Harcsa Veronika and Gyémánt Bálint

Discography

今や、ハンガリーを代表するシンガーとなったハルチャ・ヴェロニカのニュー・プロジェクト。『Speak Low』(2007)、『You Don't Know It's You』(2008)でジャズ・ボーカル・シーンの話題をかっさらったハンガリーの歌姫、ハルチャ・ヴェロニカのニュー・プロジェクトは、彼女がリーダーを務めるトリップホップ・バンド、Bin-Jipのメンバーでもあるギタリストのジェーマント・バーリントとのデュオ作となった。ヴェロニカのエモーショナルなボーカルはさらに磨きがかかり、そこにコンテンポラリー・ジャズ・ギタリストであるバーリントの一風変わったギター・プレイがサポートする美しくもユニークな作品。その様はハンガリー版タック&パティといった趣だ。ハンガリー国内ではテレビ出演やファッション誌の表紙を飾るほどの人気者であるヴェロニカだが、音楽への探究心、挑戦する姿勢には目を見張るものがある。アコースティック・ジャズ・カルテットで成功を収めた後は、クラブジャズ・テイストの『Red Baggage』(2009)を、続いて前述のトリップホップ・バンド、Bin-Jipの『Enter』(ウェアラバウツ・レコーズ/2011)でビートの効いたエレクトロ、ロックへ歩み寄った。そしてこのニュープロジェクトである。本作はデュオということもありボーカルへの比重はこれまでになく高いが、独特の歌唱でそれを見事に昇華させている。ジャズをベースにしているもののオーソドックスなそれではなく、どちらかというとロック的な楽曲をジャズの土俵で表現するようなニュアンスが感じ取れる作品。ゆえにジャズ・ファンだけでなく、若い世代のリスナーにもアプローチできるだろう。本アルバム『Lifelover』はドイツの老舗ジャズレーベルTraumtonからのリリースも決まっており、ヨーロッパを中心に話題になること必至。日本盤ボーナストラックにはライブレコーディングによるニルバーナ「Come As You Are」、トレイシー・チャップマン「For my Lover」、U2「Stay」のメドレーを収録。

13 tracks

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