2005年、J・マスキス、ル―・バーロウ、マーフのオリジナル・メンバーで奇跡の再結成を果たしたDinosaur Jr.が、3年ぶり通算10作目となるアルバムを完成させました。兼ねてからレコーディングの模様がメンバー自身のツイッターで発表されていた本作。濃厚なダイナソー・サウンドが炸裂しています。リー・ラナルド(ソニック・ユース)ソロ作やレッド・クロスの15年ぶりの復活作発表など、オルタナ界隈が活気付く中、遂に本命バンドが動き出します!

USオルタナの金字塔、3年振りのニュー・アルバム

Dinosaur Jr. / I Bet On Sky

【Track List】
1. Don’t Pretend You Didn’t Know / 2. Watch The Corners / 3. Almost Fare / 4. Stick A Toe In / 5. Rude / 6. I Know It Oh So Well / 7. Pierce The Morning Rain / 8. What Was That / 9. Recognition / 10. See It On Your Side / 11. Black Betty

【販売形式】WAV / mp3

【販売価格】1,500円(WAV / mp3ともに)

グランジの生き証人、期待に違わぬ「いつも通り」の新作

ダイナソーJr.の新作。それは、「どうせいつも通りなんだろ」という逆説的な「期待」に他ならない。

たとえ1曲目の「Don't Pretend You Didn't Know」でメロトロン(!)がフィーチャーされていたとしても、たとえ昨年のJ・マスキスのソロ作(純然たるソロ作としては初作)が素晴らしく歌心溢れるアコースティック作品であったとしても、今作は聴き進めれば聴き進めるほどいつものダイナソーである。Jは、ザ・バンドのリチャード・マニュエルのようなほのかに哀しみを含んだ声でボソボソと弱々しく歌いながら、ビッグ・マフで歪ませたギターをブイブイ鳴らしている。ブリッジ・ミュートでザクザクと8分を刻みながら、盛大にギター・ソロをキメまくる様は、一歩間違えればもはや絶滅危惧種となったハード・ロックそのものである。そういった相変わらずさを求めるファン心理は、決して「諦め」であるはずもなく、「ひょろい歌声と轟音ギター」という珍妙なコンビネーションはダイナソーをダイナソーたらしめる欠かせない要素であり、それは水戸黄門的な大いなるマンネリズムによるカタルシスをもたらすのである。

さらに、今作には現在のダイナソーJr.がグッド・コンディションにあることを示す曲も収められている。それは、アルバム中盤、ルー・バーロウ作のストレートなロックンロール曲「Rude」と、それに続くJ作の「I Know It Oh So Well」である。「Rude」は、アルバム全体の中で、さらにはダイナソーJr.の歴史の中でもかなり浮いた印象があるほど快活な曲だ。Aメロの後半で、これまたブイブイと歪ませたリッケンバッカーと思われるルーのベースが、興に乗って思わず歌い出してしまうほどである。そして、この曲に続く「I Know It Oh So Well」では、Jが負けじとブルース進行の爽快なロック・チューンで応戦。しかも曲の後半では、ストーンズばりの伝統的なギター・バッキング&ソロさえも披露してしまう(そういえば新作のインタビュー映像では「ベロTシャツ」を着た姿も…)。

自らのルーツを躊躇いもなく無邪気に取り入れるだけの余裕があるということは、バンドの状態もかなり良好なものに違いない。11月にZepp DiverCity Tokyoで開催される”Hostess Club Weekender”で、四半世紀変わらぬJのゆるキャラっぷりを目撃せよ!(text by 青野慧志郎)

LIVE INFORMATION

Hostess Club Weekender
2012年11月3日(土) & 4日(日)@Zepp DiverCity Tokyo
DINOSAUR JR / THURSTON MOORE / FUCKED UP / ...AND YOU WILL KNOW US BY THE TRAIL OF DEAD / LOCAL NATIVES / POP ETC / THE WAR ON DRUGS / CLOCK OPERA / DEAP VALLY …and more
Ticket : ADV 1Day 7,900円、2Days Pass 13,900円(税込/各日1ドリンク別)

RECOMMEND

J MASCIS / Several Shades of Why

説明不要、ダイナソーJr. のフロントマン、J・マスキスの15 年振りとなるソロ・アルバム。ダイナソーJr. の轟音とは対照的な途方もなく美しいアコースティック・サウンドに乗るJ の途方もなくやるせないヴォーカルがあまりに素晴らしい、文句なしの傑作!

>>>J MASCIS『Several Shades of Why』特集はこちら

Animal Collective / Centipede Hz

2009年『メリウェザー・ポスト・パヴィリオン』が大絶賛され今や全世界の音楽ファンの間で絶大な支持を得る音楽集団アニマル・コレクティヴが、約3年振り通算10作目となる待望のニュー・アルバム『センティピード・ヘルツ』を日本先行リリース!

>>>Animal Collective『Centipede Hz』特集はこちら

Kurt Vile / Smoke Ring For My Halo Deluxe Edition

ソニック・ユースのサーストン・ムーアとキム・ゴードン夫妻、Jマスキス(ダイナソーJr)、パンダ・ベア(アニマル・コレクティヴ)、ブラッドフォード・コックス(ディアハンター)など、名立たるアーティストが大絶賛する米フィラデルフィアの若きシンガー・ソングライター、カート・ヴァイルによる4thアルバム!

>>>Kurt Vile『Smoke Ring For My Halo』特集はこちら

PROFILE

Dinosaur Jr.
米マサチューセッツ州出身、J・マスキス(G,Vo)、ルー・バーロウ(B)、マーフ(Dr)の3人組バンド。1985年にデビュー。1989年『バグ』発表後ルーが脱退。1991年の『グリーン・マインド』が世界的に大ヒットしニルヴァーナ等と共にシーンを牽引。その後マーフが脱退。バンド解散の1997年までに通算7枚のアルバムを発表。しかし、2005年にオリジナル・メンバーで再結成し、その後2007年に再結成アルバム『ビヨンド』を発表、2009年には9作目『ファーム』を発表し話題となる。 2012年9月、通算10枚目となる新作を発表。

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レヴュー

【REVIEW】生活を彩る音楽隊、フィクションに誘い込むトイ・ポップ──Ribet towns『フラッシュフィクション』
[CLOSEUP]・2017年10月11日・フィクションに誘い込むトイ・ポップ──生活を彩る音楽隊・Ribet townsの『フラッシュフィクション』 渋谷系や北欧音楽への憧憬を、京都という街から鳴らす12人組ポップ・バンド、Ribet towns。今年2月にファースト・ミニ・アルバム『ショートショート』を発売したばかりの彼らが、配信限定となるEP作品『フラッシュフィクション」をリリース。前作に収録されていた「メトロ」「ショートシネマ」のリアレンジと新曲2曲の全4曲を収録した今作を、OTOTOYでは発売日に先駆け、先日より配信スタート。ハイレゾでの配信もOTOTOYのみということで、これから要注目となるであろう彼らのサウンドをぜひ良い音で楽しんでいただくとともに、レヴューを掲載。カラフルなフィクションの世界へどうぞ。 ハイレゾ版の配信はOTOTOYのみ!Ribet towns / フラッシュフィクション'【配信形態】ALAC、FLAC、WAV(24bit/96kHz) / AAC>>>ハイレゾとは?'【配信価格】単曲 185円(税込) / アルバム 750円(税込)【収録曲】01. ベッドタウン02. ショートシネマ03. caravan04.
by 中の人
原稿ライオット2017結果発表!!ーー聴けるボーイズユニット、CUBERSの2nd EP『マゼンタ』ハイレゾ配信
[REVIEW]・2017年10月12日・原稿ライオット2017結果発表ーー聴けるボーイズユニット、CUBERSの2nd EP『マゼンタ』ハイレゾ配信 “聴けるボーイズユニット”CUBERSが、2nd EP『マゼンタ』をリリース。ディスコ〜ブラック・ミュージックを軸に制作された1stアルバム『PLAY LIST』、そこから一歩踏み出しアイドル・ポップ然とした楽曲からロック調の楽曲まで幅を見せた1st EP『シアン』、本作はそのどちらも取り入れったCUBERSの真骨頂とも言えるEPとなっている。OTOTOYでは本作をハイレゾ配信スタート!! そして、本作のレビュー記事を募集する原稿の登竜門コンテスト「原稿ライオット2017」の結果を発表する!! 審査委員長は、南波一海!! ライターを目指している人はもちろん、CUBERSを世に広めたい人、プロのライターまで、数多くの応募作の中から選ばれたグランプリのレビューをお楽しみください。 2nd EPをハイレゾ配信スタートCUBERS / マゼンタ【配信形態】WAV、ALAC、FLAC(24bit/48kHz) / AAC>>>ハイレゾとは?'【価格】単曲 250円(税込) / まとめ 1,500円(税込
峯田和伸が歌う「恋とロック」とは? 銀杏BOYZ3ヶ月連続リリースを読み解く!
[CLOSEUP]・2017年10月12日・青春に別れを告げた峯田和伸が歌う「恋とロック」とは? 銀杏BOYZの3ヶ月連続リリースを読み解く! 日本武道館での公演を目前に控えたバンド活動はもちろん、連続テレビ小説「ひよっこ」への出演などで、お茶の間の幅広い世代にもその存在感を示した銀杏BOYZ・峯田和伸。そんな銀杏BOYZが「恋とロック」をテーマとして3ヶ月連続で「エンジェルベイビー」「骨」「恋は永遠」というシングルをリリースした。今回の3ヶ月連続リリース第1弾の「エンジェルベイビー」で〈ロックンロールは世界を変えて〉と叫んだ銀杏BOYZ、そして峯田和伸は、きっとこれからもぼくらの世界を変え続けてくれるはず! あなたの世界を変えるかもしれない3作品を、「岡村詩野音楽ライター講座」講座生によるクロス・レヴューとともにお届けします。 3ヶ月連続リリース、3部作配信中【配信形態】ALAC、FLAC、WAV(16bit/44.1kHz) / AAC【配信価格】それぞれ 単曲 200円 / まとめ購入 400円 REVIEW : 銀杏BOYZ「エンジェルベイビー」「骨」「恋は永遠」 峯田和伸の、変わらないピュアネス(額田大志)ノイジーなバンド・サウンドの上
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by 尾野 泰幸
筆者について
青野 慧志郎 (青野 慧志郎)

■ yoji & his ghost band @YojiGhostBand / No Eyes @no_eyes / Ghostlight @ghostlight_jp / 折坂悠太 @madon36 サポート (Gt, F.Mand, Cl, Banjo, Key) ■ 音楽評論文執筆 ■ インフラエンジニア

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