新メンバーを加え、新しく生まれ変わったTam Tamの最新アルバム『Polarize』がリリース。前作の『meteorite』から10ヶ月という短いタームで完成させた今作は、全曲でシーケンスを導入し、アンサンブル面でも新たな展開にチャレンジした意欲作となっている。


Tam Tam / Polarize

【販売価格】
mp3 単曲 200円 / アルバム 1,200円

【TRACK LIST】
01. Polarize / 02. Hippopotamus / 03. Quiet Town / 04. Moonlight / 05. Hero / 06. Apple

Tam Tamはダブの可能性を追求している

20代前半の5人で構成されるTam Tamは、レゲエやダブをやりたいと話をして始まったバンドだという。プロデューサーにLittle TempoのHAKASE-SUNを迎え、オーセンティックなダブを目一杯展開したファースト・アルバム『meteorite』は、Tam Tamが活動をスタートさせたときの思いをストレートに表現した作品だった。そんなファースト・アルバムから10ヶ月という短いインターヴァルでリリースされる『Polarize』において、サウンドは大きな変化を遂げている。ポスト・ダブステップのクリエイターがダブをベースにしながら、ダブには収まりきらない音楽を展開したように、『Polarize』もダブの枠に収まる作品ではない。エレクトロニカや音響系から、ポスト・ダブステップやベース・ミュージックあたりにまでアクセスしている。

photo by T.Karisyu

ドラムとベースが繰り出す重心の低いサウンドやリズムの感じはたしかにダブである。そこにエレクトロニカや音響系から引っ張ってきたと思われる、艶のあるストリングスや明滅する光のごときシンセサイザーのフレーズ、ダブやレゲエのシンガーのシブい歌声とは対極にある、黒田さとみの瑞々しい歌声が乗っかっていく。Submotion OrchestraやActressなどといった、ポスト・ダブステップの流れの中にいるバンドやクリエイターの作品をお気に入りに挙げているメンバーもいて、それらの音楽からの影響もある。とは言っても、様々な音楽の要素を意識して取り込んでいったのではないように思える。自分たちが思うダブをやったらこうなったというような、自然体で作られた印象を受ける。そのようにして生み出されるのは、輝く夏の太陽の下で鳴らされるダブではない。湿り気を含んだ夏の風が吹く穏やかな夜に鳴らされるダブだ。

近年数多く生まれたポスト・ダブステップのクリエイターたちは、ダブをいろいろな音楽に接続させていった。あるものはダブをアンビエントに接続し、あるものはダウンテンポに接続する。そしてあるものはデトロイト・テクノに… といった具合に、ダブを様々な方向に押し広げていった。それはダブの可能性の追求とも言えるものだった。この作品もその中のひとつだ。Tam Tamはダブの可能性を追求するバンドなのである。(text by 小澤剛)

photo by T.Karisyu

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>>>Tam Tamのライヴ音源特集ページはこちら

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PROFILE

Tam Tam(タム タム)
2008年12月結成。

黒田さとみ : ボーカル、トランペット、鍵盤ハーモニカ
小林樹音 : ベース
高橋朋之 : ドラムス
川村知未 : キーボード
鈴木雄介 : ギター
ライヴではこの他にサポートとして石本聡が加わる。

ボーカル黒田さとみを軸に、強力なリディムセクションがボトムを支え、ギター / キーボードが彩りを添えるバンド・サウンドは、ベース・ミュージック・シーン、インスト・ロック、ジャム・バンド界隈からも厚い支持を得ている。2010年5月に制作したオリジナル2曲、リミックス3曲入の自主制作CDRが局地的に話題となり、噂を聞きつけた「あらかじめ決められた恋人たちへ」のライヴ・ダブPAもつとめる、maoレーベルのオーナー石本聡がライヴを見に行き一目惚れ。自ら志願しPAを担当するなどレーベルをあげて全面的にバック・アップしはじめる。2011年2月3日に自主制作ミニ・アルバム『Come Dung Basie』をDIYリリース。自主制作にも関わらずiTSの「今週のシングル」に楽曲が取り上げられ、レゲエ・チャート4位になる。アルバムへはこだま和文 from Dub Station、大石始、カツオ(渋谷タワーレコード2Fレゲエ・コーナー)、クリテツ(あらかじめ決められた恋人たちへ)、浅野裕介(asana/BEMBE)、吉川真緑(microshot)がコメントを寄せ、ミュージック・マガジン、indies issue、Quick Japanにアルバム・レビュー掲載。その後もコンスタントにライヴ活動を続け、2011年に行った3回の自主開催イベントではいずれも100人以上を動員。同年末に西麻布新世界で行われたカウントダウン・ライヴではリクルマイバンド、AO INOUEらとの共演も果たした。2012年5月、プロデューサーにLittle TempoのHAKASE-SUNを迎えて制作された、初の全国流通版となるフル・アルバム『meteorite』をリリース。タワーレコード渋谷店では発売後3日で売り切れるなど好調なスタートを切る。あらかじめ決められた恋人たちへ、fragment、風間杜夫(!!)等錚錚たる面々から賞賛のコメントが届き、またtwiitter上では偶然音源を聞いたBase Ball Bearのメンバーが絶賛のツィートを残すなど、レゲエ / ダブの枠を飛び越えて幅広いシーンにその存在を知らしめつつある。同作からはアナログ盤シングルとなるDry Ride ep、アルバムのダブ・バージョンとなるmeteorite DUBWISEが関連作品としてリリースされている。同年6月から7月にかけて東名阪のリリース・ツアーを決行。ファイナルとなった7月7日の東京公演では200人近いオーディエンスの前で90分のロング・セットを決行し見事成功をおさめた。その勢いのまま7月28日には彼等自身初となるフジロックのステージを踏んだ。満員のオーディエンスの前でTam Tam流DUBを余すところなく披露し、2013年のメイン・ステージ出演をかけた一次投票で見事1位を獲得。今後の飛躍がますます期待される。2012年8月7日、OTOTOYから配信限定で7/7Release Partyの模様を収めたライヴ盤をリリース。2013年3月ニュー・アルバム『Polarize』リリース。

Tam Tam HP

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