チャーリー・クリスチャン直系のギタリストとしてスウィンギーで都会的なスタイルでファンを魅了したバーニー・ケッセルの代表作といえば、一連の『ポール・ウィナーズ』シリーズ(コンテンポラリー)と本盤『オン・ファイヤー』である。『オン・ファイヤー』はフィル・スペクターが主宰するフィルス系のジャズ・レーベルとして発足したエメラルドの第一回作品だが、レーベルは一年で立ち行かなくなり二枚目のアルバムはでず、当然ながらこの作品も超短期間で廃盤になってしまった。1974年に 『幻の名盤読本』(スイング・ジャーナル社)で取り上げらて評判となり、1980年代に日本でLP復刻されたがディスク・ダビングでしかもモノラルでの発売だったので評判が悪かった。その後米インタープレイ社が原盤権を獲得してから発見されたマスターに近いステレオ音源によるLPとCDのリリースが実現したが、今回の再発では技術の進歩とDSDマスタリグによりさらなる音質の向上を図った。もちろんステレオでのリリース。ハリウッドの人気ナイト・スポットP.J.'sでの1965年のライヴ録音で、共演はジェリー・シェフ(b)とフランク・キャップ(ds)。8曲目からのボーナス・トラックはTV番組『ジャズ・シーン・USA』での演奏で、今回が世界初リリース。1962年10月1日の放映で、パーソネルはバーニー・ケッセル(g)、バディ・ウッドソン(b)、スタン・リーヴィー(ds)