2011/12/09 00:00

bonobos、5作目となるオリジナル・フル・アルバムをリリース!

bonobos / ULTRA
bonobosが結成10年目にしてたどり着いた遥かな境地は、ロック史上かつてない程のスケールで奏でられる、凄まじくシンフォニックな音響の新大陸! あらゆる生命を主体に、無限の詞世界をみせてくれる。10年目という節目に、また新たな傑作を生み出したbonobosは、やはり日本の宝だ!

【アルバム購入特典】
まとめ購入された方にはアルバムのWAV音源と「Go Symphony!」PVをプレゼント!

【トラック・リスト】
01. 鹿と宇宙 / 02. リレー / 03. 星の住処 / 04. スユンチ! / 05. Ultra / 06. 虹 / 07. O'Death / 08. 夕景スケープ / 09. Wanderlust / 10. あなたは太陽 / 11. Fanfare / 12. Go Symphony!

bonobosがバンド結成10年目に刻む新たな一歩

私たちは生命そのものを見ることは出来ない。しかし、bonobosの新作『ULTRA』を一度耳にすれば、人間の心臓の鼓動や躍動する動物のイメージが頭に思い浮かぶ。

bonobosは2001年8月結成。蔡忠浩(Vo, G)、森本夏子 (B)、辻凡人 (Dr)の3人組だ。レゲエ、ダブ、エレクトロニカ、そしてサンバなど様々なリズムを取り入れながら、温かみのあるフォーキーな音色を奏でる。今作はデビュー10周年の節目を飾る作品である。

聴いていくと動物の名前が沢山登場することに気付く。まず、トップ・バッターを飾る曲のタイトルには「鹿」(M1「鹿と宇宙」)。他にも山猫、クジラ、そしてカワセミなど歌詞の中にも動物が続々と現れる。そして生物だけではなく、太陽や彗星などはるか宇宙に存在する星々の名前も。音としては、今年9月リリースのシングル『Go Symphony!』で見せたシンフォニックなアレンジを全編に導入。そこにbonobosらしい緩やかなリズムが組み合わさり、これまでの作品と比較すると音の幅がぐっと広がった。伸びやかな蔡のボーカルに、ベースとドラムのうねるグルーヴ、そして木琴やハープ、トランペットなど温もりを感じさせる楽器が加わり、聴いていると自然と体が揺れ、心がほっとなごむアルバムだ。

紡がれている言葉で分かるように、今作でフォーカスしていることは「いのち」だ。動物や植物のいのちも、人間のそれと等しい。同時に森や海、そして目に見えない風や太陽の光でさえも、生物に必要な生きる恵みを与えてくれるいのちなのだ。そしてそれは、永遠に続いていく。2曲目「リレー」に「永遠とは/つまりはリレー/アフリカの谷から武蔵野まで/物語のりつぎつぎはぎして/吉祥寺の駅から遥か銀河へ」というフレーズがある。私たちは今「ここ」という一つの場所にいる。しかし水平線のずっと向こう側には、国や人種を超え別のいのちが生活を営んでいる。空を仰ぎずっと先を見てみれば、地球を生み出した銀河が広がっている。どこを向いてもいのちは続いているのだ。交響曲のように壮大な音響の中から、そんな普遍的で当たり前なことを思い出す。

バンド10周年の記念すべき年に「いのち」を表現するアルバムを生み出したのはなぜだろう。圧倒的な音の渦に耳を澄ませれば、「バンドも一つのいのちとして、音楽を奏で続けていくのだ」という決意を感じ取ることが出来る。節目を迎え新たな第一歩を踏み出したbonobos。彼らの生の息吹に満ち溢れた作品だ。(text by 碇 真李江)


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PROFILE

bonobos
メンバーは蔡忠浩(Vo、G)、森本夏子(B)、辻凡人(Dr)。レゲェ/ダブ、エレクトロニカ、サンバにカリプソと様々なリズムを呑み込みながらフォークへと向かう、天下無双のハイブリッド未来音楽集団!

bonobos Official Website

この記事の筆者

[レヴュー] bonobos

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