2011/11/25 00:00

"LIVE in Sense of Wonder 2011 release party"で初共演が実現

2011年5月28日(土曜日)に茨城県笠間市笠間芸術の森公園で行われたSense of Wonder 2011での児玉奈央とPredawnのステージから、それぞれ3曲をピック・アップし、スプリット・ライヴ・アルバムとしてOTOTOYが独占配信! 音質はDSD+mp3とHQD(24bit 48kのWAV)の高音質2種類。Predawnと児玉奈央という2人の至高のシンガー・ソング・ライターのライヴを、一度に味わえる超貴重音源集。そして年明け、2012年1月29日(日)。このスプリット・アルバムのリリースを記念したツーマン・ライヴが実現。満員の会場に登場した二人のステージをレポートします。


児玉奈央とPredawnによるスプリット・ライヴ・アルバムを高音質で配信中

児玉奈央×Predawn / LIVE in Sense of Wonder 2011
【Track List】
01. アイノウ (児玉奈央)
02. Suddenly (Predawn)
03. 名前なんて (児玉奈央)
04. o-o-h child (児玉奈央)
05. Milky Way (Predawn)
06. Time of No Reply (Predawn)

【配信形態】
1) DSD+mp3 (320kbps)
2) HQD (24bit / 48kHz WAV)
※まとめ購入のみ

【価格】
各1,000円

>>>Sence of Wonder 2011のレポートはこちら
【ダウンロードに関して】
windowsをご利用のお客さまは、標準の解凍設定、もしくは解凍ソフトによっては正常にファイルを解凍できない可能性がございます。その場合、お手数ですが別の解凍ツールを使用し、再度解凍をお試しくださるようお願い致します。7-Zip(フリー・ソフト)での解凍を推奨しています。
※7-zip http://sevenzip.sourceforge.jp/
また、ファイル名が長く操作出来ない場合や、ダウンロードしたファイルに不備や不明点がありましたら、info(at)>ototoy.jpまでお問い合わせください。

LIVE REPORT -2012.01.29 @渋谷7th Floor-

2012年1月29日、こじんまりとした渋谷7th Floorで行われた児玉奈央とPredawnのツーマン・ライヴ。このライヴは昨年のSense of Wonderでの両者のライヴを記録したスプリット・ライヴ・アルバム『LIVE in Sense of Wonder 2011』のリリース・パーティーとして開催された。

私はSense of Wonder 2011には行くことができなかったゆえ、このライヴ・アルバムでSense of Wonderという空間で奏でられた、透き通って力強い歌声、演奏の記録を追体験することによってでしか、児玉奈央とPredawnの歌声の交錯を想像することができなかった。だからこそ、この二人の歌声が響きわたる空間に、今私がいるという事実が、期待も膨らませると同時に、幾ばくかの不安を感じながら、席に座って開演を待った。

photo by Nozomi Wachi

しかし、そんな当惑にも似た思いは、Predawnの清廉とした歌声によって、一瞬にして霧が晴れるように消え去った。というよりも、これからどのような音が奏でられるのであろうという期待感に変わったのである。その柔らかで素朴なのにどこかアンニュイさを感じさせる歌声は、アルペジオで爪弾かれるアコースティック・ギターの繊細ゆえに少々内省的な印象を与える音像と相まって、ほのかに夢見心地の気分にさせられる。その平穏でまどろむようなサイケデリアを描く彼女の歌声を聴いて気持ち良くなったのだろうか、隣に座っている方がすやすやと眠っている。「眠ってもいいんですよ…… 」という内気なMCとは裏腹に、凛としたその歌声は終盤に演奏された「Suddenly」の軽やかなメロディに合わせて、一羽の鳥が空を自由に羽ばたくように、ライヴ空間を舞い、そしてリラックスした空間を作り上げていった。

約20分のセット・チェンジを経たあとに響き渡った、児玉奈央の寄り添うような歌声によって、会場はより一層安らぎに包まれる。レベル・ミュージック・バンド、GREEN MASSIVEのギタリスト・長久保寛之のまろやかで温もりを感じさせるギターの音色が、児玉の伸びやかでどこか艶っぽさのある歌声を彩っていく。そして、その艶やかな声の残り香が一瞬であるが残響として、ダブ処理がかかっているかのように空間に反響し、緩やかな音のさざ波を生みだしていく。ライヴ中盤で演奏されたThe Five Stairstepsのカヴァー「o-o-h child」の芯の強さを感じさせる児玉の唄う熱く優しい「うた」。そして、この「うた」からやってきたのは我々を孤独から解放させてくれるような温かい熱を持つ歌声の波動。そう、この響きは声の強さなのではないか。その優しく心にすっと沁み込む歌声を支えているのはシンガー・児玉奈央としての芯の通った声の強さなのだ、とその音の波動を通じてまざまざと感じさせられた。

photo by Nozomi Wachi

この児玉奈央とPredawnという面識のなかったこの二人が約2時間に渡って響かせた歌声の交錯は、まるで二人が落ち着いた喫茶店で程良い緊張感のもと、リラックスして対話をしているようであった。それは児玉奈央とPredawnによる女性の、そして人間の「歌声の対話」だったのではなかろうか。そして、その「歌声の対話」によって生み出されるエネルギーには、我々の身体、心を落ちかせ、そして昂らせる身体治癒力があることを、確かに感じ取れた。あるいはこういう言い方もできる、「歌声の対話」は、「他者」である我々を雄大に包み込んでいるようなライヴであったと。それは私にとって、新鮮だった。それゆえ、強烈なライヴ体験であったのである。(text by 坂本哲哉)

PROFILE

児玉奈央
16歳の時、Carole Kingの『Tapestry』を聴いて衝撃を受け歌い始める。2001年、SAKEROCKのギタリストの星野源とPolypを結成。下北沢mona recordのコンピレーション・アルバム『The Many Moods of Smiley Smile』、インパートメントのコンピレーション・アルバム『シネマサウンドトラック』に参加。2002年、ジャム・バンド・シーンにおける草分け的な存在、MAJESTIC CIRCUSに参加、2003年、FUJIROCK FESTIVALのFIELD OF HEAVENに出演する。2005年、アコースティック・ギターとマンドリンからなるユニット、YoLeYoLeを結成。2007年6月1st Album『ひかり』を、2008年8月にライヴ盤『Live YoLeYoLe〜KaNeYoLe』(Tuff Beats) をリリース。湘南を拠点に全国の野外フェス、カフェやバー等、大小問わず数多くのライヴ・ツアーを行い、各地で人気を得る。2009年3月に1st Solo Album『MAKER』(Tuff Beats) をリリースし、現在はソロ活動を中心に、ラジオ番組のパーソナリティを務めるなど、活動の場を広げている。2010年8月18日に2nd Album『SPARK』(FlyingStar Records) を発売。

児玉奈央 official web

Predawn
Predawn (プリドーン=夜明け前)を名乗る、女性ソロ・シンガー・ソングライター。かわいらしくも凛としたたたずまいと、天性の声に魅了されるリスナーが続出している。UKロック、オルタナティブ・ロック、ルーツ・ミュージックを独自に昇華し、少々ひねくれつつもドリーミングかつヒーリング的な聴き心地が融合した音楽は、国内のおいて類を見ない。2010年6月に、作詞、作曲、演奏、歌唱、録音をすべて1人で行った、1stミニ・アルバム『手のなかの鳥』をリリースし、日本全国でロング・セールスを記録。

Predawn official web

[ライヴレポート] Meggy

TOP