平賀さち枝、新作ミニ・アルバムが完成

デビュー作から1年。SSW平賀さち枝から届いた最新ミニ・アルバムは、「誰もが口ずさめるような曲を」という本人の言葉通り、より訴求性を持ったメロディと言葉、それに寄り添うように奏でられる色とりどりのバンド・サウンドが、彼女の新たな側面を開示させることに成功している快作。録音には、田中馨(ショピン、ex-SAKEROCK)、野村卓史(グッドラックヘイワ、NATSUMEN、WUJA BIN BIN)、内田武瑠(ショピン)等が参加、録音/編集は注目の若手エンジニア葛西敏彦が担当しています。新しい季節の始まり、平賀さち枝の第二章がはじまります!


平賀さち枝 / 23歳

1. 今は帰らない
2. 江の島
3. 目黒川
4. No Music, No Life
5. 春が来そうでさびしいだけ
6. パレード

新しい季節を彩る、みずみずしい歌声

野に咲く花のように可憐な歌声と、春風のようにやわらかいギターの音色。都内を中心に活動する平賀さち枝は、そのあどけない雰囲気と、何気ない日常の風景を色鮮やかに描き出す鋭い感性のギャップが印象的な、気鋭のシンガー・ソングライターだ。

彼女は2011年にデビュー・アルバム『さっちゃん』を発表。同作は高い注目を集め、各地でロング・ヒットになっている。また、奇妙礼太郎や住所不定無職とともにジャックス・カードの音楽キャンペーン「あなたの夢に応援歌」に起用され、FM802主催の音楽フェスティバル「ミナミホイール2011」や映画「恋はパレードのように」に出演するなど、活躍の場を全国に広げている。

今回発表された『23歳』は、『さっちゃん』以来1年ぶりのリリースとなるミニ・アルバム。前作では彼女の弾き語りが中心だったが、本作ではショピンの田中馨(ベース)と内田武瑠(ドラム)、グッドラックヘイワの野村卓史(ピアノ)をゲストに迎え、ポップなバンド・サウンドにも挑戦している。

オープニングを飾る「今は帰らない」は、上述のジャックス・カードのキャンペーンで発表された、叙情感溢れるアップ・ナンバー。同キャンペーンの映像では力強い弾き語りを披露していた彼女が、本作ではバンド・メンバーの個性を活かした、矢野顕子を彷彿させるジャジーでコケティッシュなサウンドを披露している。続く「江ノ島」は、初夏の空気を閉じ込めたような清涼感のあるメロディと、荒井由美や太田裕美を思い起こさせるレトロなサウンドが魅力のアップ・ナンバー。彼女のキュートな姿を存分に楽しめるプロモーション・ビデオも公開されているので、ぜひ見てほしい。

「目黒川」はライヴでもお馴染みのしっとりとしたバラード。一音一音を丁寧に鳴らしたギターの上で、青葉市子や小野リサのようなみずみずしい歌声を響かせている。初夏の鮮やかな光景が目に浮かぶ歌詞にも注目。また、「No Music No Life」も弾き語りだが、こちらは爽やかなメロディのミディアム・バラード。「誰もが口ずさめるような曲を」という本作の方向性が、もっともわかりやすく表れているのはこの曲だろう。それに続く「春が来そうでさびしいだけ」はわずか1分の間にひとつの物語を盛り込んだ異色の楽曲。「目黒川」や「No Music No Life」にも当てはまることだが、本作の彼女はそれまでに比べ、歌声はより伸びやかに、演奏はより研ぎ澄まされ、洗練されてきている。

アルバムの最後を飾る「パレード」は、明るく華やかなアップ・ナンバー。ジャクソン5やシュープリームスを彷彿させる、軽快でリズミカルな3人の伴奏をバックに、これまであまり見られなかった陽気ではつらつとした歌を披露している。完成されたポップスの様式が、荒削りな彼女を都会的な女性に成長させたのだと思う。

純朴さの残る少女は、1年のときを経て高いレベルのシンガー・ソングライターに成長した。洗練されたアコースティック・サウンドと、軽快なポップ・ナンバー。全く異なる二つの面をゆっくりと楽しんでほしい。(text by 高野裕介)

RECOMMEND

mmm / ほーひ

前作に引き続き、下田温泉(ドラム)、千葉広樹(ベース)、宇波拓(エンジニア、ギター他)を基本メンバーに、さらに多数のゲストを迎えた演奏の記録。心に染み渡るビタースイートな歌声、思わず顔がほころぶユーモア。和やかなフォーク・ポップや、GS調のアップテンポなガレージ・ロック、黒人音楽の雰囲気を感じさせるスローなバラードまで、すっと肩の力を抜かせてくれるようなあたたかな歌、全12曲。

麓健一 / コロニー

中村宗一郎氏をエンジニアに迎え、初のバンド編成でのスタジオ・レコーディングを敢行。スッパマイクロパンチョップによる予測不能で遊び心溢れるドラミング、それを支える緻密でふくよかな旋律の端子のベース、お転婆でありながら流れるようなホソマリのピアノが加わり、瑞々しい躍動感が生まれ、新たな側面を提示することに成功している。一方で自宅録音されたシンプルなアコースティックナンバーは言葉とメロディの魅力をストレートに伝えている。

PROFILE

1987年生まれ。岩手県出身。2009年に作詞、作曲、ギターをはじめる。ギターが弾けずアカペラなどでライブ活動を開始。数ヵ月後にはギターを弾きながら歌うようになる。2010年、高円寺無力無善寺で毎月定例ライブを行う。都内各所で活動。ファースト・アルバム『さっちゃん』を2011年4月にkitiよりリリース。2011年7月にはJACCSカードの「あなたの夢に応援歌」に参加、10月にはFM802主催の「ミナミホイール 2011」出演。アルバム『さっちゃん』は各所で2011年のベスト・アルバムに選ばれるなど、現在もロングセラーを続けている。

>>平賀さち枝 WEB

o

 
 

レヴュー

【REVIEW】生活を彩る音楽隊、フィクションに誘い込むトイ・ポップ──Ribet towns『フラッシュフィクション』
[CLOSEUP]・2017年10月11日・フィクションに誘い込むトイ・ポップ──生活を彩る音楽隊・Ribet townsの『フラッシュフィクション』 渋谷系や北欧音楽への憧憬を、京都という街から鳴らす12人組ポップ・バンド、Ribet towns。今年2月にファースト・ミニ・アルバム『ショートショート』を発売したばかりの彼らが、配信限定となるEP作品『フラッシュフィクション」をリリース。前作に収録されていた「メトロ」「ショートシネマ」のリアレンジと新曲2曲の全4曲を収録した今作を、OTOTOYでは発売日に先駆け、先日より配信スタート。ハイレゾでの配信もOTOTOYのみということで、これから要注目となるであろう彼らのサウンドをぜひ良い音で楽しんでいただくとともに、レヴューを掲載。カラフルなフィクションの世界へどうぞ。 ハイレゾ版の配信はOTOTOYのみ!Ribet towns / フラッシュフィクション'【配信形態】ALAC、FLAC、WAV(24bit/96kHz) / AAC>>>ハイレゾとは?'【配信価格】単曲 185円(税込) / アルバム 750円(税込)【収録曲】01. ベッドタウン02. ショートシネマ03. caravan04.
by 中の人
原稿ライオット2017結果発表!!ーー聴けるボーイズユニット、CUBERSの2nd EP『マゼンタ』ハイレゾ配信
[REVIEW]・2017年10月12日・原稿ライオット2017結果発表ーー聴けるボーイズユニット、CUBERSの2nd EP『マゼンタ』ハイレゾ配信 “聴けるボーイズユニット”CUBERSが、2nd EP『マゼンタ』をリリース。ディスコ〜ブラック・ミュージックを軸に制作された1stアルバム『PLAY LIST』、そこから一歩踏み出しアイドル・ポップ然とした楽曲からロック調の楽曲まで幅を見せた1st EP『シアン』、本作はそのどちらも取り入れったCUBERSの真骨頂とも言えるEPとなっている。OTOTOYでは本作をハイレゾ配信スタート!! そして、本作のレビュー記事を募集する原稿の登竜門コンテスト「原稿ライオット2017」の結果を発表する!! 審査委員長は、南波一海!! ライターを目指している人はもちろん、CUBERSを世に広めたい人、プロのライターまで、数多くの応募作の中から選ばれたグランプリのレビューをお楽しみください。 2nd EPをハイレゾ配信スタートCUBERS / マゼンタ【配信形態】WAV、ALAC、FLAC(24bit/48kHz) / AAC>>>ハイレゾとは?'【価格】単曲 250円(税込) / まとめ 1,500円(税込
『23区』以降のメロウ・グルーヴ──bonobos、ニュー・シングルをリリース
・2017年10月13日・【REVIEW】『23区』以降のメロウ・グルーヴ──bonobos、ニュー・シングルをリリース メンバーの大幅な更新を経て昨年リリースされたアルバム『23区』で、その表現をネオ・ソウル〜R&Bのグルーヴへとシフトさせたbonobos。その長いキャリアのなかで大きな転換となったアルバムから1年、ここに新たなシングル『FOLK CITY FOLK .ep』を発表した。先行ですでにリリースされている、彼らの代表曲「THANK YOU FOR THE MUSIC」のリアレンジ・ヴァージョンも含む6曲は、まさに彼らの『23区』以降の現在の勢いを感じさせるものだ。端的にいえば『23区』でバンドが獲得した表現をさらに一歩推し進めた作品となっている。OTOTOYでは本作を、DSD、そしてハイレゾ版にて配信中。そしてレヴューにてその内容を紹介します。 bonobos / FOLK CITY FOLK .ep'【配信形態 / 価格】'【左パッケージ】DSD(5.6MHz) + MP3データ付きシングルまとめ購入のみ 1,800円(税込)【右パッケージ】24bit/96kHz WAV / FLAC / ALACAAC単曲購入 3
峯田和伸が歌う「恋とロック」とは? 銀杏BOYZ3ヶ月連続リリースを読み解く!
[CLOSEUP]・2017年10月12日・青春に別れを告げた峯田和伸が歌う「恋とロック」とは? 銀杏BOYZの3ヶ月連続リリースを読み解く! 日本武道館での公演を目前に控えたバンド活動はもちろん、連続テレビ小説「ひよっこ」への出演などで、お茶の間の幅広い世代にもその存在感を示した銀杏BOYZ・峯田和伸。そんな銀杏BOYZが「恋とロック」をテーマとして3ヶ月連続で「エンジェルベイビー」「骨」「恋は永遠」というシングルをリリースした。今回の3ヶ月連続リリース第1弾の「エンジェルベイビー」で〈ロックンロールは世界を変えて〉と叫んだ銀杏BOYZ、そして峯田和伸は、きっとこれからもぼくらの世界を変え続けてくれるはず! あなたの世界を変えるかもしれない3作品を、「岡村詩野音楽ライター講座」講座生によるクロス・レヴューとともにお届けします。 3ヶ月連続リリース、3部作配信中【配信形態】ALAC、FLAC、WAV(16bit/44.1kHz) / AAC【配信価格】それぞれ 単曲 200円 / まとめ購入 400円 REVIEW : 銀杏BOYZ「エンジェルベイビー」「骨」「恋は永遠」 峯田和伸の、変わらないピュアネス(額田大志)ノイジーなバンド・サウンドの上
聴けるボーイズユニット、CUBERSの2nd EP『マゼンタ』をハイレゾ配信!! 南波一海によるレビュー掲載
[REVIEW]・2017年10月04日・南波一海によるレビュー掲載ーー聴けるボーイズユニット、CUBERSの2nd EP『マゼンタ』ハイレゾ配信 “聴けるボーイズユニット”CUBERSが、2nd EP『マゼンタ』をリリース。ディスコ〜ブラック・ミュージックを軸に制作された1stアルバム『PLAY LIST』、そこから一歩踏み出しアイドル・ポップ然とした楽曲からロック調の楽曲まで幅を見せた1st EP『シアン』、本作はそのどちらも取り入れったCUBERSの真骨頂とも言えるEPとなっている。OTOTOYでは本作をハイレゾ配信スタート!! 南波一海のレビューを掲載する。さらに本作のレビュー記事を募集する原稿の登竜門コンテスト「原稿ライオット2017」も引き続き絶賛開催中!! 審査委員長は、南波一海!! ライターを目指している人はもちろん、CUBERSを世に広めたい人、プロのライターまで、応募は自由。本作を隅から隅まで味わいつくそう!! 2nd EPをハイレゾ配信スタートCUBERS / マゼンタ【配信形態】WAV、ALAC、FLAC(24bit/48kHz) / AAC>>>ハイレゾとは?'【価格】単曲 250円(税込) / まとめ 1,500円
【REVIEW】Okada Takuro(ex 森は生きている)の1stソロをハイレゾ配信開始
[CLOSEUP]・2017年10月04日・【REVIEW】Okada Takuro(ex 森は生きている)の鮮明な登場──1stソロをハイレゾ配信開始 2枚のアルバムをリリースし、2015年に突如解散をした“森は生きている”の岡田拓郎が、2017年10月4日、ソロ名義“Okada Takuro”としてのデビュー・アルバム 『ノスタルジア』をリリースする。マルチ楽器奏者であり、作曲家であり、更に“森は生きている”ではミキシングやジャケット写真までも手がけた、いわば芸術的創造力の塊ともいえる、岡田拓郎。そんな彼のデヴュー・アルバムは、ボブ・ディランからボン・イヴェールなど数々の名作を手掛けたグラミー賞ノミネート経験もあるエンジニア、グレッグ・カルビがマスタリングを担当。さらに、増村和彦(ex. 森は生きている)、谷口雄(ex. 森は生きてい る)、大久保淳也(ex. 森は生きている)の他に、西田修大(吉田ヨウヘイgroup)、三船雅也(ROTH BART BARON)、水谷貴次(peno 他)、優河、石若駿など彼と繋がりのある様々なアーティストも参加。多様な楽器が紡ぐ音、静かに漂う歌声がすっと心に沁み込む傑作『ノスタ
by ai
【REVIEW】大野雄二トリオ、5年ぶりのジャズ・アルバムをハイレゾ配信
[REVIEW]・2017年09月27日・ジャズ・ピアノの奥深さにハマる秋! 大野雄二トリオ、5年ぶりのジャズ・アルバムをハイレゾ配信 2017年は大野雄二特別活動年といっても過言ではないでしょう。今年に入ってなんと3作目となる作品は、5年ぶりとなるトリオ名義でのジャズ・アルバム! 現編成のトリオでのリリースは初でもある。スタンダード・ジャズナンバーから、もちろんルパンの曲まで12曲収録。これから深まる秋の夜長にハイレゾ音質でじっくり耳を傾けてはいかがでしょうか。 YUJI OHNO TRIO / LET'S FALL IN JAZZ'【Track List】01. LET’S FALL IN JAZZ feat.Lyn02. SWEET SUE, JUST YOU03. MISTY TWILIGHT04. LET’S FALL IN LOVE05. LOVE SQUALL06. LET’S FALL IN JAZZ -interlude-07. MY ONE AND ONLY LOVE08. LET’S FACE THE MUSIC AND DANCE09. A FOGGY DAY10. LOVE THEME11. THEME FROM LUPI
ルーツをブレンドしながら“正しい場所“を見つける旅は続く――注目の新人バンド・Wanna-Gonnaの初EP
[CLOSEUP]・2017年09月28日・ルーツをブレンドしながら“正しい場所“を見つける旅は続く──注目の新人バンド、Wanna-Gonnaの初EP 時代や、そして洋・邦の垣根すらも超える普遍的サウンドを鳴らすバンド、Wanna-Gonna。〈FUJI ROCK'16〉への出演をはじめ、現在インディ・シーンで注目を集めている。先行でリリースされた7inch シングル「New Town」を筆頭に、ほっこりと落ち着いた気持ちになれるような良質な音楽を詰め込んだアルバムがやってきた!! ポップスの魅力に立ち返らせてくれる1枚を、レヴューと合わせてお楽しみください。 待望の1stミニ・アルバム!Wanna-Gonna / In the Right Place'【配信形態】ALAC、FLAC、WAV(24bit/48kHz) / AAC【配信価格】単曲 250円(税込) / アルバム価格 1,200円(税込)【収録曲】''01. Three Miles02. Run High 03. Nicaragua,1979 04. New Town 05. Transmitting End 06. Man in the Right Place 【REVIEW】W