古典への執着と自身のルーツ


ダニースミス・プロジェクト / The Roving Recorders

【TRACK LIST】
01. I'm So Lonesome I Could Cry
02. Talk About Suffering
03. I Saw Three Ships

販売形式 : mp3、wav
販売価格 : 単曲 200円 / アルバム 500円



放浪するレコーダー。連れはマイク1本。9月にアナログのみでリリースされ、“中村まり”やTurntable Filmsから絶賛された2ndアルバム『HEARTLAND REVISITED』から僅か3ヶ月での新録音は、全篇フィールド・レコーディングによるデジタル・ダウンロード作品。廃線トンネル、駅舎、荷捌場跡など様々な場所を巡り、マイク1本を囲み1発録音。殆ど編集を施さず響き・風音・足音といったその場の空気がそのまま収録されている。ハンク・ウィリアムス 「I'm So Lonesome I Could Cry」、スピリチュアル「Talk About Suffering」、クリスマス・ソング 「I Saw Three Ships」、3つの英米トラディショナルが、日本の廃墟で真摯に継承されていく様を捉えたドキュメント。


音楽シーンを変えようとしているバンド

こういう音楽のことを放浪の音楽と言うのだろう。東京都内を中心に活動を行う日本人の男女5人からなるダニースミス・プロジェクトは、廃線や廃墟でこの作品のレコーディングを行った。旅に出て制作した作品なのである。その制作の様子の一部をYouTubeで見ることができる。バンジョーやハーモニウム、ウッドベースやヴァイオリンなどの生楽器を持ったそれぞれのメンバーが、不思議な雰囲気が漂う寂れた場所で演奏する光景がとらえられている。そこで奏でられている音楽は、生まれる時代を間違えたかのような古のフォーク・ソング。そこにはほんわかとした人懐っこさがありながらも、ヒリヒリとした痛みみたいな生々しい感触がある。

『アンソロジー・オブ・アメリカン・フォーク・ミュージック』なる、1920~30年代にかけてのアメリカの大衆音楽をまとめたコンピレーション・アルバムがある。1920~30年代というと、エルヴィス・プレスリーやビートルズが登場する前のことだ。そんな時代の音楽を集めた『アンソロジー・オブ~』はスフィアン・スティーヴンスやブライト・アイズから、アニマル・コレクティヴやフリート・フォクシーズなどといった、2000年代以降の音楽シーンを劇的に変えたと言われている数多くのバンド / アーティストに影響を与えた。その作品を手がけたアメリカの音楽研究家であり映像作家、そして音楽家でもあったハリー・スミスに敬意を表して、ダニースミス・プロジェクトは2008年に活動を開始した。彼らは前述したアメリカのバンド / アーティストに通じる感覚を持っている。音楽シーンを変えようとしているバンドのひとつなのかもしれない。(text by 小澤剛)

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PROFILE

ダニースミス・プロジェクト

米国の芸術家ハリー・スミスに敬意を表し2008年3月結成。ハリーが愛した英米伝統音楽への憧憬を昇華し、それらを独自の方法で表現することを目指す。2010年7月に待望の1stアルバム『THE INSTANT MUSICAL』をリリース。本作にはブリティッシュ・フォークの伝説ヴァシュティ・バニヤンが自らコメントを寄せている。その後もモナレコードのコンピレーションへの参加、Summer Sonic 2011への出演等、次第に活動の幅を広げている。2012年9月には2ndアルバム『HEARTLAND REVISITED』をLPのみでリリース。

>>>ダ二ースミス・プロジェクト official HP

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レヴュー

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