[作品紹介コメント]
☆☆☆ ハイレゾ ☆☆☆
「High Resolution Soundtrack 花咲くまにまに/音楽:阿保 剛」
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1)本作のサウンド作りについて
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初回限定版にサウンドトラックCDが同梱されていましたが、こうしてハイレゾ版として本作の楽曲をまとめて配信出来る機会を頂けてとても嬉しいです。
サウンド的には他作品と同じく、物語の背景となり、世界観の一部としての音作りに専念しております。本作の場合、舞台となる設定が江戸時代という事もあり、和の要素を意識して楽曲を作りました。
直接デジタルデータを出力する方式を採っている為、ハイレゾ化しても無調整で大丈夫かと思っていましたが、音色によって特有の違いが出てましたので、微調整兼ねて音色を多少いじりました。
やはり、計算で発音する物理音源のレゾナンス成分に違いが出てました。
また、リバーブの深さはハイレゾの方が優しい印象を受けました。
琴や三味線、尺八、和太鼓を始めとした打楽器などを組み込んだ楽曲が多いので、そこから思い浮かぶ和的な世界観を思い描きつつ、聴いて頂けたら幸いです。
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2)楽曲の解説、聴きどころなど
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どの楽曲も思い入れあったりしますが、いくつか解説させて頂きます。
「花咲く隨に」
本プロジェクトで最初に作った楽曲であり、世界観を作る為の総合的な1曲という意気込みで作りました。
曲のイントロ部分は花びらが舞う風に乗り、振り返ると江戸の町なみが見える丘に立つ主人公の七緒。その後は物語の舞台の中心となる万殊屋を始めとした活気づいた江戸の下町、ふと寂しく感じる七緒、でも振り返れば暖かく受け入れてくれる仲間達。小走りに歩み寄って行く七緒…という物語性を考えて作ってます。
「修羅」
怒りの感情を表現した曲なので、そういった歪んだ音を意識して組み込んでいます。
「面妖なる陰」
ハイレゾ化でレンゾナンス成分の深さが違ってた楽曲の1つで、焦りを表現した曲です。
「疑心暗鬼」
この曲も同様に音色的な違いが出てました。この曲は元々長編の曲を短く編曲したものだったりします。
「和助・破天荒」「白玖・詩舞」「宝良・天真爛漫」「辰義・一匹狼」「倉間・風」
それぞれ作っていて楽しかった曲です。各キャラクターのテーマ曲になるので、その個性など設定的な要素を出すよう意識してます。特に和助と辰義の楽曲は特に気に入ってます。
「幾世」
プロジェクト終盤まで着手せず、最後にシメとしてガッツリ取り組んだ曲です。最終着手という事で、物語や楽曲の全容が見えていましたので、今聴くとエピローグ的な印象すら感じます。そんな、お気に入り曲です。