2010/08/26 00:00

OTOTOY POWER PUSH!
Shleeps『mimesis』

OTOTOY編集部が今イチオシのアーティストを紹介するOTOTOY POWER PUSH。今回は、辻凡人(bonobos)のソロ・ワークShleepsをご紹介。TripHop、JUNGLE、HipHop、Electronicaなどのサウンドを独自の手法でクロスオーバーさせた「コラージュ・ビート」は、bonobosで見せる柔和なキャラクターからは想像もつかない展開をみせます。

ベッドに横たわりながら、Shleepsの『Mimesis』を聴いた。
Shleepsはbonobosのドラマー・辻凡人によるソロ・プロジェクト。bonobosのピースフルで浮遊感に満ちたゆるやかなイメージから一転、Shleepsでは浮遊感は残しつつも、クールでダイナミックなサウンドを繰り広げる。一聴して、彼の見せる顔の多彩さに驚かされてしまった。

今作には、ゲスト・ミュージシャンとして小池光子(ビューティフルハミングバード)、ar、Quinka with a Yawn、今野英明、浅見広志や森本夏子(bonobos)らが参加している。「Flyingbirds & Me」の小池光子の美しく伸びやかな歌声と、鳥が羽ばたくように自由で壮大なサウンドがアルバムの冒頭を飾り、「tiny tinkle song」と「trying to get over」では、可愛いらしくて繊細なQuinka with a Yawnのヴォーカルが曲をより神秘的なものにしていく。アルバムの最後を飾る「tomorrow (begins the moment) 」には、arのクボアツシがヴォーカルで参加。温かく優しい歌声と美しいメロディが、アルバムをしっかりと閉めてくれる。アルバム・タイトルの『Mimesis』には、再現、模倣という意味があるそうだ。辻凡人がひとり頭の中で描いた曲たちが、様々なミュージシャンの色を得て再現されていく。『Mimesis』は、辻凡人のコラージュ・ビートとゲスト・ミュージシャンの個性が混ざり合い、Shleeps一色ではない、極彩色のアルバムに仕上がっている。

寝転がりながら聴いていると、クールなエレクトロ・サウンドが心も体も部屋の中の空気もクール・ダウンしてくれる。熱帯夜に聴くのも良いし、涼しい部屋でも良いし、アイス・ティーを飲みながらでも、アイスを食べながらでも良い。今年はまだまだ猛暑が続くそう。これからの暑さ対策のひとつに、Shleepsを聴いてみては。(text by 小林美香子)

PROFILE

2009年12月始動のbonobosのドラム辻凡人のソロ・プロジェクト。「Shleeps」とは「Sleep」と「Sheep」を足した造語。人力でTripHop、Jungle、HipHop、Electronica等をクロスオーバーさせた “コラージュ・ビート”を作り出す。ライブはドラム、DJの2人編成で様々な個性派アーティストをゲスト・ヴォーカルに迎えて展開中!

この記事の筆者

[レヴュー] Shleeps

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