2011/04/16 00:00

CARD / Greeting Card
関西圏を中心に活動する4人組ロック・バンドCARDの1st EPが完成。元lostageのふたりによるギター・アンサンブルと、包み込むグルーヴ。簡素なリリックの中に情景を描く繊細なヴォーカル。そしてどこか人懐っこいメロディー・ラインが胸を打つ。インディー・ロック界への挨拶代わりの一枚。

1. White Line / 2. Overtime / 3. Tester / 4. Bound

mp3 : 700円 / wav : 900円
Label : stiffslack

2001年から活動を続けるlostageは、その中で三度のメンバー・チェンジを行ってきた。lostageを去った3人のプレイヤー、そのうちの2人が中心となり結成されたバンドがCARDだ。清水雅也がこのバンドを脱退したのは2008年1月。その後、入れ替わる形で新しいギタリストとして加入した中野博教。彼らがいつ、どこで、どういうきっかけで出会ったのかはどこにも情報が無くわからないが、彼らがオフィシャル・サイトにアップしているライヴ映像を見ていると、もしかして彼らは幼なじみか親戚か、元々それぐらい近い関係だったんじゃないだろうか? なんて想像してしまう。最近結成されたバンドとは思えないほどに、妙に息がぴったりと合っているのだ。

中野がlostageを脱退したのは2009年の年末。その後すぐにCARDを結成し、関西を中心にライヴ活動を始めた。lostageではギターとコーラスを担当していた中野は、CARDでメイン・ボーカルとしてバンドを引っ張っている。少し砂がまじったような彼の声は穏やかで優しいけれど、それと同時に胸にヒリヒリと痛く染みる。浮遊感の中に時折緊張感を走らせるCARDのサウンドによく似合う声だ。情景や瞬間を描写する歌詞がそこに哀愁やノスタルジーを注ぎ、この音源を聴いている15分間、ずっと陶酔と目覚めを繰り返していた。まだ結成から1年と少ししか経っていないこのバンドからは、年齢などの数字では測れない若さが感じられる。初々しさと言えばいいのだろうか。このまだ成熟しないポップさ、余力を残した疾走感が、これからどの様な方向に研ぎ澄まされていくのか、早くも次の作品が楽しみだ。(text by 水嶋美和)

CARD PROFILE

2010年1月、中野博教と清水雅也の元lostageのギタリスト2人を中心に結成された4人組ロック・バンド。ドラム辰巳俊一、ベース白神康裕と共に関西圏を中心に活動中。

中野博教 : G、Vo (ex lostage、PIECE PIX)
清水雅也 : G (ex lostage、Golden Pink Arrow♂)
辰巳俊一 : Dr (ex pharm)
白神康裕 : Ba、Vo (ex 姉さんのクリップばさみ)

CARD 1st EP 「GREETING CARD」release party!

2011年4月23日 (土) @ LIVE HOUSE Pangea
w / スクイズメン / kacica / my ex

2011年5月7日 (土) @ Shibuya O-nest
w / Å / locket (ex-First Day Action) / OUTATBERO

[レヴュー] CARD

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