2013/05/16 00:00

2013/5/15~5/24の注目2作品をレビュー!!

今週も沢山の新譜が入荷しました! 全部は聴いていられない! そんなあなたのために、このコーナーでは、OTOTOY編集部がオススメする今週の推薦盤を2~3枚ピックアップし、ライターによるレビューと共にご紹介いたします。 音源を試聴しながらレビューを読んで、ゆったりとした時間をお楽しみください。あなたと素敵な音楽の出会いがありますよう。

COASARU『変身』


COASARU / 変身
【配信形式】
mp3、wav

【価格】
mp3 単曲 200円 / アルバム 1,800円
wav 単曲 250円 / アルバム 2,000円

これまでのヒップホップの概念にとらわれない活動で、ヒップホップ好きな人はもちろん、他のジャンルが好きなリスナーからも注目を集めているレーベル、LOW HIGH WHO?。そのレーベルの主宰者であり、同時にラッパー、画家、映像作家、アニメーターなど様々な活動をしているParanel。彼のビートメイカー名義、COASARUが最新作『変身』をリリースした。

今作においてCOASARUが意識したのは、心も身体も踊るということ。実際に聴いてみると、イーヴン・キックのリズムが多く使われており、全体を通して自然と身体が動くビートが刻まれている。ミックスCDのように曲間がほとんど途切れず、これをそのままDJでかけても通用するほどのできばえだ。COASARU名義でのリリースは今作で3作目となり、前作『分裂』に引き続き、Jinmenusagi、Momose、kome、そしてParanel自身が、また1997年3月生まれで現在16歳の話題の女子ラッパー、daokoを含む総勢16組が参加している。様々なラッパーの参加は、まだ知られていない隠れた逸材を知ってもらいたいというCOASARUの思いが込められているのではないだろうか。(text by 益子直人)

サトウヨシアキ『Like It Was Yesterday』


サトウヨシアキ / Like It Was Yesterday
【配信形式】
mp3、wav

【価格】
mp3 単曲 250円 / アルバム 900円
wav 単曲 300円 / アルバム 1,200円

北海道出身のサトウヨシアキの3年ぶりのニュー・ミニ・アルバム。6曲入りの本作は、全体的に彼の声がひきたつ優しいポップさが特長。スペーシーなシンセサイザーで幕を開け、ドラムのビートとギターの響きが80年代ポップスを思わせる「You'll Be」は、透明感のある声が疾走感あるグルーヴに乗り、なんとも心地いい。持ち味である高音のファルセットも「もう一度笑って」でたっぷりと聞かせる。「Back To August」では繊細なピアノやストリングスがドラマティックだが、個人的には最もシンプルな「Bridges」での甘くて泣かせるギターとヴォーカルの絡みもぜひオススメしたいところ。前曲を受けて、静かなドラミングから始まり、だんだんとピアノやギター、コーラス・ワークで壮大な世界観を展開していく「A Little Scattered」。このナンバーは、彼のヴォーカルの実力を証明する仕上がりで、ラストを飾るのにふさわしい。また、英詞が中心だが日本語詞の2曲、曲が進むとともに時間の流れを思わせる「もう一度笑って」や、<駄菓子屋の前/ひなたに忘れもの>などの情景描写が印象的な「マタネノアイズ」は、手に届かない懐かしさや切なさの正体に触れるような、はっとするものがある。粒揃いの秀作! 彼の今後の活動に期待しつつ、じっくりと聞いて欲しい。(text by 岡崎千紘)

この記事の筆者

[レヴュー] COASARU, サトウヨシアキ

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