ハウス側の苦労はすごくわかります。お客さんを呼ぶ気がないバンドもいっぱいいるし。あんまりお金が欲しいと思ってお客さんを呼ぶ人って少ないと思うんですが、あまりにも集客に対して無頓着すぎる人だとちょっとなあ…って思いますね。僕もノルマ制大賛成だし、それがなくなっちゃうと演奏できる場がなくなってしまうので。バンドとライヴ・ハウスでうまくバランス取れればなって思います。

バイバイコヨーテ

ーーやはりバンドとライヴ・ハウスとでお互いが支えあっていくべきだという意識をみなさんお持ちなんですね。

イソケン : やっぱりひとつのハコでずっと頑張ってると信頼関係が生まれると思うんです。じゃないと他のバンドとの輪もできないし。トリガーフェスは特殊ですが、基本的にはそういう横のつながりからライヴに呼んでもらったりするので… 。

鯉渕 : 横の関係はやっぱり大事ですよね。やっぱり頑張ってるバンド同士が自然と繋がっていきますね。

まさや : うちもハコのなかで横のつながりができてますね。やっぱり店長さんと仲良くなると、「こういうバンドが来るんだけど出てみない?」とかって誘ってもらえますね。うちら地方なので、都心から大きいバンドが来たときに出してもらえるっていうのがメリットとしてありますね。

鯉渕 : それこそ茨城の水戸だとライヴ・ハウスに来るお客さんっていうのがまず少なくて、有名なバンドでも出ない限り、お客さんってなかなか来ないんです。だからつながりを作っていかないと、まず見てもらえないっていうのはありますね。

ーー地方のライヴ・ハウス事情っていまどうなっているんですか? ライヴ・ハウス行くという行為自体、定着していないイメージがあるんですが… 。

鯉渕 : そもそも、地方にいる学生でオリジナルやってるバンドがなかなか少なくなってきていますね。みんな東京に出て行っちゃうし… 。地元から発信するバンドが少なくなってきているから、ライヴ・ハウスに行く文化がどんどんなくなってきていると思います。地方をどうにかしたいという思いが僕らにはあるので、水戸でやってても全国に発信できるっていうのを証明して、地方を活性化したい。そして多くの人が音楽をやってほしいなと思います。でも仙台だと都心だから水戸とは状況が違うんじゃないかな。

まさや : 仙台はオリジナルのバンドがたくさんいますね。オリジナル・バンド同士で闘ってるイメージ。

電波障害 イソケン

ーー地方といえど仙台ではバンド活動が盛んなんですね。

まさや : アングラやサブカル系界隈や歌もの界隈、パンク界隈と大きくわけて3つのジャンルが勃興してますね。

イソケン : 関東だとライヴ・ハウスが多いから、細分化してるなっていうのは思います。ハコ同士が横でつながることってあんまりないように思えますね。まあ逆に統一性があっていいというのもあるんですが。

鯉渕 : あと、逆に地方の方がチャンスあるんじゃないかなあっていうのは思います。東京にはライヴ・ハウスもバンドも多いから、埋もれちゃうかもしれません。

ーー東京はチャンスを掴みやすいようで意外に掴みにくいんですね。でもいまはネットで音楽を聴いてもらうこともできる時代で、距離的な問題はあまり感じなさそうですね。

鯉渕 : そうですね。距離的な不便さみたいなものはほとんど感じていないですね。ネットを通じて僕らの音楽を聴いてくれて、ツイッターとかで反応してくれる人もいます。

イソケン : ネットは炎上とか誹謗中傷とか怖い部分もあるけど、上手く使って音楽知ってもらえたらいいよね、俺らネット世代なわけだし。

どうやって音楽を続けていくのか

ーー話は変わりますが、みなさん今何年生ですか?

鯉渕 : 大学院の2年生です。

イソケン : 大学3年生です。

まさや : 大学4年生です。

ーーこれくらいの時期になると、やっぱり就職をどうするのかがみなさんのなかで大きな悩みになってくると思うんです。名の知れたバンドでも仕事をしながら音楽活動を続けている人も多いなかで、皆さんはどういう選択をされていくかお考えですか?

鯉渕 : それこそ僕らは院生の2年なので今就活シーズンまっただなかなのですが、それに向かう前までに音楽とどう向き合っていこうか、続けたいからどういう風にやっていったらいいかをメンバーみんなで話し合ったり、先輩のバンドに話を聞いたりしました。どのバンドに訊いても「最初は絶対仕事したほうがいい」ってアドバイスくれるんです。いまは音楽だけで食っていくのが難しい時代だから、僕らとしては最初は仕事と音楽両立してやっていこうと思っていて。それこそ仕事の方は定時上がり土日休み、みたいなのを条件に探してますね。音楽が滞らないように、音楽を優先できるような仕事を探してます。

バイバイコヨーテ まさや

ーーバンド内では「音楽だけではやっていけないだろう」という共通の認識はあったんですね。

鯉渕 : 一番最初は「音楽だけでやってこうぜ!」とか思ってたんですけど、どの先輩バンドにも止められました。ただ、仕事しながらだと土日にツアー周ったりとかになると思うんですが、土日って企画が多いからなかなかハコを取れないんです。だからいまこうやって自由に動けるうちに名前を売っていけたらなあと思っています。

ーーそれこそトリガーフェスは名前を広める絶好のチャンスですよね。イソケンさんはどうですか?

イソケン : 俺らは結構後先考えないでやってるんですが、それでもやっぱり就職はしたいですね。というのも僕が一番リスペクトしているのが、ASIAN KUNG-FU GENERATIONなんですが、アジカンの後藤さんがインタヴューで「仕事しないと金入んないし、金がなきゃバンドなんてできない」って言っているのをみると、やっぱりそうなんだなって思う。

ーーそれこそ後藤さんは最初サラリーマンでしたもんね。

イソケン : そうですね。割と僕ら自身の音楽が、インストというかアングラだし、変拍子でノりにくいし、仮に売れるってことを考えたら大衆に寄せるってことをしなくてはならない。僕の推測なんですけど、メジャーでやっている人たちはうまく大衆に寄せつつ自分たちのやりたいことと帳尻併せてやってるのが楽しいって思ってる人たちだと思っています。そういう意味では学生バンドって「売れなきゃ!」っていう意識がなくても大丈夫だと思うので、やりたいことを存分にやれるっていう部分では学生バンドは強いと思います。

鯉渕 : やっぱり音楽は商品としてではなく作品として作りたいという思いが強いので。いまって音楽が消費になってますよね。

イソケン : バンドのサイクルがどんどん早くなってる気がする。ロッキンオンジャパンのフェスとか、毎年出るビッグネームは変わらないけど売れはじめて出演するバンドが2、3年ごとにどんどん入れ替わっているなあと思います。デビューするバンドが多い分、減っていく数も多いなと感じます。

ーーまさやさんは就職に関してどうですが?

まさや : 美大なので、もともと就職口が微々たるもんなんです。僕は大学大好きだし、大学で学んでる映像のことも大好きなので最初それを仕事にしたかったんですが、音楽が出てきて、たまたま遊びでやってたのがすげえ楽しくなっちゃって日比谷にも立てちゃうことになって…だからいま天秤にかけている状態ですね。いま悩んでます。ただ、親がねえ… 。

STELEOGRAM 鯉渕

ーーやっぱり親からは「就職しなさい」と言われてるんですか?

まさや : 言われてます。まず音楽やってること自体、快く思ってないので… 。うちのドラムが普通に社会人でシステム・エンジニアやってるのを見ると、仕事しながら音楽やれるんじゃないかな? って思いますね。でも全員が全員社会人になっちゃうとそううまくもいかなそうですよね。

ーー確かに全員が社会人になってしまうとバンドが上手く機能しなくなってしまう危惧も十分ありますよね。

鯉渕 : あと一番大切な部分なんですが、バンドって音楽以外の部分も考えないと破綻しちゃう。だけど学生バンドってそこが一番話合えてないところだと思うんです。それで続けてくると就職問題とかでつまづいてしまう。だからそこは固めておかないとバンドが続かないと思います。

ーー学生は社会人に比べてすごく自由だけど、バンドをやる上ではその自由にかまけすぎていると問題にぶち当たった時に破綻していってしまいますね。

イソケン : 僕らは実際いまぶち当たりそうですね… 。先輩バンドに話は聞いてたんですけど、やっぱり実際自分らが就活シーズンに差し掛からないとどうなるか分からないなと思って。その時肌で感じだシビアさとかで決めようかなと思っています。あと今年どれだけバンドで成果出せるかっていうのも決め手になると思います。いまは目先のチャンスに飛びつく時期なので。

まさや : うちは就職とかそういうので頼れる先輩がいなくて。芸術系は就職先がないので、メンバー間でそもそも話さないですね。メンバーみんな、一応東京に出るつもりではいるようなので。まだバンドのキャリアがないから仙台で名前を広めてから東京に出ていきたいなっていうのはありますけどね。

3000人全員躍らせるような演奏をしたい (まさや)

ーーかなり三者三様ですね。シビアな話はここらへんにして、トリガーの話に移りましょう。みなさんは音源審査、ライヴ・ハウス審査と厳しい審査を通ってきたんですよね。ライヴ・ハウス審査の雰囲気はどうでしたか?

鯉渕 : 僕らライヴ・ハウス審査が今年初めての東京だったので、アウェーすぎてちょっとつらかったですね(笑)。だけどいい結果が出たから安心しました。

まさや : 僕らは予選やるライヴ・ハウスが超ホームだったので、めっちゃ楽しくライヴできましたね。モッシュも起こってた!

イソケン : 僕らが出た日はすごいハートフルでしたね。基本的に俺は鼻水たらして汗もヤバいので、前のほうで観たがるお客さんがいないんですが、その日は音出ししてるときから前に来てくれましたね。反応もすごくよかったし。

ーーみなさん。日比谷に立つ意気込みはどうですか。

イソケン : いままでに気合い入るライヴは結構あったんですが、失敗できないライヴって初めてなので、そういう意味では気張ってますね。

鯉渕 : 3000人という人の前でやるなんて、まだ全然実感がないです。

イソケン : いままで室内で鳴らしていて、ハコ鳴り感を大事にしてきたので外で鳴らしたときにどういう反応になるかなあって思いますね。外で鳴らすという意味での大衆寄せはしなきゃなって思います。

まさや : 僕は物を壊さないように気を付けます(笑)。予選の時にちょっと照明をやっちゃったので… 。

TRIGGER FES 2012 WINTER ENDING
TRIGGER FES 2012 WINTER ENDING

ーー日比谷でやったら大変なことになりますね(笑)。初めてバンドのサウンドを聴くという人も多いと思います。そういった方面へのアプローチも練っているんですか?

イソケン : 僕らは割と衝撃残して帰ろうって思ってます。もともとインストだし、聴かせる! って感じでもないので、わかりやすいポイントを押さえつつびっくりさせたいですね。

鯉渕 : まだ具体的なアプローチの仕方は考えてないのですが、自分たちが好きなものを好きだって自信持って言えるような音楽をやりたいっていうのはあるんです。だからそこは大事にしていこうかなと思っています。いつものライヴ・ハウスでも3000人の日比谷でも、僕らが好きなのはこういう音楽ですって一人一人に提供できるようなライヴをしたい。

まさや : とにかく楽しくやれればいいっす!

ーーでは最後に学際主催のトリガーフェスに対する思いをお訊かせください。

鯉渕 : スタッフさんがすごい音楽に熱意をもって取り組んでいて、イベントの雰囲気もすごくいいと思うんです。貴重な機会を与えてくれたんだから、当日はいいライヴをやって恩を返せたらなと思っています。

イソケン : 音楽を本当に好きな人たちがやっているイベントなんだなって感じてます。僕が主催側だったら絶対電波障害なんて変なバンド出さないし(笑)。本番でいいパフォーマンスしたいと思ってます。

まさや : 僕らはもともとパフォーマンス集団なので、いつも通りやれればいいです。いつも通りやるのが一番いいと思う。その日のために特別にって、僕らはできないと思うのでその日のテンションに任せて3000人全員躍らせるような演奏をしたいです。学生でこんだけでっかいことやるってすごい労力かかることなのに、実現したことって本当にすごいから今後も応援してます。

ーー日比谷でのイベントが成功して、これからもっともっとおもしろいことをやってくれるのを楽しみにしています。皆さん今日はありがとうございました!

一同 : ありがとうございました!

[ライヴレポート] STELEOGRAM, バイバイコヨーテ, 電波障害

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