Bobby Glenn

Discography

LAのカルト・レーベルKoalaの中でも最も知られたアルバムがこちら。ソウル、レア・グルーヴ、サンプリング、いずれのファンにも需要が高いクラシックです。ダニー・ハサウェイにも似た声質のシンガー、ボビー・グレンによる唯一のLP作品で、プロデュースとアレンジを務めるのはEW&Fのラルフ・ジョンソン(ds)。アル・マッケイ(g)、フィリップ・ベイリー(perc)、ラリー・ダン(key)らEW&Fメンバーも参加した演奏はさすがの安定感と躍動感です。全体的にはファンクというよりもじっくりとヴォーカルを聴かせるようなミディアムとスロウ中心のレパートリー。くせがなく都会的な印象のボビーの歌声が卓越した演奏に映えるようです。このアルバムを有名にしたいちばんの理由はエモーショナルなバラッドM4「Sounds Like A Love Song」がJay-Z「Song Cry」で使われたことでしょう。印象的なイントロのハープはドロシー・アシュビー。ラルフ・ジョンソンのペンによる心打つナンバーです。EW&F的なのは冒頭のファンク「Must Be Funk」。ブギーで軽快なビートにホーンズとコーラスも彩を添えます。隠れた名曲なのがミディアムのM2「Hey Love」。心動かされる高揚感とはこういうメロディと歌唱を指すのでしょう。ファンキィなM5「Shout It Out!」、ドラマティックなメロディをスケール大きく歌い上げるM9「Put Yourself In My Place Friend」など、クラシックと呼ぶにふさわしいモダン・ソウル名盤です。

9 tracks

Related labels